#6 仕事選びのアートとサイエンス by 山口周
こちらのnoteでおすすめされていた本2冊を読んでみた。
『10年後、後悔しないための自分の道の選び方』もよかったけれど、『仕事選びのアートとサイエンス』の方が学びが多かったのでこちらでの学びを書く。
副題は「不確実な時代の天職探し」。
予定調和は不可能
仕事選びを予定調和させることはできない。自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、しっくりくるものに落ち着くしかない。
これが結論、とまえがきにあった。
変化と多様性の時代、万人共通の正解は存在しない。自分なりの「良い / 悪い」の判断軸を作る必要がある。
予定調和は不可能(キャリア形成の80%は偶然)。しかし偶然をより良い形にすることはできる。
「いい偶然」を呼び込むには? by クランボルツ
計画的偶発性理論提唱者のクランボルツは、「いい偶然」を呼び込むために5つの行動特性が重要だとしている。
1. 好奇心:自分の専門分野以外にも視野・関心を広げる
2. 粘り強さ:最初はうまくいかなくても続けることで新たな展開があるかも
3. 柔軟性:変化に対応する
4. 楽観性:意に沿わない逆境もポジティブに捉える
5. リスクテイク:未知にチャレンジすることでチャンスを得る
いかにして「いい偶然」によってキャリア形成を図るかby 著者
著者である山口周氏は、キャリアにおける「いい偶然」には2つの側面があるとしている。
1. そもそも、どうやって「いい偶然」を起こすか?
「人脈力」x「信用力」
チャンスをもたらすのは、職場の同僚くらいの距離感の人脈(weak ties)。
よって「何でもない毎日をていねいに生きる」ことが結果的にチャンスを引き寄せることになる。
まずは目の前の仕事を誠実にこなし、いま周りにいる人に誠実に対応すること。自分らしく振る舞うこと。
2. 「いい偶然」を、どうやってキャリアに結びつけるか?
☓ 予定調和的な傾向と対策
◯ 基礎的な戦闘力
基礎的な戦闘力とは…
・プロセッシング:正解を出す力
例) ロジカルシンキング、英語
・ストック:自分の中に蓄積された付加価値の源泉となる知識やノウハウ。その人らしい「成果」を生み出すもの
プロセッシングが偏重されがちだが、実はストックの方が重要。
ストックを構築するための読書
ストックを構築するためには、「学びの大きい本をいかに選ぶか」x 「いかに効率的に読むか」が重要になってくる。
そのためのポイントは2つ。
1. 積読を恐れない
面白がって読んでこそ学びが深くなる。無理して読まず、面白くなければ次の本へ。
※ ちなみに、憧れている仕事があればその領域の本を読むとよい。わくわくしなければ実は向いていないことがわかる(= リトマス試験紙)
2. 関連分野の固め打ち
これには2つの方法がある。
① メトニミー的展開(換喩)
初学者向けから入り専門書へ進むことで階層構造を作る。全体像をつかみやすい。
② メタファー的展開(隠喩)
分野に縛られず、興味に従って横展開。
興味を維持できるので定着効率が高い。異分野で構造関係ができるため、濃く太い理解が醸成される。
→ 本と本との関係をメタファーとメトニミーの構造で捉えることでストックが構築される
まとめ
仕事選びを予定調和させることはできない。自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、しっくりくるものに落ち着くしかない。
予定調和させることはできないので、「いい偶然」を呼び込む必要がある。
そのためには、目の前の仕事に誠実に取り組み、読書でストックを構築すること。
感想
自分なりの「良い / 悪い」の判断軸を作る必要があるという話は、もう一冊の『10年後、後悔しないための自分の道の選び方』とも共通していた。
仕事選びや転職に限らず、今目の前の仕事に取り組む上でも、自分の判断軸を持っておくことは大事だと感じた。
たとえばプロジェクトが迷走したり、同僚の退職が続いた場合、判断軸を外に求めるとどうしてもぶれてしまう。
自分にとって大切なものがわかっていれば、迷わないし、長期的に見て満足できる人生が送れるはず。
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