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#3-1 プロジェクトマネジメント計画書

プロジェクト憲章が承認されたら、本格的なプロジェクトのスタートですが、まず取り掛かるのは「計画」のプロセス群の作業です。

今回から、「計画」のプロセス群のテーマに入ります。

プロジェクトマネジメント・プロセスマップ
計画のプロセス群

「計画」はプロジェクトマネジメントの10の知識エリアの全てが関わります。

計画の次の、「実行」の根幹をなす部分なので、かなりしっかりとした基盤を構築する必要があります。
ただ、目指すのは完璧な計画ではなく、抑えなければならないところを抑えて、変化に対応できる計画です。

プロジェクトマネジメント計画書

統合を除いた他の9つの知識エリア、
 ・スコープ
 ・スケジュール
 ・コスト
 ・品質
 ・資源
 ・コミュニケーション
 ・リスク
 ・調達
 ・ステークホルダー
で、それぞれ計画書を作成し、それを統合してまとめるのが「プロジェクトマネジメント計画書」です。

プロジェクトにおけるベースの作業とその作業をどのように遂行するかを規定する包括的な文書です。
実行、監視・コントロール、終結する方法を記述しています。

プロジェクトマネジメントの教科書的な本『PM BOK』では、プロジェクトマネジメント計画書に含むべき種類の19の文書が一覧リストにされています。

『PM BOK』第7版より

プロジェクトマネジメント計画書の構成要素です。

主に、ベースラインと、計画プロセスで作成される補助計画書で構成されます。
補助計画書は、「○○計画書」のように名前の最後に「計画書」とついているものです。


プロジェクト文書

『PM BOK』ではさらに、33のプロジェクト文書も定義しています。

『PM BOK』第7版より

プロジェクト文書は、テーラリングの対象で、プロジェクトの特性によって、作成するモノを取捨選択して決めていきます。

※「テーラリング(tailoring)」とは?(再掲)

服の仕立て(tailor/テーラー)と同じ単語です。
スーツなどのフォーマルな洋服を購入する際に、”7号”といった大まかなサイズを選択したうえで、ズボンの裾の調整などをしてもらって”自分に合わせたサイズ”に仕立ててもらいますよね。
プロジェクトマネジメントにおけるテーラリングも、本質的には同じで、プロジェクトの特性に合わせた調整を行う、という意味です。
基本的に、最初にプロジェクトのベースを定める時は、一般的な概念やルール、会社の規格に沿って計画や設計を立てるコトが多いです。
ゼロから計画を立てるより、ある程度会社の知見の集合体に沿った方が、早く作成出来るし、大事なポイントも抑えていることが多いからです。

けど、それだと、7号とかSサイズとか、大まかな規格に合わせてだけなので、プロジェクトの特性に応じて調整することが必要になります。この調整のことを「テーラリング」と言います。

#1-5 プロジェクトマネジメント・プロセス

取捨選択するとはいえ、総じて「めちゃくちゃ文書作成するじゃん……」と思われた方もいるかもしれません。

PMには言語化スキルも大事です。

↓参考記事

ローリング・ウェーブ計画法

プロジェクトマネジメント計画書は、段階的に詳細化されていく、という特徴があります。

直近の作業や早期に完了させなければならない作業は詳細に規定され、少し先の作業は大まかに立て、反復ながら計画を更新をしていきます。

プロジェクトが進行するにつれて得られる情報が増えて、より正確な見積りが可能になっていきます。

この段階的に詳細化していく手法を、ローリング・ウェーブ計画法と言います。

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