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日本語とポルトガル語の語順から見る人間性

FBに投稿したお話です。
改めてこちらで書き直します。

タイトルに「日本語とポルトガル語」と書きましたが、
英語など、ポルトガル語と同じ語順で構成される言語、
全てに当てはまることとしてお読みください。

語順

日本語は
主語+目的語+動詞

英語やポルトガル語などは
主語+動詞+目的語や補語

これが意味するものは何でしょう。

「目的語」が先にくるので、
日本語は、最後まで言わなくても内容が伝わる仕組みになっています。

語順が違うだけで起こる違い

「私はパスタを...」(日本語)
と言えば、動詞は「食べる」や「作る」だと察しはつきます。
例えばレストランの注文時に「(パスタを)作る」という動詞は思い浮かびませんので
状況によっては、動詞を言わなくても意思を伝え切ることはできます。

“Eu como…”「私は食べる...」 (英語やポル語など)
こちらは、肝心の「何を」が明確にならないので、
例えば、注文を取りにきた店員さんは困ってしまいます。
「パスタを」と、文章を最後まで言い切る必要があります。

「みなまで言わず」の言語の国

日本人は、「察する」ことに本当に長けています。
外国人の方が「エスパーだ」と驚くほどです。

それは、最後まで言い切らなくても伝わる文化
「みなまで言わずとも...分かるだろ?」の言語の国だから、
察する能力が高く、それが得意なのです。
(もちろんその他にも、気遣い上手であるなどの理由はあります。)

「美徳」が「不親切」そして「悪」へ

「推して知るべし」の文化は、
日本の美徳とされています。
それについては大いに賛同します。

しかし現代は、SNSや電子メッセージ機能が充実している世界です。
「ことば」を口から発さなくても、会話ができる時代になりました。

すると、話し慣れない人が続出します。
自分の意見を「口から」伝えることが苦手になります。
更に、文章を最後まで言わなくても伝わる言語なので
本当に喋らなくなってしまいます。

「あの、これを...」と言えば相手が分かってくれると思っていますし、
それで察せない相手は「察しが悪い」と判断されます。

私は会話中、
友達とのお喋りでもレストランでもお店の受付でも
なるべく文章を最後まで言い切るように努めています。
言葉(言語)に敬意を持っていることと、
はっきりとした性格であるので、
途中で言い終わるような中途半端な話し方はしたくないと考えています。

途中でバテる

とはいえ、ポルトガル語の会話中は
「最後まで言わないと伝えられない」ので、
話してても聞いてても、
途中でバテてきてしまいます。笑

こちらが言い終わる(一番重要な目的語まで話し切る)のを相手は目を見てじっと待っているし(なんだか焦る)、
「この人は何が言いたいのだろう」という答えを知るのも、相手が文章を言い終わった時です。
日本語で慣れてしまっていると、それまで待っていられません。笑

英語話者などは、母国語と語順が同じなので、
耐久力はあると思います。
日本語話者はそうはいかないので、
長い文章や説明だと、リスニング力を問われるなぁと思いました。

女優の先生から教えていただいた

偉そうに話していますが、
こちらのエピソードは声優の養成所時代にお世話になった女優の先生から
教えていただいたことです。
日本語で台詞を話す時のコツとして、
そのことを考慮しなくてはいけないという内容でした。

外国語を教えている身としてはとても興味深い内容でした。
自分がポルトガル語で会話するときはもちろん、
レッスン中もそのことを頭の片隅で考慮しながら生徒さんに教えています。
皆さんも、ブラジル人ネイティブや英語話者の方とお喋りする機会があったら、
そのことを感じてみてください。

♡ ••┈いいね♡コメントいつもありがとうございます┈•• ♡
私のレッスンでは、
・発音矯正
・音声学に基づいた「日本語のクセ」と「ポル語の特徴」の解説
・「ポル語グルーヴ」のブラジル音楽への落とし込み方
などを教えています。
YouTubeでミニ講座を投稿している他、オンライン無料レッスンも行っています。
ご興味がある方は是非YouTubeチャンネルHPをご覧ください.*˚✩
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✼••┈ A sua professora ┈••✼
꧁愛マリアンジェラ꧂

著書
『日常ポルトガル語会話ネイティブ表現』(出版: 語研)
https://amzn.to/48u0bed
※共著

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