心の中の本業

よしもとばななさんの著書『どんぐり姉妹』に出てきた言葉に、
「心の中の本業」というものがあります。

どんちゃんと、ぐりちゃんという名前の仲良し姉妹が、
”ふたりの才能を生かして、人のために仕事をしよう”と、
メールボランティアの仕事をすることにしたくだりで、
姉のどんさんが、こんな風に言うんですよ。

「私はライターの仕事をちゃんと続けて行くし、
その合間にそのメールボランティアの仕事をすればいいと思う。
心の中の本業がそれであるかぎり、
私はライターの仕事がきついときがあっても、収入が減ってきても、
人として生きていけると思う」

私はずーーっと、自分のやりたいこと１本で食っていきたくて、
でも、なかなかその状況になるのは難しくて。
この人を支えたい！と感じた方との、
大変だけどやりがいがある仕事は、なかなかお金に結びつかず…
結局はライスワークがメインになっている自分の状況を、
なんとなく、後ろめたく思ってました。

でも昨日突然、どんさんの言葉を思い出して、
”自分の本業が何かを、お金の額で決めることないじゃん！”
って、はじめて思ったんです。

メインの収入＝本業なんて、勝手に自分を縛ることはない。
心のピントは、自分が心躍るものに合わせていればいいよね、って。

だから、大変でも楽しくやってることがあって、
それで少しでも、誰かの役に立ててるなら、
もうそれを心の中で本業と呼ぼうと、決めたのでした。