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好きなネットアイドルが居なくなった話

昨晩ネットアイドルのことを少しツイッターに書いたので、それ繋がりで好きだったネットアイドルについてお話ししようと思います

今はネットアイドル(自撮り界隈)の文化が当たり前に蔓延しているので目新しく感じないかもしれませんが、私の中でネットアイドルの存在は非常に尊いです

ネットアイドルのファンである我々は会いに行くことも会いに行ける機会もなくて、いつ消されてしまうか分からないホームページやアカウントを不安定な気持ちで見守り続けた故に自撮りに加えた独り言やポエム終いにはインターネット更新に飽きてあっさりと姿を消してしまうその儚さは現代の自撮り界隈にも通ずると思います

伝説のネットアイドルも現代の自撮り界隈の女の子も普通のアイドルとは違うテレビには出さないようなマイナーな部分がとても愛おしいと思います

言葉遣いが乱暴であったり

すぐ死にたいって言いたくなっちゃったり、

グラビアアイドルでもセクシー女優でもないのに際どい自撮りをアップロードしたくなっちゃったり、

手首を切ったり薬を飲んで、それをわざわざインターネット上で報告したり生配信したり

ポエムとも取れるし愚痴とも取れる不安定な感情を吐露した文章を綴ったり

テレビに出るようなアイドルが決して見せないような部分を敢えて見せていくけどあくまでネットアイドルというポリシーをきちんと守る姿が好きです

ネットアイドルの基準ってインターネットにどんどん自分の顔をアップロードしていけばそれは既にネットアイドルだと思うんですよね

敢えて四角に収まった平面の「カワイイ」や「良さ」のみで勝負していくスタイルが彼女の日常やが見えているようで見えていない感じがして見てる側としては良い意味で不安定な気持ちになります

しかも「メンタルヘルス系ネットアイドル」や「ニートネットアイドル」なんてカテゴリも存在します

メンタルヘルス系ネットアイドルのパイオニア「南条あや」さんの「卒業式まで死にません」というエッセイ小説が非常に平成ノスタルジーに駆られるので読んで頂きたいです。

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昔はホームページやブログやUstreamやニコニコ生放送で活躍するネットアイドルさんが多かったけれど、

今はTwitterとInstagramで活躍されている方が多いですね

昔からネットアイドルが本を出したりモデルをしたり写真集を発売したりイベントを行ったり何なり仕事につながっている方は居ますけど

インフルエンサーなんて呼ばれるのもネットアイドルの派生なのでは?と最近疑問に思っております

まぁネットアイドルと一口に言ってしまえば踊ってみたや歌ってみたやティックトッカーさんもネットアイドルにカテゴリされてしまいますもんね。本当に幅広い

唯一私のネットアイドルへのこだわりをあげるとしたら

鬱々とした内容や反骨的な内容を上手く文章に起こす方

独自の雰囲気やファッション性があって自撮りが可愛い方が好きです

この二点は今の自撮り界隈で人気がある方の共通点でもありますね

単純に物書きで可愛い子が好きですね

人気のあったネットアイドルさんって詩人気質な方が多いですよね

田中エリスさんも詩人ですもんね。本も二冊出版されています(リンクが貼れなかったので気になった方はチェックしてみてください)

ネットアイドルの歴史は1995年ぐらいからであり、通称「ネトア」とも呼ばれていました。

ネットアイドルと聞くと何故だか平成ノスタルジーに駆られます

「ロストパラダイスイントーキョー」を見たときと同じ気持ちになるんですよね

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かつて存在したアキバのホコ天で歌い踊るチープでロリィタで可愛いネットアイドルを彷彿させるこの感じ

ちなみにこの映画はあまり見かけない設定に加えて泣けちゃう映画なのでおススメです。

そういえば、ネットアイドルの基準って自ら写真をアップロードして人気を得るだけじゃないですよね

他人が撮った写真(盗撮含む)がインターネットで人気になって、その方がインターネット上で注目を浴びたらネットアイドルと称されるパターンもありますよね(主に5チャンネルで永久的にネタにされたり画像を貼られる)

(チャリできたとかもネットアイドルなのかなぁ)

私的には伝説の見世物小屋の蛇女「小雪太夫」様とかそのパターンだと思います

劇団員時期から見世物小屋団員になるまでの期間は除いて、インターネットで注目を集めてからの引き際の早さがたまたまであってもネットアイドル特有の儚さを感じました

絵に描いたような日本美人でお人形のように真っ白い肌に真っ黒いぱっつんロングの髪型で真っ赤な口紅に真っ赤な襦袢を纏って蛇を喰らい尽くす姿はきっと全国民の性癖に刺さった(はず)

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丸尾末広先生や山本タカト先生が描いた偶像美女なんじゃないかと錯覚するほどオーラがあって美しいですね…

「彼女、今何してるかなぁ」と悶々とさせる魔性の女ですねネットアイドルとは

かつて活躍したネットアイドル達は今どうしているのかな

ネットになんて執着しなくても楽しく暮らしていけるって思って今を過ごしているか、普通に働いたり結婚したり趣味に全うしたりとにかく幸せに過ごしていることを願いますね

南条あやさんの小説を読み終えた時もそう思いましたが、今からお話しするネットアイドルの推しの結末を見てそう感じました。

そして本題です(今更)

私にはかつて唯一好きだった自撮り界隈の女の子(この記事内の言い方としてはネットアイドル)が居ました

かつてニコ生で配信活動を行なっていて、昨年度まではTwitterにたまに写真をあげたり呟いたりしていました。

Twitterのフォロワーは2000人超えくらいでストップしています

私は東京に住んでいるけれど彼女は京都で暮らしていて私が想像できない京都の暮らしぶりを呟いたり、

詳しくどこに住んでいるかも分からないしアイドルではないので会うことは出来ないし距離感が遠いので

絶対に会うことはないという偶像崇拝には持ってこいの存在だったのかもしれません

黒い服ばかり着て手足は棒のように細長く瞳は生気を感じさせないけれど大きくて一見どこにでも居るような所謂地雷系女子(ですが背が高くてスタイルが良くてお顔立ちにちゃんと個性があって可愛いです。きっと実物は目を惹く可愛さ)

一見どこにでもいそうなネットアイドルですが、どことなく感じる影にも大変惹かれました

キャバクラやメイドカフェで働いていた時期もあったようですが

どうやって暮らしているんだろう?とこちらが疑問に思ってしまうような時間帯に自宅で撮った写真をあげていたり、微かな疑問が積み重なって毎日彼女をチェックするようになりました。

アイドルしたいと呟いていたのも印象的でした

彼女がアイドル活動をしていたら、逆に現代ではありきたりなパターンになってしまうので自分勝手ではありますが偶像のままで居てくれて良かったのかもしれない

でも歌って踊る姿も少しだけ見たかった気もする

不安定なつぶやきが多い為フォロワーが心配している様もよく見かけました

恋愛に病んでいたのか、ネットで叩かれて病んでしまったのか、生活自体に病んでしまったのか分かりません

彼女が少しだけ書いていたブログの記事から文章を引用させて頂きます。

私は皆様へ、たった十六行の手紙を書きました。その日が丁度ピッタリいいタイミングだと思ったんです。
携帯のデータを消して、最低限の用意をして、一番気に入っている服を着ました。
通っていた幼稚園、小学校、中高を巡りました(この行動は今考えても謎です)
高校でお世話になった先生にあって、これからしようとしていることを省き、普通におしゃべりをしました。

いつものパーティーがたまたまその日にあって、飛び込みで最後に行くだけ行こうと思って、参加して可愛い動物と遊ぶ妄想をしたりグニャグニャの手と手を繋いだりしていました。そしたらマンションの2階から落ちたみたいなんです。特に大きな怪我はなく救急病院で軽く手当てしてもらい帰宅。
ここでリセット。今まで考えていたプランは終わりました。結局そんなものだった。
一緒に完全密室で人生を終わらせる約束だった女の子、ごめんなさい。連絡が無いけれど、どうしているのかな。(Twitterで募集したら、6個中5個凍結?になりました。今このアカウントしかないです。)
あと、次に入っていたお仕事もまた次の1歩かと思っていたのにパーになりました。それで4年間お世話になった人と縁を切りました。たくさんの時間をかけて人生最悪にしてくれてありがとう、復讐はいつか。

たった、約三日間の話です。しょうもない話です。申し訳なくて泣けます。

結局私は私が一番嫌いな人種の女で、クソほど、どうしようもない人間です。無理矢理元気に平成から令和にかけて生きるしかないようです。

そんな私は普通に出勤して普通にベロベロになって今文章を書いています、人生の無駄になるうような文章です。そんなものですね、私達は。もうみんなで諦めましょう。ネッ!!!


この文章から分かるように自殺を図ったそうです。

ですが、私にとっては幸い未遂に終わりました。

その後はいつものように可愛い自撮りをアップロードしたり、母の日をお祝いしている様子やゲームをしている様子や恋人と過ごしている様子や通販でお洋服を買っている様子やたまにネガティブツイートをしたり私から見たら至って通常にツイートをし続けていました

しかしこの5ヶ月後に突然練炭の画像と共に「色々言われることもあったけど、本当にたのしかったです。皆さんのことが大好きです。さようなら。悲しい事にもう戦えないです(中略)失敗したら、また戻ってきます、笑ってください」と呟いたきり彼女は二度とツイッターを更新しなくなりました。

この儚さや突然の別れやブログやTwitterに綴る弱さの中に感じられる、何度も折れそうになりながらここまで生きてきてくれたであろう彼女の人生の背景など様々なものが、

かつてのメンタルヘルス系ネットアイドルを彷彿させました

ネガティブな文章を綴る時にはとことん重苦しい雰囲気を漂わせていた彼女ですが、最後のツイートは絵文字まで付いていてとても朗らかでした

まるでアイドルが前向きにグループを卒業したライブの直後のツイートのように。

もしかしたら今までの苦しみから解放されるような気持ちだったのかもしれないと思うと今までの苦悩が計り知れませんね

しかも最後のツイートの二日前にセーラームーンのコンパクト風のコスメの写真と共に「ママが「子供のとき泣きながら欲しいって言ってたのに買ってあげれなかったから、どうぞ」ってくれた。ありがとう(笑)大切にしよ 」とツイートしていて、とても胸が詰まりました

彼女はお母様をとても大事にしているようでしたので

最後まで彼女らしいツイートでしたね

何よりもお母様の心中を大変お察し致します。

彼女が残した可愛いお部屋やお洋服やアクセサリーはどうしたんだろう

と考えれば考えるほど胸が痛いです

ただTwitterをログアウトしてインターネットの世界から足を洗っただけなら良いなと度々思います。

どちらにせよ彼女のただのファンであった私には真相を知ることもなければインターネット葬すらしてあげられないし、本当に距離のある関係です

彼女は私の事など一ミリも知らないですが、私は彼女の日常や考え方を覗く事ができて非常に楽しかったです。

彼女のツイッターアカウントの現在は質問箱の自動ツイートがひたすら更新されているだけで彼女が呟くことはありませんが、タイムラインに現れる度にハッとしてしまいます

でもまだ2000人以上が彼女のフォローを外していません

どこかで彼女を待っている方は私以外にもきっと沢山いらっしゃるでしょう

もう彼女がインターネットに現れる事は二度とないかもしれませんが私のネットアイドルになってくれてありがとう。







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