見出し画像

稀有な同僚と人気ゲームが、私の生活を一変させた話

2023年の秋ごろのお話。
34歳の私は、大学2年生の時に買った初めての家具・家電たちを未だに使い続け、部屋は物で溢れ返り、片付けられない状態だった。
長年、物を捨てることが苦手で、その結果、部屋の中は物が溜まっていく一方。普段から滅多に友達を家に呼ばないので、誰にも迷惑はかけていない。毎日、自分だけが「ちょっとだけ嫌な気持ち」になっていた。

そんな私に転機が訪れたのは、同僚の家を訪れた時だった。その同僚は片付けが大好きで、自分の部屋をおしゃれにするためにきちんと投資をしていた。いつでも、誰でも招き入れられる環境を作っている同僚の部屋は、私にとって衝撃的だった。

「実は私の部屋、汚いんだよね」
これを同僚に伝えるのも勇気が必要だった。同僚の部屋を見たからこそ、自分の部屋の汚さを自覚した。同僚の部屋に憧れ、自分の部屋も変えたいと強く思った。

「でも面倒くさいし、このままでも生活できているし」

この気持ちが依然として私を支配していた。でも、変わることへの憧れは捨てきれなかった。
本当に稀有な存在だと思うんだけど、
同僚は「人の家を綺麗にすることが自分の自己肯定感に繋がる人」だった。なんじゃそりゃ。
目をキラキラさせて、「片付けさせて!」と言ってきた。
それでも、重い腰を上げるには2ヶ月ほどかかった。

いよいよ始まるお部屋改革

恥を忍んで同僚を家に招待した。本当に恥ずかしかった。
くるりと部屋を見渡して、同僚は言った。

「まず、この机を捨てよう」

初めて一人暮らしをした時に買った、背の低い猫足の白い机。2008年に約3,000円で購入し、かれこれ25年も人生を共にしていた。とはいえ、思い入れは特になく、なぜ今まで一緒に居たかというと理由はシンプル。「捨て方が分からない」ただそれだけだった。

みんな初めては楽天で買うよね
※画像はイメージです。


「粗大ごみの日を予約して」
『粗大ごみの日を予約する・・?』
「自分の住んでいる区のホームページから」
『ホームページから予約・・・?』
「そんでごみ券買って」

皆さん驚きだろうが、私は34年間粗大ごみを捨てたことがないので、何を言ってるのか分からなかった。(2年ごとに引っ越し、大きなもので不要なものは引っ越しのたびにオプションで捨てていました)

粗大ごみの日を予約する際には、捨てるもののサイズを測る必要がある。その際、これから捨てたいもののサイズを、がむしゃらに測った。

現場猫に褒められて嬉しい

粗大ゴミの予約をし、ゴミ券を買い(ちなみに自分の住んでいる区の券じゃないとダメなのを初めて知った)、捨てるという一連の作業をまずは1回やってみた。これをきっかけに、プリンターやキャリーケースも捨て、部屋が少しずつスッキリしていった。

あの人気ゲームとの出会い

同僚の言葉と同じくらい私を大きく突き動かしたのが、任天堂の人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」だった。
断捨離をかじり始めた頃に友達が貸してくれたあつ森にどっぷりハマり、夜な夜な、寝る間も惜しんで理想の部屋を作り上げていた。
正直、コロナ禍に流行り、その後周囲で続けている人は全くいなかったが、自分の作った部屋を見てほしくてXに一人でつぶやきまくっていた。

カミツキアカガメに喜ぶあやん

部屋作りに熱中していた際に、ふと『ゲームではなく自分の部屋も模様替えすべきでは?』と我に返った瞬間があった。
今までは「捨てること」に意識があり、「部屋を充実させること」にはそれほど興味がなかったが、これを契機に、ますます断捨離と模様替えに力を入れるようになった。
どんな家具で部屋の中を統一させようか、自分は何系のインテリアが好きなんだろうとか、ゲーム内の家具をみて考える。自分の生活とゲームがリンクした瞬間、ちょっと鳥肌たちますよね(たたない)

あつ森のおかげで今の部屋があるといっても過言ではない。ありがとうあつ森、ありがとう任天堂。

そこからは恥ずかしげもなく、断捨離にハマっていることをいろいろな人に話した。それこそほぼ初対面の人にもネタとして話せるようになっていた。
周囲に話すことで、この片付けを中途半端に終わらせない覚悟を作っていたようにも思う。
2000年代から使っていた棚、ソファ、テレビまでも手放し、部屋がどんどんシンプルで快適な空間に変わり、心も軽くなり、家に帰るのが楽しくなっていった。

テレビも棚も買い替えて、花まで飾ってる浮かれっぷり

「使ったあと、元の位置に戻せば散らからないよ」の真実

少しだけレベルアップしてきた私は、物を捨てるだけではなく、収納の大切さも学び始めていた。
冒頭に紹介した同僚は収納の天才でもあった。いつものように同僚を家に招き、あらかた物を捨てたあとで、二人で仲良くニトリに買い物に行った。

言われたものは全て買うスタイル


私は根本的に収納の使い方を間違っていたのだ。
棚の扉をあけて、とにかく入れて、扉が閉まればセーフ。人から見えないゾーンなので、自分だけが中を見るたびにちょっとモヤモヤしているだけ。

「収納棚を整えればきちんと全部しまえる」
「使う場所の近くにしまうだけ」
「導線に物をおく」

「あるべきものをあるべき場所に置く」ために、適切な収納棚を買う。捨てるだけでなく、しまうべき場所を作ることで、部屋は劇的に変化。
2023年9月から2ヶ月ほどで部屋を大改造しましたが、その清潔さは今でも保たれている。

たまたま今日いってきました

使ったあと、元の位置に戻せば散らからないよ

…そういうことじゃないんだよと思っていた過去が私にもありました。でも、先にしまうべき場所を用意してから物を買うようにしたら、全く散らからない。なぜか散らかってしまう人は、収納が足りていないと思う。
収納<物の状態を収納≧物にすると、きっと家は散らからない。
買う前に、何を捨てるか考えるようになっていた。

粗大ゴミの予約をした日、ごみ券を買った日、物を捨てた日、お掃除ロボットを買った日、綺麗さを保っていることを報告した日、その全ての行動に対して、同僚は一つ一つ褒め、私のモチベーションを高めてくれた。
人の部屋を綺麗にすることに最上の喜びを感じる稀有な同僚のおかげで、私の部屋は今日も綺麗なままである。

人はいつだって、変わろうと思えば変われる。
目の前で働いている人だったり、大人気ゲームだったり、契機はその辺に転がっている訳で。

まずは机を捨ててみようかな、という一歩から始め、必要な時には周りの力を借りて、理想の空間を作り上げてみよう。きっと、部屋が綺麗になること以上の素晴らしい変化が待っているから。

(稀有な同僚は、人の家を綺麗にすることに飢えているので、よろしければ紹介します。)

おまけ ビフォーアフター!あぁ恥ずかしや!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?