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ハリー・ポッターと賢者の石<ミナリマ・デザイン>

■ 感想

「ハリー・ポッターと賢者の石<ミナリマ・デザイン版>」
J.K.ローリング(訳)松岡佑子(静山社)P368

映画ハリー・ポッターやファンタビの世界を素敵なグラフィックで彩ったミナリマが手掛ける原作シリーズ。

所々に挟まれる印象的なシーンを再現した仕掛けページはまさに魔法のようで、レンガの壁がガラガラと開いてダイアゴン横丁が目の前に広がる演出は、初めてハリーが踏み入れた気持ちを丸ごと体験できるようで胸が高鳴る。

仕掛け以外のページもほとんどのページに素敵なイラストが施されていて全てのページがとにかく楽しく、物語もあまり端折ることなくしっかりと収録されていて原作を初めて読む方が読まれても支障はないので、映画からハリー原作へ進む方には映画の世界観もしっかりと内包したこのシリーズを是非お勧めしたい。

ホグワーツ魔法魔術学校への入学通知が目の前で立体的に開かれるのを自分の手で再現できる歓びは、何度体験しても震えるような幸せに包まれる。自らの運命も出自も何も知らず育ち、突然に魔法界が最も恐れる邪悪で残忍なヴォルデモート卿との戦いが運命づけられたハリー・ポッター。

映画版とは違い原作ではもっと多くの人物の人生が絡み合い、愉しさも、哀しみも、葛藤も巻を重ねるごとに深まっていき、ハイ・ファンタジーでありながら現実世界の問題と密接にリンクし進んでいく。子供の頃に多くの人が憧れた魔法の世界を見事に構築し、新しい物語の世界へと惹き込んでくれたJ.K.ローリング。

その魔法をマグルにもより体感できる形で届けてくれるミナリマ・スタジオに心から感謝したい。背表紙に描かれたホグワーツの塔が全て揃って並ぶ日が待ち遠しい。

■ 漂流読書

<<<漂流読書>>>

■ハリー・ポッター:ホグワーツ魔法魔術学校

ホグワーツのお城や禁じられた森などが大きく眼前に広がるポップアップ絵本。

従来の仕掛け絵本の範疇を越えて広がっていく迫力の仕掛けはまさに魔法✨

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