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おばあちゃんの柿で作った柿酢ができあがりました

2軒お隣に住んでいるおばあちゃん。

90歳を超えてもお元気で
毎日のように
畑仕事に精を出しています。

顔には人生を物語る
優しいしわが刻まれている素敵な方です。

ここだけの話ですが
私はそのおばあちゃんに
こっそり憧れています。

私は自分の祖母との思い出が
あまりないんです。

そのせいか
おばあちゃんの出てくる
漫画やドラマを見ると

自分には与えられなかった
心の奥底にある隙間を埋めるように

おばあちゃんというだけで
妙に感情移入してしまうんです。

その結果、すぐに涙腺が決壊します。

おばあちゃ~ん 涙

おばあちゃんとの思い出がない私ですが

この秋、2軒隣のおばあちゃんから
お庭になっている柿を譲ってもらいました。

「そんなにたくさんの柿どうするんだい?」
「柿酢を作ってみたくて」
「おめさん、”はつめ”らねぇ。」

※はつめ=まめな人、器用な人のこと
(新潟の方言)

このくだりは
先日の記事でも書かせていただきました。

そしてそのとき作った柿酢が
いよいよ出来上がりました。

私の思い出の柿酢です。
おばあちゃんの柿酢です。

感慨深い

出来立てほやほやを
口に入れますと・・・

すっぱい!!

喉に来ました。(当たり前)

いやこれね
本気でまぎれもない『お酢』なんです。

本当に使ったのは柿だけなんですよ。

なのにまさか
こんなクオリティの酢が
出来上がるなんて思いませんでした。

柿臭いのかと思ったら全然そんなことなくて
いわゆる酢なんです。

「酢なんて買えばいいじゃん」

そうかもしれません。

でも、おばあちゃんの柿でできたお酢は
私にとってはすごく価値があるんです。

・材料にこだわりました
・貴重で高級なものを使いました

そういうものも良いと思います。

それでも
おばあちゃんにもらった柿で作った
このお酢は別物なんです。

人の思いや心が詰まっているものって
「なんかいいな」って感じませんか?

日本人はそういった
表面に出てこない”何か”を察知する
感覚に優れています。

だからこそ”思いのこもったもの”に
反応してしまうんだと思います。

今回、私の「なんかいいな」アンテナが
発動したものは
おばあちゃんの柿で作った柿酢でした。

なので、この話を忘れたくなくて
またこの先にも思い出せるように

おばあちゃんの柿酢の作り方を
記録として残しておきたいと思ったんです。

よろしければ
私と一緒に作っている気持ちに
なって頂けたらと思っています。

3行でわかる柿酢の作り方

柿酢って
どうやって作るのか見当もつかない方
に説明しますと

いたってシンプルです。

瓶に入れて
時々混ぜて
ただ1か月程度置いとくだけ。

思ったより簡単なんですよね。

では具体的に追っていきましょう。

おばあちゃんの柿酢ができるまで

【用意するもの】
柿だけ

【やること】
・瓶に入れて待つ
・時々かき混ぜる
・蓋は空気が通るようにする

ステップ1:柿を瓶に詰める

【注意点】
・柿を洗わないこと
・密閉せず、布などでフタをすること
(布をかぶせ、紐やゴムで止める)

柿についている酢酸菌・酵母菌の力を借りてお酢にします。
なので洗いません。

ヘタをとるだけで皮ごと入れていきます。

今回は全部で3パターンで挑戦です。

・渋柿を丸ごと
・渋柿を切っていれる
・甘柿を切っていれる

でお試し開始です。

これな

写真を見てお気づきかもしれませんが
半分以上は固い柿ばかりでした。

完熟のジュクジュク柿だと
早く出来上がるみたいなんですよね。

でも、今どうしても作りたい!

盛り上がった気持ちを抑えきれず
作っちゃえ・・・ということに。

とあるサイトで「固い柿でもできあがります」
と書いてあったのでいけるだろう・・・たぶん。

なお、付属のふただと密閉されてしまい
菌たちが働けません。

なので布やガーゼなどでフタをして
ヘアゴムで口をぎゅっと閉じることにしました。

あとは時々混ぜながら待ちます。

ステップ2:経過観察

10日ほどして瓶を開けてみます。

・・・告白します。

さっきは「時々混ぜながら」と言っておきながら
最初の数日だけ混ぜて
あとはほったらかしにしていました。

(だって柿が固かったから
ちょっとくらいほっといてもいいかなって)

ではそんなずぼらな
10日目の柿の変化です。

これです。

おぉ、ジュクジュクしてます。

あの頃は全然固かったのに
今やこんなにジュクジュク。

待っているだけで勝手に進行してくれるんですね。

「固い柿でも大丈夫説」は正当でございました。

表面はカビではないんですが
もこもこ感があります。

少し心配はしましたが
混ぜてみると・・・

シュワシュワー

発酵の音が聞こえました。

シュワシュワぷくぷくしています

これならイケる。

確信しました。

ではお次のホーロータンクにっと

・・・

なんかいる!

左上の黒いものが見えるだろうか

よくよく見ると黒いモフモフが発生しています。

これはまさか・・・

念のため複数のサイトをくまなく調べてみたところ
やっぱりカビでした。

赤・青・黒のものはカビ→アウト
白→カビでない可能性も高い

中には「カビの部分をとって・・・」
と書いてあるサイトもあったんですが
見えなくてもカビの胞子は伸びているわけで・・・

そんなの怖いですよね。

黒いモフモフが発生したものは
泣く泣く処分することに。

すまん、力不足で・・・。

ってことは、もう一つの壺も怪しい・・・
ドキドキしながら開けてみると

一見大丈夫そうです。
でも、もしかしたら
と思い柿をひっくり返してみると・・・

なんか白いのがいる!

「白いものはカビじゃない可能性も高い」
らしいんです。

でも
「万が一カビだったらどうするん?」
そう思っちゃいまして。

明らかに白モフモフなものは
取り除くことにしました。

んで、一旦仕切り直し。

全体を箸で混ぜてみると
かなりいい感じにジュクジュクしてきています。

まだ固い柿も形を保っていましたが
いずれ同じようにジュクジュクするはずです。

これで大丈夫。

では、これ以降も時々混ぜながら様子見です。

一旦状況を整理してみます。

こんな感じで進んでいます。

【作る人向け】実践して分かった注意点:けっこう臭う

柿酢は熟成タイムに入ると
かなり酢の匂いが強くなり
存在感を高めてきます。

扉を閉めていても隙間から
ぷ~ん
と酸っぱい香りが漂ってくるんです。

我が家の場合は
玄関わきの倉庫に入れていたので
ずっと玄関が匂うわけです。

お客様が来たときに
「この家、酸っぱい」
と思われるのはマズイなと。

急遽、味噌蔵に場所を変更しました。

【教訓】
匂うことを考慮して熟成場所を決めましょう。

ステップ3:出来上がったので濾す作業に

柿の状態で変わるみたいですが
大体1か月くらいで出来上がるそうです。

発酵完了の目安は
混ぜても泡が出ないこと

昔ながらの柿酢の作り方。「おばあちゃんの知恵」に学ぶ、養生ごはんへの活用法

ぷくぷく感もおさまりイケそうな感じです。

クンクン

この匂い、酢に間違いありません。

ここから固形物を濾す作業に入ります。

鍋に重ねたザルにガーゼを敷いて
ドバっとあけちゃいましょう。

ドバー--っと

こっちはジュクジュク感が強め

こっちもドバー--っと。

こっちは白っぽいチーズみたいな感じが漂う

半日ほど置きますと
大分絞れてきました。

イェーイ

最後は待ちきれなくてギューッと絞ってしまいましたが
強く絞ると余計に白く濁るそうです。
(ドンマイ)

これで出来上がりという説もありましたが
長期間保存するなら酢酸菌以外の菌の繁殖を抑えるため
加熱した方が良いとのこと。

参照:かわしま屋さんサイト

68~72度の間で加熱すること10分。

温度計とにらめっこ

柿酢の出来上がりです。

かき集めた瓶たち

白く濁ってはいますが
特に問題ないようですのでこれでOKとします。

では、味見をば。

おちょこ用意

んん~!
これはお酢だ!

完全にお酢です。
米酢よりはさっぱり優しい感じ。

でもお酢です。
思ったよりお酢です。

おばあちゃんの柿で作った
柿酢がようやくできました。

大切に使いたいと思います。

瓶に入れてしばらく置いておくと
さらに熟成が進むそうなので
今後の味の変化も楽しみです。

来年も再来年も
ずっとおばあちゃんが元気なままで
また柿の時期に楽しくお話しできますように。

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綺麗道こと古川綾子でした。

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