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"Empowering" ー 好きな言葉を検証する

ゾロ目が好きだ。今、ズバリ5時55分らしい。画面の右上に表示される時刻に目をやったらゾロ目だった。幸先がいい。

朝は気の向くままに過ごすと決めている。逆を返して言えば、気の向くままに朝を過ごせる生活を整えていきたい。目が覚めてからダラダラと布団の中で過ごす日もあれば、即座に起床し掃除を始める日もある。あれを買ってしまおうとオンラインショッピングに興じたり次の旅の予約をしたり、今後のスケジュールと睨めっこしたり、調子がすこぶる良い日なんかはスッと事務作業に入れたりする。私は事務作業が嫌いだ。掃除も嫌い。食器洗いも好きではない。たいてい、昼ごはん以降の食器は翌朝に洗う。シンクに汚れた食器があることとそれを洗って拭いて片付けることを天秤に乗せたとき、後者の方が気が重い。要するに後始末が嫌いなのだろう。そして朝が一番パワーがある。朝に洗い物をするのは全く苦に感じない。

今朝はコーヒーを淹れて journal を開いた。余談だけれどこのジャーナルやジャーナリングというカタカナ用語が日本で少し市民権を得たようだ。Journal は英単語。Diary 日記と似て非なるもので、日々の雑記とでもいうべきか。Jour はフランス語で「1日」を意味する。ちなみに Bonjour ボンジュールの成り立ちは bon 「良い」+「1日」だ。さらに言うとフランス語の journal の意味は「新聞」だから、ジャーナルとは自分新聞みたいなものと言えるのかもしれない。

私のジャーナリングは思いついたタイトルを書いて、それにまつわる思考を箇条書きすることが多い。今朝のタイトルは「好きを詰める40〜60歳」だった。その箇条書きの中に "empowering" が登場した。

Empowering = em + power + ing
(エンパワリングと発音する)

この単語の頭の em- は en- や "in" と同義で「その状態に入れる」というような意味合いを持ち、元の名詞などを動詞化する。同類の単語には enjoy (楽しむ) = en + joy (喜び), encourage (励ます) = en + courage (勇気) がある。

すなわち、 empowering とは「パワーを与える」それがあれば、またはそれをすれば、やる気が出る物事なのだ。

40〜60歳の20年間に好きを詰め込む。そのためには、まず初心に返って自分が何を好きなのかを突き詰める必要があると感じて、45歳の今年はできる限り好き放題に生きることにした。だから見事にお金が出ていく。でも少しずつわかってきた気がする。

大人になったら自己責任を持たねばならない。それは正しく生きる、人様に迷惑をかけないという方向で考えがちだけれど、自己責任の本質は違うのではないか。自己責任を取るとは自分を幸せにすることなのではないかと私は思う。

だから Empowering を集めるべきだ。身の回りのもの、付き合うひと、仕事や休日の過ごし方、家事の回し方、人との付き合い方。自分のパワー源になるかどうかを選択基準に、とことん選ぶ。選んで捨てる。選んで取る。取捨選択を積み重ねれば、自然と新たに欲しいものがほとんどなくなる。

例えば、私のデミタスカップ。エスプレッソを飲むための小さいサイズのカップだ。イタリア版のコーヒー専用お猪口とでも言えよう。2年ほど前にひょんなタイミングで最高のお気に入りに出会ってしまった。それからというもの、どんなに可愛いデミタスカップを見かけても食指が動かない。

選択で禅の境地に達するには妥協を許してはならない。妥協して気に入ったつもりになったものは飽きが来る。でも、真実はそれを買って使ってしばらく共に過ごさないとわからない。だから失敗を承知で、ものを買って、ひとと付き合い、様々な場に出向き、色々と試してみるしかない。

いつか私の出費が落ち着く日は来るはずだと信じている。その明るい未来を信じる気持ちが empowering だから。

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