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ポルトガル語は「ポルトガル語」

ポルトガル語は、日本語ではありませんし、英語でもありません。
当然のことですが、
その真意を理解していただきたく思います。

1、日本語

いつも述べていますが、
私たちは誰でも「自分の価値観」で物事を判断します。
なので、母国語である日本語を基準にしながらポルトガル語を見てしまいます。

発音においては、日本語にない音をたくさん使っています。
(と言っても、ポルトガル語の発音の種類は、
英語に比べたらシンプルで少ないですし、
文法的にも他の欧州の言語に比べてかなりシンプルです。)
私は「日本語とポルトガル語は、人間が話す言語であること以外の共通点はない」といつも申しておりますが笑(極端)
「まったく、何もかもが別の言語」である覚悟を持って挑んでみてください。

2、英語

日本語より厄介なのは英語で、
ポルトガル語を英語風に解釈してしまう方がいらっしゃいます。
確かに、アルファベット文字を使っているし、文法も単語も似てるし、
日本語と比べたら近しい言語と言えるかもしれません。
しかし、まったく別の言語です。
それを、例えばrなど、ちょっと口の中でくぐもらせるような発音とか、消え入るような語末とか、曖昧な音の母音とかで発音してしまう方がいらっしゃいます。
英語風にして、何だか「それっぽく」発音してしまうのです。

ポルトガル語は、英語ではありません。

これは、「外国語はすべて、英語が基準だ」と勘違いしてしまっている結果だと思います。

私たちの国は海に阻まれているので、
大陸国と比べて、隣の国の文化がなかなか容易には入ってきません。
インターネットが普及して情報や映像などは手に入りやすくなったものの、
自分の体を海外に持っていくことは、飛行機や船に乗らないといけません。
(陸続きですと、パスポートさえあれば、まるで私たちが県境を越境するように車で国境を超えられます。)
海外の事情にどうしても疎くなってしまいます。
そうなると我々の心情としては、世界共通語である英語が「すべての外国語の起源」というように思えてしまいます。

アルファベット文字を使う言語はすべて外国語
=英語または英語の派生
だと勘違いしてしまう傾向にあります。

しかし、英語が世界共通語になったのは歴史上たまたまの出来事で、
英語だってポルトガル語同様、ただの外国語のひとつにすぎません。
そもそも、英語より先に日本に入ってきた西洋の言語は、ポルトガル語です。

3、スペイン語

たとえばスペイン語話者とポルトガル語話者、
それぞれの母国語同士で会話をしても、通じ合えます。
私もスペイン語話者の方とスペイン語&ポルトガル語で会話した経験が何度もあります。
(ただし私の場合、南米のスペイン語に限ります。)
それくらい似ている言語なのは事実ですが、
発音については、まったく別物です。

スペイン語は、強弱アクセントの言語ですが、
ポルトガル語と比べるとわりと平坦めで、
日本人でも馴染みやすい発音の言語になっています。
だからこそ、落とし穴があります。

スペイン語を深く学んでいればいるほど、
ポルトガル語の発音がなかなか身につきません。
言葉は似ているから、単語や動詞活用の習得は早いものの、
スペイン語発音でポルトガル語を話してしまいます。
そうすると、アクセントの強弱が足りず、
ポルトガル語話者側は「何だか物足りない」と感じてしまいます。

「共通語だと思ってたら、自分の地元の方言だった」
という話はよくあることですが、正にそんな感じです。
「スペイン語は習得済みだから、ポルトガル語も大丈夫だろう」
と思っていたら
「まったく違う発音だった」となってしまうわけです。
しかし、残念ながら、それすら気付いていない方がいらっしゃるのも事実です。

ポルトガル語は「ポルトガル語」

多くの方の無意識下には
このようなポルトガル語への認識があるように思います。
どうぞポルトガル語と真正面から向き合ってみてください。

英語について

余談ですが、
英語が世界共通語になったのは
「英文法がシンプルな仕組みだったから」という理由もあります。

ポルトガル語を始めとした他のラテン語系の言語は、
例えば1つの動詞の活用が1つの時制に対して6つ(人称の数)あったり
(そして時制×法(直説法や接続法)=10種類くらい
→1つの動詞に対して活用が60個弱ある)、
冠詞も、ポルトガル語の場合は8個あるし、
性数変化もあるし、
とっても大変です。

それに比べて英語は、
そういった文法的な約束事がとてもシンプルなので、
多くの人が取り入れやすい言語だと言えます。

しかし、英語に慣れ親しんでいる日本人は、
ポルトガル語を英語と比べてしまって、
「動詞、そんなに覚えるの?」と
結構、絶望されます。笑

他のラテン語系の中でもポルトガル語はシンプルな方であり、
英語が特殊なだけなのに、
先生としてとても残念な気持ちになります。

「そうは言っても、
ブラジルでは二人称がほとんど使われていないので
動詞活用は実質4つだけですし、
冠詞8個は少ない方ですし、
性数も中性がないですし、
ボリュームが少ない方です!」

このように、いつもアピールしてます。笑

♡ ••┈いつもご覧くださりありがとうございます┈•• ♡
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꧁愛マリアンジェラ꧂

著書
『日常ポルトガル語会話ネイティブ表現』(出版: 語研)
※共著

電子書籍
『ブラジルとブラジル音楽とポルトガル語の話』
※Kindle Unlimited対応

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