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表現とはハートを開きあうコミュニケーション。

こんにちは。
むらせあやです。みんなからはあやめと呼ばれています。

東京・千葉で中南米の楽曲を中心に、しずかな情熱に満ちたあいのうたをうたっています。こんなかんじです。(所要時間:約3分)

noteでは、自分の創造性を信頼するために実験したあれやこれやをシェアしたいと思っています。音楽にまつわる圧倒的ななにかを持たざるわたしが、それでも音楽を介して他者と響きあいたいからと、自分と向き合いすこやかに表現を育んでいくさまを、観察的な視点からお伝えしています。

この間、みんなで詩を書いてみる、というちいさなイベントに参加したの。
札幌で女性向けのメンタルコーチをしている奥野水緒さんが、オンラインで開催した会でした。

テーマは「アマビエ」✖︎「恋愛」。

知ってる? アマビエ。疫病退散にご利益があるという半人半魚の妖怪ですって。江戸時代に熊本の海に現れて「当年より6年の間は豊作が続くが、疫病が流行るので、そのときはわたしの写し絵を人々に見せなさい」と云って消えたという、2020年にはもはや救世主みたいな存在。

TwitterをはじめとするSNSで、アマビエの名前を見かけてはいたけれど、流し読みしていたので名前以外の情報を知らなかったわたし。今思うとなかなかにシュールなテーマ設定だったな笑。

詩のイベントでは、このアマビエの名前を文頭に配置して詩作をする、というルールが設定された。

いするといってくれた
なつの夜にふたり
じゅつかんの庭で
んぴつ画のポートレート

恋愛から外れたけど、アマビエでもう一作。

めつちのあるところ
あるいつきのひかり
いしきのひびきこぼれ
もいわれぬはながさく

こういう詩作の遊びをするときって、反射的に手癖みたいなのが出るよね。
月や夜ってわたしが好んで使うモチーフなんだけれど、とっさにこのワードが出てくると、自分では「いつものパターンか」とつまんなく感じちゃう。

この話をお友達でうた仲間の三井亜久里ちゃんに話したら「突き詰めて自分のスタイルにすればいいんだよ!」と目から鱗な視点をくれた。月をテーマに100個作品があったら連作として面白いよね、って。もう天才か!

つまんないと表現したけれど、厳密には「ことばの引き出しの少なさ」に自己嫌悪しているだけだと思う。がっかり。どうやらもっとたくさんのことばのなかから、イメージをゆたかに立ち上げたいって願っているようなのだ。

あ!でも イメージっていうのはさ、ことばじゃなくたって表現できるよね。であるなら、できた詩にメロディをつけるなんてのはどうかしら。

早速はなうたふんふんしながら、なんとなくしっくりくる音を探ってみる。はなうたはわたしが去年手に入れた新しい表現手段。まだおぼつかないものの、なんでも試してみるのが好きなわたし。

さて、曲と呼ぶには小さなことばの断片が生まれました。掌編音楽と呼びましょうか。誕生うれしくはなうた仲間に報告して聴いてもらったところ、

仲間のひとり、松島さんが詩から湧き上がったイメージを曲にして贈ってくれたのだ。なんと!!その曲を聴いたときのうれしみといったら!!!もう!!!!死ねる!!!!!だけど死なない!!!!!生きる!!!!!!

手元に届いたのは「びじゅつかんの庭で」の一節をモチーフに摘み取ってループしたちいさな曲。「びーじゅつーカーンーのー♫」とうたう音の伸びが好きなんだと教えてくれた。どこかAmbientなAmabieです。

コラボレーションってこんなふうに生まれるのね…!もう胸がいっぱい。

まずはなんとなく音を当てはめていって、違和感なければOK、というシンプルなプロセスで作り、できあがった勢いで録音した気取らないボイスメモ。

それでも誰かの「好き」を誘い出し、表現するモチベーションをスイッチすることができるんだと、この体験を通じて実感を得たのであった。

実はわたしのなかでは、できた曲に対して「もっとジャズっぽいのつくりたいんだけど…なぜにこのメロディ…(がくり)」とセルフジャッジすることもほんの少しだけど、あった。

でも自分にとってこの「こうありたい」と、現時点でのわたしとの間にはいつだってギャップがある。できることは、今持っている手段のなかで要素を統合しイメージを一致させる工夫だ。

そして、そのアウトプットを手がかりにコミュニケーションを開始することなのかもしれない。その繰り返しの中で、コツや加減を学び自分の意図する方向へと洗練されていくのだと思う。

そしてね、未完成のなかの完成というのが、やっぱりあるんだよね。

ちなみにセルフジャッジしそうになったら、ひとつ前のフェーズにいた自分を思い出して「できるようになったこと」をひたすら祝福することにしている。わたしは音楽において赤ん坊であり、成長を願うお母さんでもある。

詩を書くのが好きだという水緒さんが「みんなと詩を書く楽しみを分かち合いたい」とちいさく始めた場。水緒さんが落とした「好き」のひとしずく。

その波紋に響いてわたしから生まれた一編の詩。表現された世界に正直言って意味はない。単なる言葉遊びとイメージの飛躍がそこにあるだけだ。でもそこにはわたしの「好き」が散りばめられている。わたしのひとしずく。

その波紋がまた別の人に届いて、「好き」を摘み取った新しい音楽を生みだした。またここにひとしずく。

「好き」が巡り響きあって表現が生まれる瞬間というのが、とても愛おしく感じられる。この「好き」の連なりに、次は誰が加わってくれるのかな。想像するだけで満たされる心地。

ちなみに、水緒さんとはまだリアルにお会いしたことはなくて、ネット越しのお付き合いが始まったばかり。これはコロナ時代における、関係性のあらたな育みかたのようでも、ある。

奥野水緒 ブログ
https://ameblo.jp/mmpwpw
Live music by Pf:佐藤まさみ B:土谷周平 D:公手徹太郎
Amabie composition  by  村瀬彩
AmbientなAmabie composition & music by  松島俊哉 
Photo by sinkeylow


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