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自分に「思いやり」を:セルフ・コンパッションとは


最近読んでいる「セルフ・コンパッション」が予想以上にわたしのこころに響いているので、まだ読んでいる途中だけど、ここまでの概要と所感をここに置き、染み込ませておきたいと思います。


セルフ・コンパッションとはなにか

最近よくSNSでも見かけるようになった、セルフ・コンパッション。

セルフ・コンパッション(self-compassion)とは、直訳すると「自分を慈しむこと」。

他者を思いやるのと同じように、自分自身のことを思いやり大事にする。
日々の生活のなかで感じているストレスや困難な状況を乗り越えるための心理状態やその技法のことを言います。



今、自分は何を感じている?

今の自分は何を感じ、どのような内的対話がおこなわれているか、じっくり観察したことはありますか?

人は無意識のうちに、自分自身を評価し自分に対して批判的な言葉を浴びせています。知らず知らずのうちに自分で自分を攻撃しているのです。

また、自分を守るために感じたくない感情は受け取らないようにしていたり、はたまたその感情と過剰同一化し、感情に振り回されてしまったりも。

自分よりも優れている他者と比べて劣等感を持つ経験がある人は多いと思います。劣等感を持ったり自分を批判することは「他者に対して服従の姿勢を見せ報酬を得るため「という人間の生存本能として自然なことでもあるといいます。

また、逆に人は【レイク・ウォビゴン効果】という自分は平均以上に優れている人間だと感じる生き物なのだともいいます。「優れている」の定義は国や文化によってそれぞれではありますが、ほとんどの文化でこれは当てはまるそうです。

そしてその効果によってわたしたちは、自分は他者よりも優れていると感じるだけではなく他者の方が劣っているとも考えるわけです。これを「下方への社会的比較」といい、これもまた、わたしたちが避けたいと思っている関係性の拒絶に繋がるのだといいます。

ありのままの自分を見るということ。ありのままの感情を感じること。
「自分自身への評価をいっさいやめることが大事」となのがわかります。

「人間というのはなんと愛らしく守りたくなる存在なのか」とわたしは感じました。不器用で相反する見えないものに翻弄され、人を攻撃し、気付かないうちに自分自身をも攻撃している。

他者に対して優しく接するように、自分で自分に優しく接するのは、優しい世界を創り出していくことにつながります。自分に優しくすることが起点に世界は優しさに満ち溢れていくと考えると、とても素敵ですよね。



セルフ・コンパッションの構成要素

セルフ・コンパッションをおこなうのに3つの必要な構成要素はこちらです。

  1. 自分に優しくする

  2. 他者との共通の人間性を認識する

  3. マインドフルネスである



セルフ・コンパッションから得られるもの

・夢を追求する意欲
・勇気、自信、好奇心、レジリエンスに満ちたマインドセット
・エゴからの解放
・自己受容感
・自己確信
・つながりの感覚

人間のシステムやプログラムに対する理解が深まるので、本を読み進めていくにつれ、どんどん救われ、癒しが起きていく感覚があります。


エクササイズがたくさん紹介されているのですが、その中の一つで序盤に【手紙を書いてセルフ・コンパッションを探求する】というエクササイズが記されていたので実践してみました。3ステップの簡単な内容でした。

まず、自分が不安な時、悲しい時、不足感を感じる時、何が原因でそう感じているのか。そして、その原因のせいでどのような感情になるのか、どのような気持ちになるのかを正直にありのまま感じます。

そして、次に架空の友人を想像します。その友人は無条件の愛に溢れており、すべてを受け入れ親切で優しく寛大です。この友人の視点から、あなた自身に手紙を書きます。この友人は、不安や悲しさを抱えているあなたにどんな言葉をかけるでしょうか。あなたへの深い思いやりの気持ちをどのように伝えるでしょうか。

最後に、この手紙をしばらくしまっておきます。頃合いを見て、その手紙を見返します。

セルフ・コンパッション[新訳版]


わたしは2ヵ月後に封を開け読んでみました。自分で書いた内容なのに、とても嬉しくてあたたかい気持ちに包まれ涙が溢れてきました。わたしの中で癒しが起きていくのを感じました。

たしかに普段わたしは他者に対してはこのような言葉をかけている、だけど自分に対してはこんな風に優しい言葉をかけたことがなかったことに気付きました。

行為での優しさと言葉での優しさは別物なのだと感じました。
人間にとって、それらは両方必要で大事なのです。



「セルフ・コンパッションは人間誰しもが持つギフト」

セルフ・コンパッションの第一人者であるクリスティン・ネフ博士はこのように語っています。

しかし、これまで無意識のうちに自分を評価し批判してきた習慣というのはなかなか変えられないのです。

それは身体にも心にも同じことが言えるのだとわたしは考えます。

身体を健康にしたいのなら食生活を変えていく。鍛えたいのなら筋トレをする。そのようにして、徐々に身体に活力が戻ったり身体が仕上がっていく。

それと同じでセルフ・コンパッション ー 内なる自分との対話も筋トレのようなもの。少しづつ始めて、続けていく。丁寧に自分の状態、感じていること、こころや身体の声に気付き、他者に対するのと同じように自分に優しくする。

どんな感情も感じる自分を許す。

そのように、少しずつ、実践していく。
少しずつ変わっていくのを、丁寧に自分が感じ取ってあげる。

というのが、大事なんだろうなぁ、と感じました。


とにかく著者の優しさが伝わってくる文章で読んでいるだけで、コンパッションを受け取れる本です。

以下のツイートのリプ欄に印象的な引用を日々載せています。

後半を読み進めていくのも楽しみだなぁ。ゆっくり、自分に染み込ませるように読んでいこう。



後記

「自分で自分に優しく」というのはインナーチャイルドを癒すこととも同義だと思います。そして、個人の中の男性性と女性性の統合とも。

自分の興味関心のあるままに、無秩序に範囲を広げ学びを進めていくと、関連することや言葉は違えど同義であることがたくさん見えてきて、本質は一つなんだと最近は強く感じています。

自分の信じているもの、見えているもの、学びを続けてきた上で重なってきているもの。それらを、うまく自分の言葉で伝えられるようになりたい今日この頃です。


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