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#1-3 プロジェクトマネジメントの分野①前半

プロジェクトマネジメントは、10つの分野に分かれて知識が体系化されています。参考書では、「プロジェクトマネジメント・プロセスの知識エリア」と呼ばれたりしています。

数学でいえば「二次関数」や「確率」のような単元みたいなものなので、ただ羅列してもピンこない内容かな、と思います。
そこで、独断と偏見で少しジャンル別にまとめてみます。

長くなってしまったので、①前半と②後半で記事を分けています

全体系

①統合

一言でいえば、プロジェクト(PJ)の全体調整方法についての分野です。

プロジェクトの開発においては、「高品質」なモノを「安く」「早く」作ることが出来れば、それが一番理想的です。
けど、現実にはトレードオフが発生することが多いです。

 ・「高品質」なモノを作るために、「安く」作ることを辞める。
 ・「早く」(納期に間に合うように)作るために、「高品質」なモノ(例えば、オプションを1つなくす)を辞める。

このように、PJの目的を達成するためには、PJ全体をみてPJの活動を調整して管理する必要があります。

管理する必要があるがない状況もあり得るのかもしれませんが、それは時間・お金・人がほぼ無尽蔵に使用できる、という状態なので、非常にレアなケースです。

個々の活動や目的をまとめて、PJ としての方針を決めて調整するのが「統合マネジメント」です。

ヒト系

②コミュニケーション

個人的な活動ではなく、ビジネスとして行われるプロジェクトは基本的に多くのヒト(メンバー)が関わります。

個々人が違う役割と責任を持って、アウトプットを出し、それが成果物として価値のある形になるようにまとめていく必要があります。
メンバー同士でどのようにコミュニケーションを取って、必要な情報を伝達していくか、というコミュニケーション管理が大事です。

「毎週月曜日の10時から全体定例を行う」というようなルール決めも、コミュニケーションマネジメントの一つです。

ざっくりとした内容は
 個人としてどのようなコミュニケーションスキルが必要か、
 全体をまとめるためにどのようなコミュニケーション手法を取って行くか、といった感じです。

コミュニケーションは、プロジェクトマネジメントに限らず、会社や組織で働く際にはとても重要な領域だと思います。

③ステークホルダー

ステークホルダーとは、利害関係者のことです。
プロジェクトに影響を与えることができたり、プロジェクトに影響を受ける可能性のある個人やグループなどのことです。

例えば、プロジェクトに影響を与えることの出来る人だと、プロジェクトの発足を指示する取締役や役員といったポジションの方などです。

あるプロジェクトにおいて、ステークホルダーとして認定されるかどうかは、会社で偉い立場にあるかどうか、ではなく、影響範囲にいるかどうかです。また、関与の仕方も個々に違います。

プロジェクトというのは人々の活動の集合体なので、一人の人間の意思決定で物事が進むわけではありません。
影響力の大きいステークホルダーの承認を得たり、意思を統一したり、取捨選択したりすることで、プロジェクトとしての意思=方針を定めて、プロジェクトメンバーの活動を目的に沿った方向に導きます。

タスク系

④スコープ

「スコープ」という言葉だけで一つの記事になりそうなくらい、とても重要な内容です。
スコープ(Scope)は、単語的には「照準」や「範囲」という意味です。
簡単に言うと、あるプロジェクトで決められた作業範囲のことです。

スコープマネジメントとは、プロジェクトで実施するタスクを定義する分野で、プロジェクトの目的達成のために必要なタスクを確実に網羅するための考え方がまとまっています。

スコープマネジメントでは、目的達成に向けて「何をして・何をしない」かを明確にします。


代表的な例として、WBSについての話があります。

プロジェクトで実施しなければならない全ての作業を洗い出し、階層構造に分類した図をWBSと言います。

テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』の略ではありません。
(「WBS」と検索したら一番上に来るくらい、WBSと言えばテレ東のビジネス番組というイメージですよねw)

プロジェクトマネジメントのWBSは、Work Breakdown Structureの略です。

 Work=タスク、作業
Breakdown=細分化する、部類する
Structure=構造

開発の現場のWBSでは、主に「成果物」と「それに関係したタスク(作業)」で構成されます。
WBSの最下層のタスクは、コスト(かかる費用)とスケジュール(かかる時間)が見積もりできるレベルまで分解します。


イメージしやすいように、”旅プロジェクト”で考えてみます。

旅行は有形ではなく無形のサービスなので、目に見える形の成果物は出てこないですが、タスクを分解することは出来ます。

旅行のWBS例
クオリティは……あしからず(^-^;
なんとなくのイメージが伝わるといいのですが

この図は旅行の工程の一部をしか載せていませんが、本来WBSでは必要なすべての作業を網羅する必要があります。


スコープマネジメントの鉄則である「優先順位を決めて、何をする・しないと判断すること」は、仕事に限らず大事なチカラかな、と思います。

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