#1-6 プロジェクトマネジメント・プロセスマップ
今回の記事は、以前の記事「プロジェクトマネジメントの分野」と「プロジェクトマネジメント・プロセス」の話を前提にしています。
もしこの記事を読んだ際にピンとこなければ、以前の記事から読んでいただくことをおススメします。
↓以前の記事
「プロジェクトマネジメントの分野」について
「プロジェクトマネジメント・プロセス」について
プロセス・マップ
プロジェクトに途中から参加する場合、自分のしているタスクや仕事が、どこの位置から何に向っていて、どんなスキルが求められているか、が把握しずらいことがあります。
プロジェクトマネジメントにおいて「今、どこの位置にいる?」と、以降のプロジェクトの流れを俯瞰して把握できると、自分の行うべきタスクが把握でき、仕事がしやすくなることがあります。
また、実行プロセス中とはわかっているけど、上手くいかない状態である時、一つ前の計画プロセスでの大きな問題が起こっている可能性を推測し、計画プロセスでの根本原因を特定することが出来たります。
では、プロジェクトマネジメントにおいて、どのように進行中の状況を把握するか。
一つの方法として、ざっくりと「プロジェクトマネジメント・プロセスマップ」を頭に入れておくことがおススメです。
細かく覚えるのではなく、枠組みを頭に入れるだけで十分です。
プロジェクトマネジメントの体系書『PM BOK』では、49コのプロセスが定義されていて、それぞれ何を行うべきかが解説されています。
49の全て項目を羅列した図が、「プロセス・マップ」で、PMPの試験用の参考書等でも良く掲載されています。
プロセスマップは、いわば本の目次のようなモノなので、自分が今行っているタスクはどの位置にあって、前後に何があるのかを理解するための手助けのために利用するのが適しているかな、と思います。
以下は、PMP(Project Management Professional)試験に興味ある方向けの余談です。
私は、プロセスマップの”49個のプロセス名”を暗記することなくPMP(Project Management Professional)試験に合格しているので、試験に向けて勉強している場合でも、”プロセス名”を暗記する必要はないと思います。
例えば、この図の一部が空欄になって出題されることはない気がします。
それは数学で例えると
Q.サイン、コサイン、タンジェントを使う単元は?
A.三角関数
という問題のようなイメージになるからです。
「三角関数」という単語を聞く試験がイメージしずらいのと同じ理由で、プロセスの穴埋め問題は出ないと思います。
しかし、49コのプロセス名を正確に覚えてなくても、「どういう時期に何を行うか」というザックリした概要と内容は頭に入っています。
例えば、
Q.「リスクの特定」はどのフェーズで行うか?
A.計画プロセス
みたいな理解はしていて、これは「リスクの特定」の内容を理解していて、自然といつ行うべきかがわかるからです。
PMP試験は、暗記ではなく理解していることが求められる試験です。
名称を覚えることより、プロセス群と知識エリアがどのような意図で構成されているかを理解することが大事なのかな、と思います。
知識エリアの分類
49コのプロセスを時系列で分類すると、「立上げ」「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」のいずれかに集約されるので、この5つを「プロセス群」と呼んでいます。
一番コスト(ヒト・カネ・時間・情報)がかかるのは「実行」のプロセスです。
監視・コントロールの後は計画に戻り、何度も 計画→実行→監視・コントロール のプロセスを繰り返します。
「完了出来る」と判断できるタイミングで、終結プロセスに進みます。
そして各プロセス群で、どんなスキルが特に求められているか、について。
まずそもそも、プロジェクトマネジメント全体としては、10つのスキルの分野があります。
『PMBOK』というプロジェクトマネジメント知識の体系書では、10つの知識エリアと表現されています。
「10の知識エリア」
・統合
・スコープ
・スケジュール
・コスト
・品質
・資源
・コミュニケーション
・リスク
・調達
・ステークホルダー
プロセスによって求められる知識エリアが変わります。
実行には一番リソースがかかるので、その実行の前段階の「計画」はとても大事です。
ここで目的からズレた「計画」を立ててしまっていたら「実行」のリソースを無駄遣いしてしまい、目的達成の可能性が下がってしまいます。
なので、全方位から抜け漏れがないようにアプローチをします。
(10個全て知識エリアが含まれています)
「監視・コントロール」は、「実行」してみた結果わかったことをベースに修正していきます。
プロジェクトは、それまでになかった独自性のあるモノやサービスを創造する活動なので、不確実性を伴います。
「机上の空論」という言葉がある通り、実際に行動すると、すべてピッタリ計画通りに起こることはほぼあり得ません。
「監視・コントロール」では、実際の行動(実行)の結果、わかったことを「計画」に反映させてブラッシュアップしていく再計画のようなプロセスです。
なので、「計画」と同様に全方位から抜け漏れがないようにアプローチをします。
(計画同様、10個全て知識エリアが含まれています)
プロジェクトとしては一番コストのかかる「実行」の前後は、逆にプロジェクトマネジメントをしっかり行っておく必要があるので、全方位でのアプローチが必要になる、ということですね。
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