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発音と、私の名前 Mariângela

「マリアンジェラ」と申します

私は日本生まれ・日本育ちの日本人ですが、
日本とブラジルの二重国籍を持っています。

ブラジル国籍の名前が「Mariângela」です。
登録名はMariângela Ayと、
「アイ」の方がミドルネームになっています。

ちなみにブラジルだと “ Ai ” は「痛ッ!」という感嘆詞になってしまいます。
英語の “ Ouch!” ですね。
なので “ Ay ” 表記で登録していますが、
スペイン語では “ Ay ” が「痛ッ!」という意味になってしまうらしいです。笑

マリアンジェラ」と読みます。
ブラジルでは、よくある名前でもないけれど、
珍しいという名前でもありません。
たまにいるよねーくらいの感じですかね。
私はブラジルに留学した時、
「友達の友達」ポジションに1人か2人くらい、いた気がします。笑
母の大学時代の先生にも、確かMariângela先生がいたと聞いた気がします。

芸名とあだ名

「愛マリアンジェラ」と名乗っているのは、
俳優として所属している事務所で付けていただいた芸名をそのまま使用しています。
芸名、といっても、どちらも本名です。笑

また、時折「愛あんじぇ」と書いてあるのは、
「マリアンジェラ」からきた、日本でのあだ名「あんじぇ」を使っています。

ブラジルでのapelido(ニックネーム)的には
Mah(マー)とか、Marí(マリー)になるそうで、
(マリーは、マ↑リー↓ではなく、マ↓リー↑で、リーの方にアクセントがあります)
そう呼んでくれるブラジル人の友人もいます。

なので「あんじぇ」は、日本でのみ使っているあだ名になります。

発音が下手だった時期に通じなかった自分の名前

アメリカやその他の国もそうだと思いますが、
スターバックスでコーヒーを注文する際、
自分の名前を伝えます。
そしてコーヒーの受け取り時には、
商品名ではなく、名前で呼ばれます。

店員さん: Qual é o seu nome? 「名前は?」
    私    : Mariângela. 「マリアンジェラです」

レジでこういうやり取りを行うのですが、
私がコーヒーを受け取った時の名前は、
「マリア・アンジェラ」さんでした。

誰やねん

声が小さかったかな、聞き間違えたのかな、
と最初は思いました。
しかし、何度スタバに行っても私は
「マリア・アンジェラ」さんで呼ばれてしまいます。

確かにブラジルでは
MariângelaさんよりMaria Angelaさんの方が圧倒的に多いです。
多数決に負けたような気持ちになり、
そのうち苛立って来た私は、注文時、
Mariângela, tudo junto! 「マリアンジェラ、全部一緒ね!」
と言うようになりました。
情けない。

自分の発音が下手だったことが原因だった

しかし、ある時にふと気がつきました。
「…私の発音が悪い?」
その頃は、発音の先生なんかやろうなんてこれっぽっちも思っていませんでしたし、
むしろ、自分の発音に関しても無頓着でした。
なので試しに、きちんと表記通りの発音をしてみようと思いました。

Maria Angelaの場合、
「マリア」と「アンジェラ」で分かれます。
「マリア」と言ってから「アン」のnasal(鼻母音)に入るので、
拍が1つ分、多いです。

Mariângelaの場合、
ânが繋がっているので、すぐにnasalが発生します。

これが大きな違いだ、と気付き、私はめちゃくちゃ派手にnasalをかまして自分の名前を伝えました。

そしたら、きちんと「Mariângela」さんで呼ばれた!!!!
カップに名前をメモしてあるのですが、
それもきちんと「Mariângela」と書いてくれていました!

本当に感動しました。
そして、これから名乗る時は
きちんとnasalを大事にして、その他の発音も気をつけようと心に誓いました。

日本語で名乗る時の弊害

ポルトガル語で名乗る時は、それで完璧になりました。
ところが、カタカナで言うときの言い方が、未だに見つかっていません。

というのも、Mariângelaは、ポルトガル語発声でしか言えないのです。

私は、いわゆる「ぶりっ子声」で話すことが好きで、
面白半分でそういう声を作って出すことがあります。
「あい、まりあんじぇらです」と、舌足らずな感じで話すこともあります。

ですが、こればっかりは、
こうしないと「マリアンジェラ」という単語を言えないのです。

要は、ポルトガル語は「強弱アクセント」の言語であり、
日本語は「高低アクセント」の言語であるために起こる乖離です。


「マリアンジェラ」
nasalの箇所「アン」の部分は、鼻母音の強さと勢いがないと言えません。
しかし日本語発声の時は、nasalのための強さと勢いが出せないため、
どうしても「アン」で詰まってしまいます。

その前の「リ」も、ポルトガル語であれば、
nasalの勢いに乗せるためにかなり強気に発音できるのですが、
日本語ですと、「アン」はその勢いを吸収してくれないので、失速してしまいます。

だから「まりあんじぇら」と、ゆっくり舌足らずな感じで言って、
どうにか名乗るようにしています。

「言いにくそうな感じを出して、かわい子ぶってる」と思われそうですが、
本当に言いにくいのです。笑

そしてポルトガル語になると突然 “Mariângela”と流暢になるので、
とても滑稽に見えることと思います。

ただ、普段の会話時にはこれで凌げますが、
ボイスサンプル収録時など、真面目な音声を録るときには誤魔化せません。
未だに模索しています。

いずれ、podcastなどで実際の音声を聞いてもらおうかなぁと考えていますし、
自分のポルトガル語講座の練習用の単語として起用しようかとも考えています。笑

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꧁愛マリアンジェラ꧂
著書
『日常ポルトガル語会話ネイティブ表現』(出版: 語研)
※共著

HP
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所属事務所 (声優/ナレーター)
株式会社FIREWORKS

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