Salvatore Ganacciから見る「差別化」と「ポジショニング」
突然脱線するが、Salvatoreとは「救世主」という意味らしい。
かっこいい言葉である。
昨今話題のEDM業界に面白いDJがいる。
Salvatore Ganacciと名乗る、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身でスウェーデン在住の男性。1986年生まれ。
何が面白いかというと、DJパフォーマンスが他のDJと一線を画している。
論より証拠。こちらをどうぞ。
さらに最新曲のMVも色々な団体から苦情が来そうな内容となっている。
特に靴の車などはシュルレアリストもびっくりの超現実ぶりであろう。
彼の紹介はここまでにして、差別化とポジショニングに戻る。
実際に彼のパフォーマンスに対する評価は「最高」と「最低」の両極端に分かれていると言われる。
合わせて、彼にはまだ大ヒットと呼ばれるような楽曲が無い。
EDMのDJといえば、とてもキラキラした派手な職業だ。
外見、パフォーマンス共に「かっこよさ」が評価される業界である。
彼が運んだものは何か。「面白さ」である。
EDMにエンターテイメントを取り入れたと言っても過言では無い。
ヒット曲もなければ知名度もないと感じた時に、何をしたか
①顧客のニーズの本質(楽しみたい・騒ぎたい)を見極める
②競合が取り組んでいない分野(エンターテイメント)で一流になる
③みんなに好かれるを捨て、最低の評価と最高の評価を選択する
どんな業界でもそうではないだろうか。大きな市場に打って出ようと思った時に、資源が乏しいということはよくある話だ。選択と集中をし、その道を極めることで大物に一泡吹かせることもできることを実証してくれた事例だった。
彼は名前の通り、EDM界の救世主となり得るのか。