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いよいよ仏大統領選!ヒエ〜っ!恐い!


日本のみなさんは、北朝鮮のミサイル騒ぎで、遠いフランスの国の大統領選なんて興味ない人がほとんどかもしれませんが……。

現在のフランスは大統領選挙を前日にひかえ、揺れに揺れてる最中でございます!

つい先日なんて、予想してた通りテロまで起きてしまいました。(日本の家族や友人から誰も心配してくれる連絡がこなかったので、日本ではあんまり報道されていない模様)

今回のテロは、これまた大統領選に大きく影響があると言われています。

さて、今年の大統領選は

「アメリカ・トランプや、EU離脱したイギリスの二の舞になるのでは!?」


「ひょっとしたら、これ、世界戦争始まるやつじゃないの?」

という、大げさではないリアルな危機感があります。

ただでさえ、テロやら高い失業者問題で弱くなっているフランス大国の未来が、大きく左右される大統領選なのです。

ということで、

今回はフランス大統領選挙の専門的な話ではなく、「フランスに住む日本人の私が感じていること」や、私の周りのフランス人たちからはどんな声が聞かれるのかについて記録しておこうと思います。

まずは、どんな人が大統領選に立候補していて、
誰が当選しそうな感じになっているのか?

正確で専門的な情報はコチラ↓などを参考にしてもらいつつ
このnote記事では、個人的な意見と印象をお伝えします。


さて、候補者紹介!

①マリーヌ・ルペン

FN(国民戦線)という極右党の二代目トップ。
一代目は彼女の父親で、「差別・失言の大魔王」と言ってよいほど過激な人で知られる。父親のイメージが悪すぎるので、無理矢理退かせて、彼女がトップになったのはけっこう最近の話。

方針としては、移民反対! EUも反対! 
フランスのトランプとも言える。
彼女はトランプがアメリカ大統領に選ばれたことを大絶賛し、「トランプにならおう!」と声だかに吠えている候補者。

残念ながら、こんな極端な党が今のところ当選有力と言われているくらい、不フランスは大変な状況になっている、と言うと、どれくらい「ヒエ〜!恐い!」感じなのかお分かりいただけるかと思います。

私の周りには「ルペンが大統領になるなんて、冗談じゃない!」「恐ろしい!」というコメントばかりだけれども、それは、パリとかパリ近郊のフランス人だからかもしれません。

トランプが選ばれた時のように、フランスの地方だとか、グローバーリゼーションによって仕事を奪われたフランス人や、「テロを阻止するために移民排除するべきだ!」と思っている人たちは意外に多いらしいようなのです。

テロが起きるたびにリペン氏は「ほらみたことか!だから移民・難民は追い出せ!」と声を張り上げ、彼女の支持者は増えている予感……。

もし、ルペン氏が大統領になったら、フランスに住んでる私のような外国人はフランスに滞在することや、その手続きがとても面倒になったり、そもそも不可能になるかもしれないので、在仏日本人の間では悪夢でしかない存在。

そもそも、彼女が当選すればフランス史上初の女性大統領になるはずなのだけれど、そうした「女性」であることより、極右がフランスを支配する異常事態の方に注目されています。

②エマニュエル・マクロン

私の記事でも紹介したことがある元エリート銀行員の、若手政治家(39)。奥様は高校生時代の教師(63)。右派でも左派でもない新しい党を自分で立ち上げて、フレッシュ感たっぷり。でも、本当にこの若くて政治経験の少ない男がフランスの未来を背負うことができるの? マリーン・ルペンと戦って勝てる相手なの? という疑問が拭えない。

ところが、つい昨日、アメリカのオバマ氏から激励の電話を受けている映像がニュースで紹介され、オバマが「YES!You can!」と応援しているのなら、マクロンにかけてみる手はあるかもしれない、という雰囲気は急増している?


③フランソワ・フィヨン

大物政治家。敬虔なキリスト教徒。ちょっと前までは、この人が圧勝すると予想されていた。ところが、不正疑惑が広告料一切ないフランスの新聞にすっぱ抜かれ、「フィヨン氏もう大統領になれる可能性ゼロ!」と噂されるところまで落ちてしまった。

この不正疑惑について彼は真っ正面から謝罪し、大統領選継続を宣言するも、お金がらみの不正疑惑だったために「この裏切り者!」、「そんな奴に投票できるか!」と思った元・支持者をかなり失った模様。

とはいえ、「ルペンに勝てる候補って、じゃあ誰よ? フィヨンしかいないんじゃない?」と考える人も案外いるかもしれないし、今回の大統領選がどうなるかわからないと言われる大きな理由もここにありそう。


④ジャンリュック・メランション

「分身の術」なんて日本語を使って、遠隔映像「ホログラム」を駆使し、7箇所で同時に開催した演説で注目を集め、ここ最近支持者熱が上がっている気配。堅物で、安定感はあるような感じだけれど、大統領のイメージがいまいちない。


⑤ジャン・ラサール

デカくで、エロくて、素朴な田舎のおじさん。
この人が大統領になるとは信じてる人は少ないのだけれど、混乱中の大統領選挙の空気をなごませる愛されキャラとしてメディアに登場する。

⑥ブノワ・ハモンとニコラ・デュポン

良い人そう

⑦その他大勢 

(写真と解説は省略!)

日本の政治は、おやじくさくて、日本語でしゃべっているのに何を言っているのかちんぷんかんぷんで、私たちの投票で本当に変えられるの?という印象があり、全然興味が持てませんでした。

ところがフランスに住んでみたら、移民である私は選挙権もないのに、選挙の度に興味を持って、人ごととは思えない程ドキドキを感じてしまいます。まあ、実際は影響を受けるから人ごとではないんですけどね。

そして、ココ最近のフランスでは、レストランにご飯を食べにいっても、隣のサラリーマンや、向かいの高校生カップルも、そして道端でおしゃべりしているマダムたちも、選挙の話でもちきり。小さな子供ですら「マクロンは右でも左でもない人だよね」なんて言えたりするほどです。

フランスの政治に興味が持てるのは、政治家がフランス人で、みなさんキャラ立ちしていて、人間っぽくて、親近感が持てるから。

そして、この国では政治を語ることが、カッコいいという風潮があること。

そしてこれは最も決定的だなと思うのは、なんといっても選挙権を持っている人は、自分が選びたい大統領を直接選べるシステムだということ。

直接選べるということは、自分がフランスの未来を決める小さなカギを持っているような感覚になり、全然他人ごとじゃないのです。

今回、選挙まで数ヶ月と時間があった時、私の周りのフランス人たちは、珍しく「今回は選挙にいかないかも」とぼやく人がとても多い印象でした。

「なぜなら、誰に入れたら良いか良くわからない」=「入れたい人がいない」という状況だったからです。

ところが、フィヨン氏のパワーダウンや、ルペン氏のパワーアップ、テロも起きるわで、色々と事情が日に日に変わってきて、ひょっとしたらルペン氏が当選するかもしれない、という動きが起きつつある今。

どこまで、どれだけのフランス人が危機感を持って、「やっぱり選挙に行くべきだ」と思う人が増えるか……? これも選挙当日の結果を聞くまでわかりません。

いよいよ明日が投票日だけれども、
一回目の投票で50%以上の支持を得た候補者がいなければ、一回目の結果で多く票を集めたトップ二人の候補者の中から大統領を選ぶ、二度目の選挙が行われるシステムになっています。

大体、一発で決まることはないらしいので、私の個人的な予想では

ルペン氏とマクロン氏が50%未満の支持率で選ばれ、再選挙で、この二人の一騎打ちになるのでは?

(そしてアンチ・ルペンが投票にかけつけ、結果、マクロン大統領の誕生!)

という希望も込めた観測です。

さーて。明日は20時までフランス国内では結果の経過を報道することは法律で禁止されていますが、ツイッター上では20時以前からあるハッシュタグを使って、状況が見れるようです。

フランス人たちは、マクロン大統領にかけてみる勇気があるかどうか?、この点が個人的な選挙の見所です!

あ〜恐い恐い!

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