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#2-11 チームのルールを決める

チームの構成したら、チームのメンバー向けのルールを決めていきます。

学校で言えば、校則ですね。仕事に限らず、ですが、複数人で一緒にまとまって作業を行うには、最低限のルールがないと、上手く統率が取れません。

業界や会社、プロジェクトの目的によって、チームで規定されるルールは千差万別です。いわば、チームのカルチャーを明文化したようなモノです。

また、初期に決めたルールは、プロジェクトの状況によって都度更新されていきます。


一応、グランドセオリーとして、プロジェクトマネジメントの教科書的な本『PM BOK』では「チームの行動規範を定める」とあります。

行動規範には、許容される行動と許容されない行動の全てが含ます。
「〇〇出来る」だけでなく、「××してはいけない」という内容まで規定することになっています。

プロジェクトの目的を達成するために、適した行動・適していない行動を明確にするのですが、「きちんと仕事をしましょう」みたいなルールではなく、個別具体的な内容です。

チーム憲章という、チームメンバー同士で価値観を共有したり、実務上の慣行などを明確にするための文書を作成することもあります。

定例の日時など、チーム内で合意した内容を策定していくのですが、チームの意思決定方法を決めておくと、チーム内で混乱するリスクを軽減するメリットがあります。


以下は、少し余談的な話です。

個人的に、どんなプロジェクトでもルールに入れておいた方が良い、と思う内容があります。
それは、プロジェクトの活動の全てをリモートワーク(非対面)で完結させない、という趣旨を反映したルール。
「××してはいけない」という方のルールです。

会社で決められた就労ルールがあれば、それに従う必要はありますが、プロジェクトマネジメントにおいて、同じ場所でメンバーと一緒に働くための環境づくりは非常に重要です。

個人的に、リモートワーク環境下の方が、きちんと仕事を行うヒトとそうでないヒトのアウトプットの差は明瞭にわかりました。
(逆にいうと、自分の能力は浮き彫りになりやすく、サボったらわかるヒトにはすぐわかる、ということ……!)


対面のチカラ

2020年のコロナ禍をきっかけに、リモートワークの導入が一気に進み、世界中で働き方が大きく変わりました。約4年程コロナ禍の環境でプロジェクトマネジメントをして改めて感じたのは、対面のチカラです。

出社せずに自宅で仕事が出来ることは楽ではありますが、その環境で出社時と同じパフォーマンスを出せる人は、ごく少数です。さらに、マネジメント側のコストは爆増します。

コロナ禍の話を抜きにしても、通常のプロジェクトマネジメントにおいて、メンバー全員が同じ現場で一緒に働く、というのは、効率の面から非常に重要です。
協業作業において、物理的に同じ場所で一緒に働くことの効率の良さに勝てるスタイルは、基本的にありません。

プロジェクトは不確実性を伴う活動なので、メンバー全員が変化に対応してアウトプットを出していかなければなりません。スケジュールが予定通りに進むことがないのも、一つの例です。

↓スケジュールに関する記事

その変化に対応してもらうために、都度リモート環境でバラバラ指示をし直すのは、莫大なコストがかかります。

そして、対面でのコミュニケーションであっても、認識のズレは起こるものです。しかし、同じ場所にいることで、認識のズレによる行動が可視化されて、早めに対応出来る可能性が高まります。

プロジェクトの活動において、当初の予定通りに進まないことや認識のズレのリスクがありますが、限られたコミュニケーションのためのコストを、リモート環境におけるフォローで使い切ってしまった場合、本来使われるべき内容にコストが費やせずに、プロジェクトが失敗するリスクが上がってしまいます。

2023年現在、いくつかの会社が「原則出社ルール」に戻していますが、コロナ禍が完全に収束したら、一気に出社必須に戻す企業がより増えると想像されます。
対面のチカラは数値化しづらいですが、「やはり出社は必要だ」と多くの企業の経営層に思わせるパワーは強いと思います。

とはいえ、色々な働き方が認められること自体は良いことです。
また、(コロナ禍によるリモートワーク導入以前から)実際は様々な制約があり、全員が同じ場所で協働する、という体制を実現するのは難しいです。

そもそも、PMの私がプロジェクトを掛け持ちしたことで、プロジェクトメンバーをずっと同じ場所で協働できなかったこともあります。

リモート環境の良い部分を取り入れて、チームメンバーの最大多数の最大効率を目指すのが、実際のところの現実的なラインかもしれません。

チームとして効果的に協働出来るように、“メンバー全員が同じ現場で一緒に働く形に近い環境“を作るルールはどんな内容かという思考錯誤を続けていくことが大事そうです。

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