元カレに彼女ができた話

あまりに突発的であまりに衝撃的なこの出来事は
私を殺すにはあまりにも簡単すぎた。

繁忙期を終え、家族ぐるみで仲のいい元カレは私の実家で、愛犬を膝に乗せながら優雅に年を越していた。
私も別れているとは言えど、こんな毎日がしばらくは続いて行くとおもっていた。

新春モードも解けてきた来たる1月6日。
精神的にしんどいと元カレに伝えると「気晴らしにゲーセン行こう」と誘ってくれ合流しそんな優しくて素敵な元カレから発された言葉は

「同僚の〇〇さんと付き合ったよ」

全くもって言葉の意味が理解できなかった。状況が飲み込めなかった。
情報過多で吐きそうだった。
だってその子は私と仲良くしてくれていた子で、付き合うとか絶対ないと言っていた子だったからだ。

誰をどう責めたらいい、どこにどう何を吐けばいい。
混乱の中、その日は元カレに罵声を浴びせ解散し、その日から私は友人たちに支えられ飲み歩く日々を続ける。

自殺未遂なんてものは何回だってした。自傷行為なんてものじゃこんな痛みは拭いきれなかった。お酒も強くなった。
だってもう元カレはいないのだ。

世間様から見たらそんなの、なんてことはないだろう。
彼と新しい彼女は別に悪くない。
ただ元カレが新しく彼女を作っただけ。
私の方が間違っている。わかっている。

だけど私にとっては耐え難い「裏切り行為」だったのだ。

なあ、「元」私の友人で、新しい彼女とやらよ、知ってるか。
その男お前と付き合うその日まで私を抱いていたぞ。
その男お前と付き合いながらも「介護だ」と言いながら私の部屋で寝ていたぞ。

こんなこときっと今の二人にはどうでもいいことなのはよく理解できた。
辛い時を支え合ったんだと。お互い心の支えなんだと。
なあ、お前ら今どんな気持ちでセックスしてんだよ。
人の返り血を浴びたセックスは気持ちいいか。

最後の最後、少しだけ二人が愛し合っていないという持論を持っていた。ほんの少しだけ。
それに適合していくような情報も集めた。
それを元に、元カレに「今どんな付き合いをしているのか」「会っていないのに本当に幸せなのか」「お互いに本当に好きなのか」と問った。

答えは「俺は会いたいと思っている」「相手も好きでいてくれてると信じている」「会っていなくてもお互い心では思い合っている」だとさ。

本当に全ての私からの情けは無くなってしまった。
わかっている。最初から既に情報戦でも何でも私が負けていたのだと。
二人は二人の中で今とても幸せなのだ。ただそれだけだ。

だったらもう関わらないでくれ。介護とか変に優しくしないでくれ。
本当はそう言って縁を切ってやりたい。
だけど、このポンコツクソ依存メンヘラはそれがどうしてもできないのだ。
本当にしねばいい。本当に頼むからしんでくれ。頼む。生きるな。
そう思っているのに気がつけば朝が来て、気がつけば未来の話をしている。

本当にポンコツだ。ポンコツの不良品だ。
そう言っている自分に酔っているのか酒に酔っているのかはわからないが、
今とにかく言えることは、私は復縁の可能性がミリ単位でもあった元カレを同僚に奪われ、深く傷ついているということ。

傷ついている自分とどうにか向き合い、どうにか痛みを受け止めてやるために文字を書いた。
明日の自分よ、頼むからこんなポンコツを愛してやってくれ。
抱きしめてやってくれ。大丈夫だって言ってやってくれ。頼んだぞ。

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