生誕110年の画家がみつめた、青の情景
おひさしぶりです 🌿
先週の土曜日は、
板橋区立美術館で開催していた
佐藤太清展「水の心象」に行ってきました。
自然風景をモチーフにした
作品を多く描かれた、
今年で生誕110年の日本画家。
なかでも“水”の表現の深みは圧巻で
1000色を超える独自の色彩を
自身で調合した岩絵の具で生み出していたそうです。
展示作品のなかでも
一番印象深かったのは、水面に
うつりこむ風景を描いた「暎」という作品。
どこか抽象的でもあり
しっとりとした水辺の匂いを感じる絵。
水面にうつる湖畔の樹。
蓮の葉がそっと浮かび、
まあるい波紋がひろがってゆく・・・
繊細なブルーの色彩が何層にも重なって
深い青緑色にゆらめく
神秘的な世界がそこにありました。
佐藤太清さんが約70年の画業人生で
とくに描かれた“水”に関連する作品の数々。
自然に満ちあふれる
さまざまな水の表情が生みだす気韻。
その美しさに感受されて心に浮かびあがる
心象風景をあらわしていたのでしょうか。
・
そして、展示会場の広々としたスペースで
ずらりと飾られた作品群から感じたのは、
命の刹那的な美しさでした。
鳥 蝶 植物 雨 雪 空
佐藤太清さんが描いた世界はどれも
不思議とその絵のなかで
描かれたものたちが静かに息をしているようでした。
けれど、それは“永遠に続く命”ではなく
生きとし生ける者たちの宿命
いつかは消えゆくであろう存在の、
今という一瞬の美しさがここに在る。
そんな印象を強く抱きました。
・
画業の生涯にわたって
自然を描き続けてきた佐藤太清さん。
表現を通して。
アートを通して。
心の瞳を通して。
目の前にある光景の向こうに広がる
独自の“美の風景”を
見出していたのかもしれません。
わたし自身の創作活動
インスピレーションアートにおいても
新しい表現への着想を
得ることができた、豊かな時間でした。
from. あそうあやか
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