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進撃の巨人 エンディングまで読み終えて


コミックの加筆部分を含め、全て読み終えました。


マガジン読後最初の感想は、

感無量(*´ω`*)

でした。


「有機生物の起源の宿主であるエレンの命を断つことにより、力技で巨人を絶滅させる。」

というラストだと、この時は解釈したので

「でも、何故ミカサの選択で巨人の力が無くなったのか、あまり説明されていないな、解りにくいな。エレンの死亡により光るムカデが消えた的な説明もないし、なんとなくスッキリしないかも。」

と思っていました。


そしたら、なんとコミックの加筆には、ミカサと、大人状態の始祖ユミルの会話が足されていて、

始祖ユミルが、フリッツ王が暗殺されてる横で、子どもたちを抱いて泣いている描写が添えられていました。


そうか、巨人の力が続いてきたのは、子どもたちが初代王の命令でユミルの脊髄液を摂取したからだ。

あそこでユミルが愛に囚われずに、初代王が暗殺される時に庇わないという選択をすれば、巨人はユミル1代で終わる。


愛していたけれど

でも、ハンジさんが最終的に出した結論

「虐殺は駄目だ」

に共感してエレンの元に来たミカサ。


ミカサが覚悟を決めた

「愛する人にこれ以上虐殺をして欲しくない」


自分に虐殺をさせて身なりが豪華になっていったフリッツ王を止めるという選択肢がある事を、

ミカサが始祖ユミルに、行動で見せて示してくれた。


エレンが、

「道の世界に過去も未来もない、同時に起きている」

と語っていたので、

ユミルの在り方が変わった瞬間、あの場面でのユミルの選択が変わり、巨人継承も道の世界も無い世界線になったのか。

と、ものすごくスッキリしたんです。



以前、

アッカーマンとは、始祖ユミルがフリッツ王に対して、巨人としてではなく人間の姿で認められたい気持ちから生まれたのではないか。

と考察した事がありました。


この時は、こう書いていてなんですが、まさかここまでミカサが鍵になっているなんて思いもしていなかったのですが(*´ω`*)

頭痛の原因も加筆でしっかり説明されて、めちゃくちゃ大切な加筆ジャマイカ(✽ ゚д゚ ✽)!

と思いました。


加筆を見るまでは、エレンに記憶の始祖干渉されて、アッカーマンはそれが効かないから、抵抗が生じて頭痛に繋がっているのかと思っていました。

スイスの小屋の時も頭痛がしてましたからね。


でも、そうか、ちょいちょい


「この人はこういう時、どう思うんだろう」

って頭の中を覗かれて居たんですね(;´Д`)



そう思うと、エレンを止めに行く前にアルミンに


「ちょっとは自分で考えなよ!」


ってどやされていたミカサの状態は、幼い頃から自分の意志を奪われ続けていた奴隷のユミルの状態と近かったのかも。


そして、それまでエレンに巻いてもらってきたマフラーを、ミカサが自分の手で巻くことが、ミカサの、そしてユミルの、

愛する者への依存からの自立

に繋がったんだなと。


与えられたものからの自立、解放


これは、104期ユミルの時も、ヒストリアの時も、描かれ続けてきました。

ある意味ライナーも同じように、与えられた役割を全うする愛の優しさと、本来の自分との間での葛藤が描かれてきています。


これだけ人類共通のテーマを、深く物語に落とし込んだ作品が読めた事、本当に本当に感無量です。



そして。

後半の加筆部分で

おおっ!

となったのはやはり、ジャンです(*´ω`*)


始祖の力を発動したエレンは、104期生のみんなに会いに行っていたようですが、加筆部分を読んだ瞬間、ジャンが言っていた

「律儀な奴め」

の意味が、エレンがジャンに何を伝えたのか、言外に伝わった気がしました。


「悔しいけどミカサを頼む」

「こんなこと頼めるの、オマエしかいないから」


「この死に急ぎ野郎、お前が幸せにしてやれよ」

「分かった······ミカサの事は、俺に任せとけ」


エレンの、自己犠牲の深い愛が悲しくて

密かにジャン推しの私は、長年のジャンの片想いがこんな形だけど叶った事に、良かったような良くないような。


でも、ジャンはきっと、ミカサと一緒にエレンを悼む人生を、選択して送ったのだろうなあと思いました。

私個人の想いで、うまく言えないけれど、

ミカサの傍で、ミカサと一緒にエレンに愛と感謝を手向ける人生

を、送ったんじゃないかな、そうだと素敵だなあ。

という妄想をいだきました(*´ω`*)


こんなに、ワクワクした物語は生涯で初めてかも。


進撃の巨人は、本当に十人十色の色んな読み方が出来るのも、魅力の1つだなとつくづく思います。


少し置いて、また読み返した時には、また別の解釈が生まれてきそうな予感がして、今からその時がとても楽しみなのです。

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