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次世代イケメンバンド、絆と決意の日RED DOG×QoN×アマリリスレコ発

暦の上では立秋を迎えたが、秋の気配など微塵も感じない。太陽はその日差しを突き刺し、アスファルトを焦がし続ける。そんな狂気的な太陽にも負けずに熱いイベントが、8月10日横浜Bay Jungleで行われた。『東から昇った太陽は西からも昇る』と銘打たれた“アマリリス”、“RED DOG”、“QoN”によるトリプルレコ発である。

威勢のいい掛け声で「お願いします!」叫び現れたのは、“アビルシティ”だ。『夏の魔法』の出だしから甘い声で惹きつけたかと思うと、激情的なロックがスタート。楽しそうに歌う姿に魅せられ、自然と観客の拳があがる。間髪いれずに『スーパーヒーロー』へと音楽は刻まれていく。各々の魅力が引き立つ様に作られた曲で、彼らの技術の高さをまじまじと見せつけた。MCを挟んで披露されたのは「泣いてもいいんだよ。」と強く語りかける『ハナウタ』。アルペジオに乗る歌がとても心地よく、ナミオカ(Vo.)の歌声に会場全体が包まれた。「新しい曲をやります。」と導かれ鳴り始めたのは『「ありがとう。」』である。目をとじ微笑む**の瞳の裏に誰が映っているのか、容易に想像ができる優しい表情をしていた。温かい空気の中『YELL』を演奏し、“アビルシティ”はステージを去った。多くの出会いと別れを経験してきた彼らにとって、かけがえのないレコ発というイベント。「俺たちみんなで頑張っていこうぜ。」この言葉の通り、兄貴分として横浜のバンドシーンを引っ張って行ってくれることだろう。

teliott”はキャッチーさの中にも哀愁が漂うメロコアを『Enna』から響かせた。レスポールとセミアコのツイン・ギターと言わんばかりの音圧を会場に浴びせる。「遊ぼうぜ!」という掛け声と共に始まったのは『フラストレーション』。どこか懐かしいメロディは、人々の心を大きく揺さぶる。続いて演奏したのは、38秒しかないという『COMET』。曲はとても短いのだが、そのなかに彼らの熱さがギュッと凝縮されていた。『SUNBRELLA』はKen(Vo.)が自分のためにかいたという曲で、「お前の道はお前で開け」と強いメッセージを語り掛ける。パドパドと刻まれる2ビートに、「すすめ!すすめ!」と背中を鼓舞されているようだ。ラストを飾ったのは『T・O・P』。転んでも起き上がれるよ、という強いメッセージは歌詞の「大丈夫さ」と歌う部分にこれでもかと込められていた。一音一音を観客にぶつける、全力のステージング。まだまだ大人になりきれない、がむしゃらな青臭さも彼らの魅力の1つといえるだろう。

赤い照明に照らされて登場したのは愛知の“REDDOG”。岡田(Vo.)の「行くぞ!横浜!」の掛け声に共鳴し、会場には掲げられた手で溢れた。みんなで飛び跳ねるアップチューンな『Miss You Baby』から、バリバリかっとばしていく。とにかく自分たちのカッコいいところを魅せつけるのが上手く、その作戦にまんまとはまっている自分に少し悔しくなる。『WINNER』では西川(Ba.)が会場をあおり盛り上げ、『BRAVE』になってもその勢いは衰えるどころか加速し続けた。メンバー全員が笑顔満点で、その楽しさがフロア全体に感染していたことは間違いない。その後も、ポップな曲調に優しい歌詞がのった『ハルカ』、青春感が漂うメロコア調の『スカイウェイブ』と続けていく。『DISTANCE』はクールなタム回しでスタート。思わず頭を振りたくなるような激しい曲で、会場の熱は最高潮だ。ポップな曲が多い彼らには割とチャレンジな印象だったが、難なくやってのけた。エモーショナルなイントロで始まったのは『アイリス』だ。ミディアムテンポなナンバーで、ギターの泣きメロが冴えわたっていた。会場中の瞳が潤んでいたのは言うまでもないだろう。こうして“REDDOG”は、最高のかっこよさという爪痕を残したのだ。

この日だけの特別編成で舞台に舞い降りたのは“アマリリス”である。ステージ上でいつもより多い6つの拳を突き合わせ、ショータイムの始まりだ。封を切ったのは、彼らの定番曲である『無重力トンネル』。妖艶なギターソロが魅惑的な曲で、それに乗る二本柳(Vo.)の優しく透明な声がまた絶妙である。ニューアルバムに収録されている『ダ・カーポ』、怪しげなアルペジオにより導かれる『ヒュールレイ』と音楽は進んでいく。『スパイス』では、ピンボーカルとして二本柳はステージに立ち、ボーカリストとしての本領を発揮した。ムーディーな曲調に乗る、がなりあげるような歌声に、思わずドキリとさせられる。次に披露されたのは、新曲だという『ToyBox』。初披露ということで少し緊張した面持ちだったが、演奏が始まってしまえばそんなことはどこかへ飛んで行ってしまっていた。締めの1曲となったのは、先日MVが公開された『Life is Beautiful』だ。音なっぽい曲調には、二本柳の声がよく引き立つ。みんなでアイコンタクトを取り、満足そうに笑う姿がとても清々しかった。「楽しかった、ありがとう!」と告げ、次のバンドにバトンを渡した。

ラストを飾ったのは「自分たちらしさを忘れない」をモットーに活動しているイケメンバンド“QoN”だ。大きな掛け声で気合を入れたかと思うと、メロコアチックな『Glory Days』からぶっ飛ばす。髪を振り乱し、一心不乱な演奏は視覚的にも人々の心を刺激する。『Prologue』では、歌詞を届けるように丁寧に歌い上げた。しっとりしたイントロとエモいメロとの対比を激しく『流星群』を表現したかと思えば、攻撃的なビート感を『Prime』で鳴らす。ギャップがあったり、ちょっと強引だったりと女性ファンが多いのも大いに頷ける。締めの曲となったのは、爽やかな青春ロックの『Message』。「ラララ…」と歌う部分では、会場中で大合唱となった。幸せムードに会場は包まれ終演かと思われたが、観客の要望により彼らは再びステージに舞い戻される。アンコールに奏でたのは『Sign』だ。大人っぽい空気感のある切なくも優しい曲で、一人一人の目をのぞき込むように届ける姿が、とても印象的だった。「歩いていこう、信じた仲間と共に」と紡がれた歌詞は、彼らの決意そのものと言っても過言ではないだろう。

そして、5バンドが熱い絆と音をぶつけた夜は、大盛況のうちに幕をおろしたのだ。薄っぺらな“ツナガリ”が横行している現代だが、本物の“友情”が此処に存在していたことは間違いない。より大きなステージに彼らのアクトが見られるのが楽しみだ。

8月25日には、名古屋で同イベントが開催される。次世代のロックシーンに乗り遅れたくなかったら、見に行くほかないだろう。

photo by yupi,TAJITAJI

アマリリス×REDDOG×QoN
トリプルレコ発ツアー
『東から昇った太陽は西からも昇る』名古屋編8/25(木) OP17:30/ST18:00
ADV\1500/DOOR\2000 +1Drink
REDDOG/アマリリス/ QoN
The 3 minutes/dead endの向こう側

参照
アビルシティ
teliott
REDDOG
アマリリス
QoN

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