見出し画像

慣らし保育が終わり、10月から立派な保育園生として登園しているたー坊さん。ダウン症というおまけ付きなので、週に1回、平日に民間の会社が提供する療育サービスに通っているほか、同じく週に1回平日に自宅にPT(理学療法士)の先生が来てくれて、発達を促すトレーニングをしているほか、隔週でこちらも平日に地域の発達支援センターの個別レッスンを受けていたりする。そう、全部平日。

仕事復帰するときに、つまりたー坊が保育園に入るタイミングで、この療育を続けるかどうか、旦那さんとも協議した。旦那さん的には、私が大好きな今のキャリアコンサルティングの仕事を存分にするために、療育を一旦辞めるのも一つなのではないか、と言ってくれた。

た―坊がダウン症だとわかった時、私たち夫婦が決めたこと。それは、たー坊が健常の子よりサポートが必要だったとしても、自分たち自身がやりたいことをたー坊を理由にしてあきらめないこと。これは旦那さんが提案してくれたことだった。

療育を止めればたしかに週5日フルフルで仕事に存分に打ち込める。けれどブログに書いたとおり私は「療育」に希望の光を見出したたちなので、保育園に行くから仕事復帰するからという理由で続けてきた療育をやめるのは絶対に嫌だった。しかも、出会ったPTの先生たちはとても信頼できる方々で、たー坊というよりは私の方が支えてもらって、だからここまで頑張ってくることができたのだから。

となると、選択肢は一つで、療育をしながら仕事をする。そしてそれを実現するためには事情を話して会社や仲間に理解してもらい、受け入れてもらわなければならない。

結論、私は本当に組織にも仲間にもとても恵まれた。会社に相談したら代表や先輩が親身になって相談にのってくれて、融通が利くような働き方を受け入れてくれた。一人では完結しない仕事なので、仲間の理解が必要で、カミングアウトというほどたいそうなものではないけれど、でもやっぱり「自分の子が障がいを持っている」と声を出すのには勇気がいるし、周りに絶対気を遣わせてしまうと思うとだいぶ気が引ける。でも理解を得るしかないし、ダウン症のことを知ってほしいと思えるようになった。ここまでたー坊と過ごしてきた時間が私の「周りに言いにくい」という気持ちを変えてくれた。

伝えることに緊張と不安がなかったわけではないが、今の仲間ならきっと受け止めてくれる、そんな風にも感じた。最高に最高な仲間だから。

ということで、療育と仕事の両立は何にも代えがたい私にとって組織、仲間に恵まれて、今こうして仕事をしながらた―坊と療育に取り組むことが出来ている。周りに理解してもらえることが大切なのだけど、そのためにはまずは自分が困っていることや感じていることを勇気をもって発信しなければならない。

というのが、今日言いたいことなのだけど、実は本題はテーマのとおり「プロって」っていう話で。

仕事をしながら療育をやることになって、困ったことがある。それは、いま通っている保育園の登園時間が11:00まで、ということ。午後にきても午睡の時間なので途中から来てリズムが崩れてしまっては、という園側の配慮で、たしかに本当にそのとおりだと思う。でも週に1回通っている療育は午前中いっぱいかかるし、通院だって月に数回あってどれも11:00には間に合わない。。

となると、父母連帯責任という精神のもと、当番制にして保育園に行けない日(療育帰りや病院帰りの日)の午後は、在宅にしてたー坊をあやしながら仕事をすることになる(恐ろしいことに病気の場合は別カウント)。私は今在宅勤務がコアなのでまだいいとしても、旦那さんはメーカーの営業マンでかつ転職してまださほど年数が立っていない。いわば、とうが立った新人さん。在宅ばかりとっているわけにもいけない・・らしい。お客さんとのアポが入ることもあるし、何気に出張も多い。しかも、在宅が可能だったとしても、38.8度の熱が出てもご飯をパクパク食べまくり、喜びの奇声をあげながら、訳の分からないところにあるスイッチが入るとゲラゲラ笑いころげ、ごろごろ寝返りを打ちまくり、おもちゃをジャカジャカふったり投げたり蹴飛ばして遊びまくる元気印のたー坊を片手で見ながら仕事をするなんてぜったいぜったいぜったいに無理。果たして世の中のお父さんお母さんは一体どうしてるんだろう・・

と、ふと、ロシアにいたときにシッターさんを雇っていたことを思い出した。といっても、ベビーシッターではなく、ロシア語で「ニャーニャ」、いわゆる乳母なのだけど、別名「お掃除おばちゃん」。仕事に出ている間に鍵を渡して家に入ってもらい掃除してピッカピカにしてもらっていた。東南アジアもこれが主流と聞いているが、ロシアでも主に年金生活に入られたパワフルな女性たちがこうした役割を担ってくれていた。そう、シッターさん!

ということで、週に1回療育の日はシッターさんに自宅に来てもらい、保育園に行きそびれたたー坊を午後いっぱい見てもらうことにした。病院に行く日や予防接種の日も保育園に行けないので、少なくとも月に5-6回はお願いすることになる。シッターさんの手配会社数社に登録をして、家の近くで探して事前面談をさせてもらい、ついに先日シッターさんに来てもらい、元気印たー坊さんのシッティングをしていただいた。

長くなったが、そのクオリティの高さにびっくり仰天!というのが今回の本当の主旨。プロって半端ない。まず、感染症対策がしっかりできていることは言うまでもなく、初回なのにたー坊はすぐに打ち解けたようで、本を読んでもらう時もこれまでに見たことのない笑顔と興味深々顔で絵本にどっぷりのめり込んでいた。お散歩に出れば、「『ジュウガツサクラ』が咲いていて、た―坊くんも風を感じながら心地よさそうにしてました」とか、「鳥が頭上を飛ぶと何だろうと興味深々に目線で追いかけてました」とか。親はそんなまるで詩人のような行動を見たことがないんですけども。いや、たぶんきっとやっているんだろうけど、こちらにそんな余裕がないので全くもって気づいていないのだと思う。ちょっとドキッとした。

しかもそのシッターさん、ジュウガツザクラなるものの写真も撮って報告書に付けてシェアしてくれるという。感動しかない。離乳食やミルクもあげてくれて(しかもミルクは調乳までしてくれて)本人もごきげんでガツガツ堪能したらしい。いつも眠くなったら相当にぐずるのに、その日は全く泣き声一つ聞こえてこなかった。抱っこしてゆらゆらしたあとにベットにおいてトントンしたらスヤスヤ寝たらしい。普段の大騒ぎからはまるで別人のよう。プロって本当にすごい!そのプロ感は子供にもきっと安心感として伝わるのだろう。この前ついシッティングの様子を興味本位でちょこっとだけ除いてみたら、ご飯を食べる時も遊ぶ時も、とにかく要点を絞って具体的な行動を褒めまくっていた。

「ご飯ごっくん、上手にできたねー」

「唇自分でペロンてふいたんだね、すごいねー」

「この本の続きが気になるねー。次回も一緒に読もうね!」

語尾には全部♪マークとビックリマークがついてる。はっきり通る声にそのテンション。当の本人はそれはもう大層ご満悦なご様子で、これまでイチくらいのどや顔をブイブイいわせて笑顔を振りまいていた。

プロって半端ない。

プロとは、「相手が想定・想像することを『はるかとてつもないレベル』で超えることで人に感動を与える人」だ。いつかNHKさんからオファーが来たら、私もいままでイチのどや顔でそう言おう。ある意味で、文字通り「beyond understanding」。

シッターさんのプロ度に終始驚きっぱなしだったが、さらに最後にこれをみて、もうこりゃノックアウト。

画像1

画像2

超細かい報告書に、5分ごとに記した寝相(どちらを向いて寝ていたか)のシート。たー坊が寝てるときくらい、ソファでぐたーっと、ゆるーりと何ならば携帯カチカチ、読書にふけるとかしていていただいて構わないのけど。シッターさん曰く、保育園でもこれをしていたので全然問題ないですよー、と。なんちゅうお仕事なんでしょうか。子供の安全第一は当たり前、預かった子供とどれだけ愉しく一緒に過ごせるか。そんなシッターさんの姿勢と、5時間という長丁場になっても1分たりとも休まないシッターさんのプロフェッショナル魂はとても尊いものでした。

とても素敵なシッターさんなので、末永く定期依頼をする予定。た―坊のおかげで保育園にはいけないけれど、またまた素敵な出会いがあったのでした。

【遊んでもらい大満足で爆睡中】

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?