YouTubeの素人耳舐め音声を貴方にお勧めする100の理由【エッセイ】

音声作品というのは、数あるエロコンテンツ（広義の意味で）の中でもかなりニッチなほうだろう。
当然ご存知の変態紳士諸君はさておき、音声作品とは何たるかをご存じでない諸君のために、簡単な説明をさせていただきたい。
といっても字面の通り、音声をメインとしたエロコンテンツの事である。膝枕や耳かき、添い寝といったようなイチャイチャを、まるで本物の女の子（※男の子の場合もある）が部屋にいるかのような臨場感で体験することができる。シチュエーションも様々で寝息や食事などの日常ものから、淫乱お姉さんにあんなことやこんなことをされてしまうエッチなやつもある。

投稿サイトやダウンロードサイトの発展や、昨今のASMRブームも相まってか、認知の幅は広がっているものの、良質な音声作品はそう多くない。

（VTuberの存在も、認知が広まった原因の一つである。エッチなやつではないので、暇なときにイヤフォンを使って聞いてみてほしい。）

では、何故良質な音声作品が量産されないのだろうか。それは偏に制作の難しさにあると思う。その発展は他多くのエロ媒体と同じく、（商業作品も存在するものの、）同人作品による部分が大きい。たとえば同人誌であれば書き手と印刷業者があれば成立する。それに対して、音声作品制作のハードルはかなり高いのだ。まず臨場感を出すために必要なのが、バイノーラル録音（実際に人の耳で聞いた音に近い立体音響の事、上記の動画を見ればなんとなくイメージはつかめる筈）ができる環境にある事。次にかわいい声と演技力がある演者。最後に聞き手を作品の世界へと引き込んでくれる脚本である。

DuoPop2.0 バイノーラルマイク ASMRマイク iphone録音可能 シリコン製の擬似耳 超低ノイズ高性能マイク

マイクは金さえ出せれば何とかなるが、自分一人で完結できないという点はかなり大きな壁だろう。そんな壁を乗り越えて数々の作品を生み出してくださった先輩方には感謝をしてもしきれない。同人音声、催眠音声、添い寝音声、などと検索すれば簡単に販売サイトを見つけることができる。是非貴方の好みに合った作品を探してみてほしい。

と、こんなことが言いたいわけではない。

ここからが本題である。
私が今日お勧めしたいのは、YouTubeにあがっている素人丸出しの音声作品なのだ。同人作品だって素人じゃないか！！と思われるかもしれないが、そうではない。そうではなく、ゲボカスの素人ゴミ作品をお勧めしているのだ。

YouTubeで同人音声の検索をかけると、検索結果のほとんどがゲボカスの素人ゴミ作品である。ゲボカスの素人ゴミ作品の他にVTuberや個人配信者のASMRや、同人作品の無断転載なども出てくるが、ほとんどがゲボカスの素人ゴミ作品だ。特定の配信者を晒す行為はしないが、ゲボカスの素人ゴミ作品を100倍楽しめるように、その魅力をお伝えしたい。

☆ゲボカスの素人ゴミ作品の特徴☆

①脚本がヤバい
同人作品の場合はそもそも作者本人がその手の作家であることが多い。そうでない場合はプロのライターに依頼している。一方でYouTubeの音声作品は配信者本人が脚本を書いているのだろうか（あるいはアドリブか）。少女漫画の焼き直しみたいなセリフしか吐かない。いきなり真横に現れた少女（お前は私のなんなんだ？）が何の脈絡もなく頭を撫でてくる恐怖。
「好きな人にはこうするんだってぇｴﾍﾍ」（こいつは私のなんなんだ？）
「ね？マー君♪」（私は誰なんだ！？）
人違いで知らん女に撫でられて安眠できるはずがない。しかしクソでもストーリーがあるだけ多少はましである。ひどい作品だといきなり萌え声の女がハァハァ言ってたりする。何？走ってここまで来たんですか？？

②演技がヤバい
素人のヤバさが一番出る部分である。
「ﾝなぁ、ﾝまだ寝てねｪ～？（ねっとり）」
せっかくお前のつまんねぇ話で眠くなってたのに、鳥肌と共にたたき起こすなよ！！！！！
ささやき声とか息遣いとか、どうしても力量の差が出てしまいがちだ。プロの声優さんって凄いんだなと改めて実感する。素人のささやきボイスはマジで不自然さが突出してしまう。なめくじが背中這ってるみたいな気持ちになる。あと耳舐めもヤバかった。ｼﾞｭｷｯﾎﾟｯﾎﾟﾇﾋﾟｭｼﾞｭｷって、飢えた人食い鬼がそば食ってる音かと思ったもん。

③音響がヤバい
一万円程で買える安いマイクもあるので、これに関しては比較的マシな配信者も多い。ただ、やっぱりエアコンの音が入っていたり、救急車が通り過ぎたりする。立体音響でドップラー効果を体験できるのは貴重な経験だ。しかしイケボの彼は、ドップラー効果など意にも介さずハリーポッターのうんちくを語っている。
専用の機材を使っていない音声は、正直聞くに堪えない。ステレオですらなかったりする。携帯で録音したんか？ってくらい雑音交じりの音声のなか、両脇で飢えた人食い鬼がそばを食っている。

ここは地獄ですか？
私ことマー君は困惑を隠せません。

とまぁYouTubeにあがっている素人同人音声の魅力をたっぷり理解していただけたことと存じます。皆さんのうちほとんどが「動画投稿サイトの素人耳舐め音声を貴方にお勧めする100の理由」という本記事のタイトルを忘れたころ合いかと思いますので、ここらで筆をおかせていただきます。

※本記事は特定の配信者やコンテンツを批判、中傷するものではございません。もし本記事で取り上げた（と思われる）コンテンツを発見しても、誹謗中傷の材料として本記事を使用することはお控えください。

昨年那覇にて行われたイベントで販売した短編集をnoteでも公開いたしました。興味がある方はどうぞご覧ください。

ショートショート｜茶々門 綾｜note

不定期で短い小説をあげています。フォロー、いいねいただければ幸いです。にゃーん。