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エクスプロージョンで思い出したけど

エクスプロージョンと言えばジョンスペである。
The Jon Spencer Blues Explosion.
なんだこの英語は。
ジョンスペンサー ブルース 爆発である。
たまに会話に主語述語をお忘れになる日本人がいらっしゃるが、
それと同じ感覚を覚えるバンド名である。

長すぎるので「JSBX」や「ジョンスペ」と呼ばれてしまっている。
作者の情熱とは儚いものである。

色々と調べてみたところ、このバンドは3ピースらしいが、
ツインギターとドラムの3人構成らしい。
3ピースといえばギターとベースとドラムではないのだろうか。
まぁ、とやかく言わず爆発しようぜ!という気概を感じる。

このブルース爆発野郎を知ったのは、2017年の映画「Baby Driver」である。
ワイの認知経路を整理すると、映画が先→曲が後だった。
超かっこいい冒頭の6分間で使用されており、
最初はこのシーンのために作成された曲なのではないかと思っていた。

とにかくこの6分間は最高なのである。
銀行強盗中の緊迫した雰囲気の中で逃し屋であるこのドライバーはノリノリで
ブルース爆発野郎の「Bellbotoms」に酔倒している。

エッジの効いたギターサウンドにストリングスが混ざることで、
どこか優雅な雰囲気さえ感じた瞬間、
私が歌った方がまだマシだろうと思うくらいの下手くそなボーカルが入る。
ウェーーーーーーーーーい!はい!はい!はい!はい!
なんかいい感じの感じをぶっ壊しまくる感じがブルース爆発の所以なのだろう。

映像はまさにこの曲ありきと言った感じで、
完璧に近いシンクロ率で逃走劇が展開される。
爽快なサウンドと爽快なシーンが重なり、つい見惚れてしまうわけである。

ワイはこのシーンを1ヶ月に1回くらい見るのだが、
なぜかと言えば、狂った状態をキープするためである。
Keep it going crazy.
映像と音楽が丁度良い狂いっぷりであり、
「Bellbotoms」をこのレベルで酔倒できる日本人を私は知らない。

ネガティブな感情は周りを巻き込みやすいというが、
世の中の「普通でいなさい」というプレッシャーが私を普通にしようとしている。
この動画でいえば、パトカーが通り過ぎた時の仏頂面みたいなことだ。

その波に飲まれそうになった時、私は狂ったものに触れたくなるのである。

狂乱の生き残れる場所は、アートの世界だけなのだろうか。
そんなことはないと思うのだ。
まずは自分がスタイルを貫き、反応してくれた人たちを引き連れていけば良い。
いつか普通がかっこ悪いと言われる世界を夢見て進んでいけば良いのである。

孤独を感じた時は、先人の姿を見て学ぶことである。

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