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そのままで

ぽやぽやとした頭で手を伸ばしてカーテンを開け、ぺちぺちと枕横を叩きながらスマホを探して開く。

YouTubeを開いて気合いを入れる音楽でもかけようと思ったところ、画面の1番上に表示されている動画に視線を奪われた。

大好きな作家さんの1人である岸田奈美さんが「木曜日は本曜日」に出演されているではないか!気づかんかった。

さっきまでのぽやぽや頭はどこ吹く風。シャキッと冴えた頭で目の前の映像を食い入るように観た。

その中の岸田奈美さんのこの言葉たちが、すっと、そしてどすんと心に突き刺さった。

「人を感動させようとか、いい話をしていい人だと思われようとか、そういうのって人間やっぱ見透かすんだなっていう。結局のところやっぱり、自分が本気で面白い・本気で知りたいって思うことを書かないと通用しないよっていうのは、その厳しさはここから(手に持っている那須正幹さんの『ズッコケ文化祭事件』を見せながら)学びました。」

「もう上げただけでは見てもらえないよねっていう。じゃあ、その中で誰に届けたいのか・何を表現したいのかっていうことが強い人ほど見られているなって私は思う」

『東京の本屋さん〜街に本屋があるということ〜』より

ものすごく図星だった。

最近、有難いことに読んで下さる方が増えて、「いい話をしよう」「読まれる文章を書こう」と、自分じゃない誰かになって、なんか自分よりすごいやつになりきって書いていた。肩に力を込めすぎて心は凝るし、物理的な肩凝りも深刻さを増している。

毎日書き始めてはや4ヶ月。肩凝らせないために毎日書き始めたのになと、反省した。

岸田さんが「物を書く全ての人に読んでほしい」と語る、そんな解説文のある那須正幹さんの『ズッコケ文化祭事件』、早速読もう。

こうして私の積読は増えていくんだなと、少し笑った。

そんな自戒にもなる動画の余韻にひとしきり浸っていると、何だか文章を読みたくなってnoteを開く。

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