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波のない地中海でサーフィンを習うということ

去年の8月からサーフィン教室に通いはじめました。とはいえ、地中海はまったく波がありません。とくに夏は嵐でもこない限り穏やかな日々が続きます。なので、私が通うスクールではSUPやサーフボードを借りられるだけでなく、毎日サーフスケートやSUPサンライズ・サンセット、パドリングの練習、陸上の筋トレ、SUPヨガと毎日なにかしらクラスが用意されていて、波がくるとサーフィンのレッスンに変更になります。

人生のなかで何度かトライしたことはあるけれど、継続しないのでいっこうに上達しないサーフィン。丘サーファーからの脱出がかねてからの夢でもあったので、重い腰をあげてみたわけです。ハードなスポーツであることは知っていましたが、実際に日々のトレーニングにほぼ毎日のように参加し(何を目指しているのかとよく聞かれます)、サーファーたちのすごさ(体力はもちろん、波を永遠に待つ忍耐力と波にもみくちゃにされたときの落ち着き)に感銘を受ける日々です。

まさか30歳をすぎて夜の7時から、いい年をしたほかの大人たちと一緒になってスケボーをガチで練習するとは思っていませんでした。さらに、波がないのでサーフボードに乗ってひたすらパドルをしながら大海に繰り出すという仕打ちに合ったり(総距離3キロ)、最初は立つだけでもやっとだったのにいきなり荒波のなかへSUPをしに連れていかれるという超スパルタ対応をされたり、「風も波もなくてSUP日和だから遠くまで散歩をしよう」という言葉にそそられて参加したら、まさかの往復8キロも漕ぐはめになるという地獄を見たり(途中で漕ぐのを諦めそうになりました)、暗闇のなかで筋トレに励んだりと、ふと冷静になって我に帰るとよくわからない感じになっています。

そして肝心の波はというと──11月くらいから波がある日がやっとでてきました。とはいえ、ここで「波がある日」というのはだいたい天気が悪くなる前か後、もしくは天気が荒れている日。つまりまったく素人向きではないので、毎回98%海のなかで溺れている状態。自尊心ばかりが傷つく日々ですが、これもサーフトリップに行くための準備……! と自分に言い聞かせ、おかサーファーからの脱却に励む毎日です。

サーフスクールに通い始めてから1年が経ったにもかかわらず、私の運動音痴に加え、地中海という環境のせいでまったく上達していませんが(そして波シーズンは終わり夏がきましたが)、逆に今はSUPのベストシーズン。バルセロナの海は決して美しいとはいえませんが、観光で訪れる方も地中海をSUPでお散歩してみてはいかがでしょう? ビーチは人で溢れかえっていますが、沖まででてしまえば人混みとは無縁です。1時間単位でボードを貸し出しているお店はたくさんあるので、マリンアクティビティにチャレンジしてみてはいかがでしょう?

私が通っている「Blue Salt」では、ボードの貸し出しはもちろん、1日体験でSUPのレッスンも受けられるし、「サーフポロ」なるゲームのクラスもあり、会員にならなくても参加できます。これは何かというと、名前の通りサーフボードの上に乗っておこなうウォーターポロ。過酷です。ひたすらパドリングをし続けなければならないうえに、いつもは穏やかな人たちが球を追いかけはじめると豹変します。バルセロナでちょっと違った体験をしたいという方には、お勧めです。


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