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これだから時価ってやつは・・・

恐らくなのだが、
私ことミスターセンクスと、サルバドール・エビ氏は、
和歌山県の大衆居酒屋で5,000円のカツオのたたきを食したということになる。

マーヴィン・ゲイ並みのWhats Going Onなのである。
むしろ何が起きているのかわからず、ゲイになってしまいそうなのだ。

少しずつ状況が見えてきたので、書いてみようと思う。

初めて足を踏み入れる土地での美味しい食材。
それはとても楽しみであり、ワクワクするものである。
そして時価というものは漢のロマン。
価格を気にせずに食べたいものを食べるのは、ちょっと大人になった証拠だ。

その日我々は仕事を終え、安定の東横インっ!にINNしたわけだ。
近くにとても雰囲気の良さそうな居酒屋があり、
1秒でも早く麦酒を飲みたい我々は意気揚々と向かった。

店内は大衆的な雰囲気で、所狭しと手書きのメニューが並ぶ。
何とカレーライス550円までラインナップしている。
入った瞬間にここは良い店だと実感する居酒屋ってないだろうか?
そんな雰囲気のお店だった。

ちょっと無愛想なおばちゃんが接客してくれる。
オススメはカツオのたたきとハモだ。
いいじゃないか。夏を感じるメニューじゃないか。
オヌヌメされるまま、
カツオのたたき(時価)と鱧の天ぷら(980円)を発注する。
ビールを発注したのは言うても言うまでもない。

我々の間違いの1つはここにあった。
初めて来る土地で、何を食べたら良いかおばちゃんの指示をそのまま受け入れた。

よく考えてみよう。
時価というものは、海鮮で言えば極端に漁獲量が少ないものである。
1日で上がるかどうかわからない、上がったとしてもその量により、
競りで価格が変動していく、つまり高級魚を言う。

カツオという魚はそんな魚だったろうか?
スーパーなどでも夏になれば毎日見かけるほど、
安定した供給っぷりを見せるのがカツオなのだ。

そんな庶民の味方であるカツオだからこそ、
我々の時価に対するリスクヘッジがユルユルガバガバだったのかもしれない。

もう一つの間違い。
これは防ぎようのないトラボーだった。
提供されたカツオのたたきは、とんでもない量だったのだ。
鱧の天ぷらについては、4切れ〜5切れくらいのちょうど良い居酒屋サイズ。
カツオのたたきは優に20キレを超えていた。
こちらがキレそうなほどの量だ。
これも冷静に考えると、恐らく半身分だったと思う。

カツオで満腹になったことはあるだろうか?
まさにその現象がその場で展開され、
我々はカツオと鱧以外の和歌山グルメを楽しめなかったのだ。

あのカツオの価値が5,000円だったと気づいたのは、
お会計が10,000円を超えていた時だ。
レシートなぞ貰っていないが、
カツオ+鱧(1,000円)+おちゃけ(多分5,000円くらい)という
シンプルな発注だっただけあって、
酔っ払いのおじさん二人でも容易に計算できる。
小学校の算数レベルの計算でその事実が判明したのだ。

恐らくあおり運転の宮崎容疑者であれば、
BMWの運転技術よろしく、
ものすごい勢いでおばちゃんを煽ったに違いない。

サルバドール・エビ氏がブチ切れないか一瞬心配したのだが、
カツオにプリン体が多く含まれていることを危惧し、
あんなに食べて大丈夫かを心配していた。
つまりお会計の金額ではなく、自分の体にとっての救世主となったようだ。

そして我々はその居酒屋の営業手法を分析し、
戦略としての価値はいかほどかを語り尽くしていたのである。

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