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インスタには投稿していましたが、なななんと、我が家のダウン症児たー坊さんがついについについに、生後9ヶ月を目前に主治医の先生から首すわり認定をゲット!!

「たー坊くん、キミはもう首が座ったと言っていいでしょう、80点です」との輝かしいコメント。その瞬間、嬉しさもあり、ほっとする気持ちも半分・・いや7割くらいか。

9ヶ月目前のギリギリ滑り込みセーフ。そもそも8ヶ月までに首が座らねばなんて決まりはない。成長発達はそれぞれ、ということも耳にタコができるほど聞いているし、寝ててもソラで言えるほど、ブツブツと自分に唱えてきた。

でも、「うちの子首すわりがまだで・・」なんていうと、優しいママさん達は、うちの子なんて座ったの8ヶ月よ、と散々慰められてきた手前、8ヶ月が何だか一つのマイルストーンになった。首座り認定をいただいた夜はセッカチ母と超スローウベイビーとノホホンな旦那様の3人で祝杯をあげたのでした(たー坊はすっかり夢の中)。

乳児の世界三大イベントの一つ、首すわりにOKスタンプをいただいた今、次なる目標は寝返りとお座り。お座りはいきなりチョモランマを目指すようなものなので、まずは寝返りといきますかね、たー坊先生。この勢いでさくっと早々にお願いしますよ。

さて、首座わりを経ていつものようにルンルンなたー坊と、同じく日常は何一つ変わらないのに気持ち的に一時ルンルンな母。けれどもそんなルンルン親子に水をさすような出来事が。

先日引っ越して初めて近くの小児科に東京都の定期検診に行きましたとさ。集団検診ではなく、個別検診でOKとのことで、のどか〜なお天気の日にルンルンで出かけましたとさ。病院に着くと、まず驚いたのが院内全てがドラえもん。小学館さんと提携しているのか、はたまた院長のご趣味なのか、ご親族にドラえもん関係者がいらっしゃるのか。診察室も先生の机の上もおびただしい数のドラえもん。こんなにドラえもんを見たのは生まれて初めてかもしれない。ドラえもんミュージアムだったんじゃないかと目を疑った。

で、初めまして&初診察なので、それはもうたー坊が生まれる前の頃から色々散々と聞かれるわけで。こちらも初めましてなので知って欲しいがために懇切丁寧に時には聞かれていないことまでサービス精神の塊で伝える訳です。産後のたー坊ドナドナ事件とか、NICUに滞在した1ヶ月半、どんな風に過ごしたとか。冷凍母乳オンザドライアイスデリバリーの件とか、哺乳瓶卒業できるか問題とかとかとか。

話してみて改めて色々あったなぁとしみじみしている横で、先生が一言ボソリと。

「ダウン症の子を見るのは久しぶりだなぁ」

な、ぬ!?それ・・わざわざ言わなくてもよくないですか?こんな簡単な先生の正直すぎる一言で、こちらの疑心暗鬼度はムクムクと高まっていくわけですよ。しかも散々全てをお伝えした後でこの一言。そして先生、かなりのご高齢でいらっしゃり。学会に出て研鑽するガムシャラ期は過ぎ去ったと推察されるわけで。でも、障がい児を育てるという初の試みに日々日々必死な母は(もはやきっと障がいあるなしは関係なく世の父・母とはそういうものだと思う)、そこは先生のプロとしての長年の経験に大いに期待を膨らますわけで。散々一生懸命これまでのことを話した母の熱量は急にストーンと下がっていきましたとさ。

きっと、正直で真っ当なベテラン先生。だと自分に言い聞かせつつ、先生の動向を鋭く見守っていると、ふと急に思い付いたかのように、「ではあのテストをやってみましょう」と。その名も「ハンカチチェック」。何ですと。

先生はニコニコしながら、たー坊さんを仰向けに寝転がして、顔の上にハンカチをフワッとかけまして。何だかことの顛末までくっきり想像できる訳です。「先生、多分たー坊はできないと思いますが・・」と伝えても、聞こえているのか聞こえていないのか、「窒息しないようにね」と先生。ハンカチを顔にかけられたたー坊さんが、手でどかそうとすれば、「正常」だそうでして。先生、そもそも「正常」って何でしょう。「正常かどうか」ということにはものすごく敏感になるのが障がいを持った子の母でして。

そもそも、ダウン症は障がいなのか?病気なのか?異常なのか?、だんだん麻痺して分からなくなってきている日々のたー坊との生活をふと思い返しては現実目の前でハンカチ王子と化したたー坊を見つめながら、結局「正常ってなあに?」という何だかなんとも言えない、3モヤっとが心に残った訳です。

そして当然のことながら、いきなりハンカチをパサーっとかけられて訳がわからないたー坊さんは、泣くわけでもなく、何をするわけでもなく、ハンカチをかけられたままカチコチーンと微動だにせず固まっていましたとさ。何とも気まずいシーンとした沈黙が続くことしばし。たー坊としては訳がわからず、嵐が過ぎ去るのを待ってでもいるのか。

そもそも、たー坊さん、療育で頑張ってはいるものの、腕の根っこから手を上げることは得意ではないわけで。シーンと沈黙が流れた後、痺れを切らしたたー坊さんは、「無理ですよねぇ」という旦那さんのフォローを経て、ようやくカサカサと手足を床に擦らせて上下にバタバタし始めて。

顔にハンカチがかかったままカサカサと手足を床にシャカシャカするたー坊とそれを見つめる先生以下我々夫婦・・なんとも奇妙な時間なのでした。

そして、ハンカチチェックから始まったたー坊の検診では、

「どちらに寝返りできますか?」→「できません」=「いいえ」

「両手をついて背を丸くして座れますか?」→「いいえ」

「おもちゃを差し出すと、自分から手を出してつかみますか?」→「いいえ」

などなどの質問にことごとく「いいえ」が続き、ようやく「はい」が言えたのは、

「子育てについて気軽に相談できる人はいますか?」でしたとさ。もはやたー坊関係ないじゃないですか。

こちらの質問、東京都の定期検診で先生が聞く質問リストにあるのだけれど、それらの質問を総じて先生が「診察初見」というのを書くわけです。そこに、この度「四肢ー異常」と書かれたのでした。「異常」って。。

先生曰く、『「はい/いいえ」と「正常/異常」しか選択肢がなくてね、ごめんなさいね、悪気はないですから。』とのこと。

悪気を持って書かれたとは思わないけれど、「異常」のインパクトが大きすぎて、二度と定期検診なんて受けてやるかい!とやさぐれた母なのでした。5モヤっとと、3モヤっとの合計8モヤっとを獲得して検診終了。石ころを蹴飛ばしながら「だって人間だもの」をブツブツ唱えながら帰宅したのでした。

ふと横を見たら、「たー坊、おっきくなったねぇ」とルンルンの父に、ハンカチをかけられたこともすっかり忘却の彼方で同じく相変わらずニコニコな子と、平和な親子がいたのでした。

ちなみに、その後改めて結果のコピーを見たら、「診察初見」の下に「総合判定」というのがあり、「総合判定ー問題あり」とありましたとさ。

【アイドル顔負けのニッコニコキメ顔。】

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