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凍傷寸前のディストーション

名物変態ランナーのミスターセンクスだが
この時期朝に走るのは結構つらいものがある

目が覚めると外は暗い
なんとか起き上がって外を見れば
そこかしこが白く凍っている
視覚的なダブルパンチを喰らい
これでも喰らえ!と言わんばかりに
美女のパンティーを噛み締める

無理して起きるには
美女のパンティーを噛み締めるのが一番だ

96%の朝はその視覚パンチに負ける
ベッドで寝ている美女の肌の温度が
そしてその食感が心地よくて
どうしても負けてしまうのだ

4%だけ頑張るぞ!というセンクスが出てくるが
今日はその日だった
パンティーに負けずに勃ちあがったのである

意を決して玄関を出た瞬間
ミスターセンクスの全てが凍りつく

かちんこちんこになった心と体
それに反するように縮こまる体の一部
今すぐ暖かいアソコに入りたい
そういった自分を静止したものの
これは生死に関わる寒さだ
製紙工場からの煙が見えるが
私の精子はすでに凍り付いている

この時期のランニングは不思議な感覚だ
肺は冷気で満たされ
足の裏の感覚もあまりない
体が自分のものではないような感覚で
射精したとしても気づかないほど
見事な写生を見せつけられた時のような
妙な納得感が頭に残っている

苦難を乗り越えて走り切った
ミスターセンクスの脳は澄み渡っていた
澄み渡るその脳みそに記憶されたのは
鏡に映った見知らぬ男の姿

ミスターセンクスの顔は寒さにより
ひょっとこのように歪んでいたのである

スッキリ脳は発狂しそうになるが
それを制止し静止したひょっとこを正視する
そこで頭に浮かんできたのは
歪みこそ私の人生だということだ
歪みこそがミスターセンクスということだ

そうしてミスターセンクスは
ディストーションベンをした後に仕事に向かった

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