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ブラジルの硬貨/紙幣や数字の話

「ブラジルのスーパー」の話の余談です。

日本人の数字感覚

日本で2千円札が流行らなかったのは、
日本人の脳が奇数計算に慣れているためだと聞いたことがあります。

日本は5単位で物事を考えます。
硬貨:1円、10円、50円、100円、500円
紙幣:1000円、5000円、10000円

アメリカの紙幣は(ブラジルも同じ)
1ドル、2ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル

日本には2の概念がないため、
日本人には2千円札は使いにくかったのです。

廃止になった紙幣

ある年、ブラジルに行った時、
サンパウロの空港でコーヒーを現金で買いました。
1レアル札を出したら
「それ、もう使えないよ」
と受け取り拒否されました。
まさか、2年前に来た時には使えたんだから
そんなはずはないと思っていましたが、
銀行員のいとこに訊いたら
「愛ちゃん、そのお金、もう博物館にあるレベルだよ!」
と笑われました。
(1レアル札だったと思いますが、
絵柄が何種類かありました。
そのうちの1種類が廃止されたそうです。)
そんな大袈裟な、と思いましたが、
とりあえず本当に使われていない紙幣なんだということは理解し、
銀行で交換できるとのことだったので、
いとこに預けました。

数日後、リオの博物館に行った時、
私が持ってたその紙幣が、
なんと展示されていたのです!笑
「比喩じゃないじゃん!」とひとりで爆笑したのを覚えています。

ブラジルは、
短期間に何度も通貨の単位や貨幣価値が変わってきました。
インフレ率が3000%になったり、
8年間だけでも2兆75億分の1、
52年間で275京分の1のデノミネーションが行われました。
(例えば、1000クルゼイロを1レアルの価値に置き換えることを「デノミネーション」と言います。1942年から1994年までの52年間で275京分の価値の0が切り捨てられてきました。)

なので、紙幣が使えなくなることなど、そんなに大したことではないような気がします。

お釣りの計算方法

最近、スーパーマーケットを経営するオンラインゲームが流行っています。
おそらくアメリカで作られたゲームだと思うのですが、
通貨はドルです。

私は日本人がそのゲームをプレイしている動画をよく見るのですが、
お釣りの渡し方がとても興味深いです。

例えば40セントのお釣りの時、
日本人は10セントを4枚渡します。
しかし欧米人でしたらおそらく、
25セント、10セント、5セント
の3枚で済むように渡します。

日本には25円玉がないので、
10の単位の倍数で考えてしまいます。

また、例えば4セントや9セントの時は、
欧米人は5セント硬貨や10セント硬貨を渡すと思いますが、
日本人は必ず10セントを4枚用意します。

商品の値段や、レジで金額を打ち込むときも興味深いです。
日本人は、セント単位の最後の0を省略しようとします。
たとえば1ドル50セントの場合
1.50
と入力しますが、その際、
1.5
と入力します。
確かに、0.5は50セントですし、
それでも通用しますが、
私はブラジルで、そのように金額を入力(伝票にペンで記入も含む)している店員さんを見たことがありません。
きちんと0,50(ブラジルの小数点は「,」です/後述)と、しっかりと0を記入します。
0.50ドル(50セント)を0.5で表現するのはあくまでも数学的な考え方で、
金額の概念とは別モノになります。
私たち日本人には小数点を用いた金額の概念がなく、
数学的な概念しかないので、
このような入力をしてしまうのかもしれません。

ゲームを見ながら、そんなことを考えています。

お釣りの計算方法2

日本人の「お釣りのための計算方法」はすごいです。
私は先日、1398円の買い物を現金でしました。
「小銭が少なくなるように」という思考が働いてしまい、
5408円を出しました。
するとお釣りは4010円と、少ない小銭で済みます。
久しぶりに現金で買い物をしたので忘れていましたが、
日本人はこういう計算がとても得意です。
(コンビニでアルバイトをしていましたが、
「この預かり金でどんなお釣りが出るの!?」という期待が膨らむような
不可解な金額を出されることもあります。そしてお釣りは、とても綺麗な金額になります。)

アメリカやブラジルでこのように小銭をたくさん出すと
「こんなにいらないだろ」と言わんばかりの不機嫌な顔で小銭を返してきます。
そして、たくさんの小銭をレジの中から掻き集めて渡します。
「これ全部出した方がラクだしスマートだろう」と
日本人から見ると滑稽に思えてしまいますが、
欧米人からすると「無駄なこと」に思えてしまうのでしょう。

1セント以下の単位

色々調べていて、今たまたま見つけました。
アメリカやカナダで、ミルという単位があるそうです。
日本で言うと銭や厘のような感覚でしょうか。
通貨として流通しているわけではなく、税の計算などで使われるそうです。

そのミルのスペルがmil(millやmilleとも)だそうなのですが、
ポルトガル語でmilは1000の意味です。
国は違いますが、
1セント以下と1000の用語が同じということが
なんだか面白いなぁと感じました。

小数点「.」と「,」

日本の小数点は「.」で区切りますが、
ブラジルは逆で、「,」で区切ります。

例)円周率
日本:3.14
ブラジル:3,14

例)1万5千と25
日本:15,000.25
ブラジル:15.000,25

ブラジルはreal(レアル)とcentavo(センターヴォ)で金額が書かれています。
(アメリカドル&セントと同じ感じですが、アメリカの小数点の概念は日本と同じです。)
小数点は、お店の価格表示に使用されていまスノで、
ブラジルで買い物をする際に確認して見てください。

先日掲載した、バナナ売り場です。

ブラジルのスーパーで撮影

こちらには小数点は書いていませんね。
レアルを大きく、センターヴォを小さめに書く表示方式もあります。
小数点を入れるなら「5,99」と表示されるはずです。

ブラジルの通貨real

レアルは、
1 real ウン へアゥ
2 reais ドイス へアイス
と、複数形になると「reais(ヘアイス)」になります。
「real(ヘアゥ)」と言うのは、1レアルの時だけです。
記号は
R$
となりますが、どうやら本来、$の縦線は2本必要だそうです。

両替

私は、10年近く前まではいつも
リベルダージにある両替所で両替していました。
ここでは円→レアルに直接両替できます。
または、日系の旅行会社も両替に応じてくれます。

しかし、昔の話なので、今は事情が色々と変わってそうです。

・円→レアルの両替は基本的に行なっていない
・日本国内での円→レアルの直接両替ははほとんどできない
・できたとしてもレートが悪い
・最適な方法は、日本でドルに両替してからブラジル国内でレアルに両替する方法

このような話をよく聞きます。
いずれにせよ、円→レアルの直接両替は、あまりお勧めできないかもしれません。

リベルダージ Liberdade

サンパウロにある日本人街ですが、最近は中国人や韓国人も増え、
「アジア人街」に変わりつつあります。

貨幣の話でした

実際にブラジルの貨幣を見たことがある方は少ないのではないでしょうか。
しかし、ブラジルに旅行に行ったら必ず手にするものです。
少しでも興味を持っていただけたら嬉しく思います。

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꧁愛マリアンジェラ꧂

著書
『日常ポルトガル語会話ネイティブ表現』(出版: 語研)
※共著

電子書籍
『ブラジルとブラジル音楽とポルトガル語の話』
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