福岡の同人イベントは終わりの始まりか(前編)

先日、福岡の中規模同人イベントに参戦した。イベントには厳しい社会情勢の最中に、よく開いたものだと関心した。尤も、イベントの採算を心配するほどの閑散ぶりだったが。それは以前書いたイベントレポートに詳しい。
そのイベント…福岡コミックライブは次回は9月のシルバーウィークの予定だった。しかし、延期となった。
会場は、前回の福岡国際センターではなく福岡国際会議場。前者の方が大きいが、メインは後者。管理会社自体は同じだ。

延期の発表は、前回のイベントから3週間後。急激に社会情勢が悪化している実感は無いが、一度延期を発表した以上従来の日程に戻すことは不可能だ。因みに、この記事を書いている時点では新たな日程は出ていない。3月8日分を6月7日分に統合する形で延期し、挙げ句それも飛んで
これが福岡の同人イベントの「終わりの始まり」ではないか、と思うようになった。それは別イベントも含めるが、採算面の問題だ。

何度か、それぞれのイベントの簡単な損益分岐点を計算したことが有る。すると、会場によってはサークルスペース満了でもそれだけでは会場費さえペイできないケースが有り、残りを来場客からの収入に頼ることとなる。また、コスプレイヤーの更衣室代が貴重な収入源になる。
ただ、そのコスプレが密集することは避けられない、として設定されない、つまりコスプレ禁止となると、一気に来場客を減らすこととなる。

大手イベント団体のコミックシティが長年、福岡のみコスプレと撮影を可能にしていたが、それはコスプレ可だが撮影禁止と云う急遽決められたルールを引き金に、衰退の一途を辿った末消滅した競合イベントから追い出されたコスプレの客を受け入れる意味合いが有ったためだと言われる。
事実、コミックシティやコミックライブもコスプレイベントとしての需要が大きい。特に後者は、最早メインがコスプレではないかと思うほどだ。それはサークルスペースと違い、客の回遊が無く常に滞留しているため、イベントの開始直後こそ着替え中で閑散とするものの、それ以降はコスプレ終了時間まで密集状態となる。
それが以前古参組の同人イベントファンが言っていた
「今は参加者同士、協力し合ってイベントを盛り上げる気が無い。心がバラバラだ」
と云うことになるのだろうが、それはまた別の機会に書く。

コスプレ禁止となる以上、入場料だけで増収を図るしかないが、それにはサークル出展者は任意購入となっているパンフレット…入場証となるため来場客は全員購入が必須…をサークル全員にも購入させるか、来場客を増やすか、入場料を引き上げるしかない。
「イベント継続のために購入に協力を」
とでも言えば、半数以上のサークル出展者は盲目的に従順だから
「表現発表の場のために」
と喜んで財布を開けるだろう。それがきっかけで今後の参戦を見直すサークルが出てくる可能性も有るが、それは諦めるしかない。
それでも、サークルチケットが1サークル3枚から2枚に減っている…つまり2人までしか入れない…上、全てのサークルが2人いるとは限らず、そもそも実際に来場するサークルがどれほどなのかも疑問で、即ちどれだけ売上が出るのかも不透明だ。

来場客を増やせるか、で言えばそれは難しい。そもそも来場客が感染リスクを鑑みて行かないと云う選択をすることに、イベント団体が口を挟むことは御法度で、最大限対策をしていることをアピールするしかない。後は、サークルの面子とオンリーイベントであればジャンルが全てだ。
それで従前通りの来場客を取り戻せるのかは相当危うい。それは、コスプレを除いても福岡は多少…特にコミックシティにおいては…、他の会場と事情が異なるのだ。

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