オールドマンは今日もスタンディング
朝車に乗り家を出て、スターバックスに行きコーヒーを買って会社に行く。
毎日変わらない習慣だ。
ある交差点の近くに、毎日、同じ時間に立っている老人がいる。
いつしかその存在に気づき、
毎日同じ場所に立っているので自然に意識するようになった。
毎日見るようになった老人からは不思議な空気を感じる。
微動だにせず、どこを見るわけでもなくただ正面を向いている。
そして無表情である。
笑っているわけでもなく、怒っているわけでもない。
ちなみにその交差点は登校する学生も多いのだが、
挨拶を交わしているような様子もない。
この老人は一体何をしているのだろうか。
忙しく車や人が行き交う中で、微動だにせずただ直立している老人。
ある日考えたことがある。この老人は実はこの世の存在ではないのではないか。
自分だけに見える存在で、周りからは見えないのではないかと。
なぜこんな話を書いたか。
今日の朝は例の老人はいなかった。
今日はいないんだなとふと目を逸らす。
なんとその老人は交差点で信号待ちをしていた。
ちゃんちゃん。
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