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#2-16 キックオフミーティングとファシリテーション

キックオフミーティング

プロジェクト憲章が承認されて、プロジェクトの活動が出来る、となったら、まず行うのはキックオフミーティングです。

プロジェクトメンバーに、プロジェクトの目的や背景の共有をします。

プロマネのセオリー的には、キックオフミーティングはのタイミングは
 ・「プロジェクト憲章」が承認された時
  (「立上げ」のプロセス)
 ・「プロジェクトマネジメント計画書」が承認された時
  (「計画」のプロセス。後日の記事で取り扱います)
とされていて、片方だけでも、両方のタイミングで実施してもよい、とされています。

大事なのは、ステークホルダー(利害関係者)やプログラムのメンバーの意思統一をすることです。

キックオフミーティングでは、細かい話はせず、プロジェクトに参加することをポジティブにとらえられるようにリードすることが大事です。


目的を明確に定めることの重要性に何度か触れてきましたが、上手な目的になっていないと、キックオフミーティングからネガティブな影響の加速度が増していきます。


ファシリテーション

キックオフミーティング実施時に限らず、職業としてのプロジェクトマネージャーには、プロジェクト全体を通じてファシリテーションが求められます。

ファシリテーションとは、プロジェクトメンバーでのグループ・ワーク(主に会議)において、良好な意思決定、解決策、結論を効果的に導いたり、案内したりするスキルのことです。
司会進行するだけではなく、場の空気を作り、ゴールに向かうようにコントロールします。

会議をスムーズに進行して、会議の目的を達成するために、状況を俯瞰しながら、適切なフォローをします。
タイムキーパー(時間管理)も、ファシリテーションの一つです。

ファシリテーションには、4つのポイントがあります。

 ・共有
  会議の目的を明確にし、メンバー全員に共有して、理解してもらうための役割。

 ・発散
  参加者が発言しやすいような環境や雰囲気を作る役割。

 ・収束
  議論の内容を整理して、論点をまとめる役割。論点がズレた場合に、元に戻す役割も。

 ・決定
  議論を着地させるために、参加者の意見の合意形成をします。出来る限り
 

私の経験談

トレーニング方法
若手の頃、先輩に「ファシリテーション力を身に付けるためには、会議の自分の様子を録画してセルフチェックしてみるのもおススメ」と言われたことがありました。機密保持や機材調達の関係で、結局数回しか出来ませんでしたが。
効果あったかは不明ですが、客観的見ると、自分へのツッコミが多すぎて、非常にツラかったのは覚えてます。
自分の行動の理由はわかっていて、その時取れる最善を選んでいるのですが、客観的にみると他にも対応策はあるし、視野が狭くて選択肢の幅が少なくなっていた、と気付いたり。

ある意味、劇薬的なトレーニングかもしれません。

今は、オンライン会議で録画機能があるので、録画を見返すトレーニングはしやすくなってますね。

経験が必要
少し前の話ですが、話の論点がズレる傾向がある会議では、「ホワイトボード」に、大きく”この会議の目的”と書いていました。
また、会議の内容を出来るだけ視覚的に会議の状況をメンバー全員が俯瞰出来るように実況的にまとめたりしていました。

論点がズレる、というのは、誰かにとっては気分良く盛り上がっていることもあるので、極力強制的な軌道修正はしないのですが、立場的に「言いたいことも言えないな」とネガティブに感じたこともあります。

例えば、企画系の会議で、「ああしたい」「こうしたい」と風呂敷を広げるだけの人がいると、PMとしては収束の方にシフトします。

企画の責任者のアイディアに意見したかったり、「良さそう!」と企画のアイディアを思いついても、それ以上話が広がって収束出来ないと思ったら、自分の話ではなく、(広がりすぎて論点がわからない)他の人の話をまとめたりしていました。

また、あまりに会議の進捗状況が悪い時は、無駄な時間をさけるために、コストとスケジュールという制約条件を出して、話を広げずに、目的に立ち返る促しをすることも多かったす。

そうやってなんとか会議をまとめていたのですが、
頻繫に私の収束対象になっていた方には、話を広げないようにするのが好ましくなかったのか
「あやさんは、企画力ないからなー。全部の可能性を検討しないで、すぐ判断するからなー」
と言われていたと知ったことがありました。

その”評価”は、発言者の立場も含めて、私のキャリアや会社員生活には何も影響を与えないことだったので、気にしないようにしつつも、好きで収束しているワケではないし、気分は良くなかったです。

しかし、(例え相手が先輩でも)真意を理解されるなんて期待してはダメなんだな、と学んだ経験です。頑張ったことが裏目に評価されることもあると。

今、そういう意見が出ていたら、「話を広げすぎて収集つかなくなる(立場の上の)方からそういう意見が出ることが、自分が仕事をしている証拠」と思えるようになりました。

ただ、そう思えるのは、その発言者の、その後の(自分とは一切関わりがなくなった数年後の)行く末を知っているから、というものあるかもしれません。
詳しくは書けませんが、当時の私へのそういう”評価”は、ビジネスとしては正しいことだったんだなと、思える顛末でした。

総じて、ファシリテーション力を身に付けるには相応の経験が必要で、一朝一夕で身に付くものではない、と思います。私自身、まだまだ勉強中の身です。


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