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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】ICTの活用で深まるグループディスカッション

今年もキャリア教育コーディネーター実践コースが始まりました。

コロナ禍以降、集合型の研修をどう開催するか、
悩みながらの開講ではあったのですが、
小中高のキャリア教育実践基礎講習含め、
オンラインではできない価値はどこかを見極め、
必要な部分は対面の集合研修を実施してきました。
オンライン化できない部分は
やはり人と人との新しい関係を作っていく部分

今年度の小中高のキャリア教育実践基礎講習も
志を同じくする仲間づくりの場になっていたように思います。

しかし、これまでと異なるのは、
対面の集合研修であってもwifi環境を整え、
パソコンまたはタブレットを併用しながらの
グループディスカッションを行ってきた点。
googleクラスルームをつかってみようという、
コロナ禍以降の小中学校と同じ体験をしてきました。
ジグゾー法などの手法を取り入れながら、
対面で楽しそうに話をしているけれど、
手元には1人1台パソコンがあるという光景です。

最初こそ、とまどいはあったものの、
googleスライドやJamboardに書き込みながら
議論していくスタイルにもすぐに慣れます。
結果として、
ICTを活用していなかったころと比較すると、
学習成果が格段にあがっているのではないかという
手応えも感じています。

そこで今回は、ICTの活用はどんな点がいいのかを
まとめてみたいと思います。
実は社会人が当たり前にやっていることが
学習効果を高める方法だったのかも・・・とも思います。


●書き直せるから「とりあえず書いてみる」ができる

紙のワークシートを手元にもっての議論では、
発表用に「きれいに清書」となるため、
ある程度まとまらないと記入する行動が出てきません。
しかし、googlスライドなどの場合、
まとまってなくても「とりあえず入力する」が可能です。
自然と書記係のような役割が生まれ、
出てきた意見を精査することなく記入していき、
カット&ペーストも簡単にできるので、あとから整理、
というグループがほとんどでした。
 ※キーボード入力に慣れてて早い大人だからという
  側面もあると思いますが。

●同じ文字情報を確認しながら議論できる

「とりあえず書いてみる」があるからできることですが、
議論が可視化されるため、
同じ文字情報を見ながら議論することができます。
このことによって、
出てきた言葉に対する違和感をさらに言葉にしたり、
さらにつっこんだ議論になったりと、
同じテーマでも従来よりも深い議論になっていました。
信頼関係はお互いの顔を見合わせながら、
でも内容はPC上の情報をみながら、という
いいバランスの議論になっていたように思います。

●追加情報をその場で検索できる

これも大人は当たり前にやっていることですね。
その場にある教材にはない追加情報を調べる姿も
多く見られました。
これにより、その場で得られる情報量が増え、
さらに議論の視野が広がっていました。
これもICTというツールがあるからこそですね。
 ※高校の授業なんかでも、
  スマホ検索で同様の効果が得られるはず。

●議論のプロセスを後から見直せる

googleスライドもJamboardも、
クラスルーム上で配信していましたので、
そのまま議論の結果を残すことができます。
従来であれば、議論してもその時間だけで終わり、
発表した内容もその場限りになりがちでした。
また発表を「聞く」だけになりがちだった
他のグループの議論の内容が「見える」のも、
これまではなかなかできなかったことです。
ここから学べることもたくさんあったはず。


と、このような感じで、
今年度のキャリア教育コーディネーター養成講座は、
対面でお互いの信頼関係をつくりつつ、
キャリア教育・学校教育に関する内容は
ICTを活用した議論を通して理解を深めることができ、
実践コースはいいスタートが切れたのではないかと感じています。
(活動はまだまだこれから!ですが・・・!)

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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