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キャリア教育コーディネーターに必要なスキルと知識【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

キャリア教育コーディネーター養成講座実践コース、
今年度も学校での授業実践が終了し、
残す活動は、ふりかえり・検証・報告書となりました。
毎週、チームで議論を交わしながらつくってきた授業。
授業をやって終わり、ではなく、
ひとりひとりの「これから」に
つなげてもらえるといいなぁと願っています。

そこで、あらためて、
キャリア教育コーディネーターに必要なスキルと知識って
どんなものなんだろうと振り返ってみたいと思います。

●正しい知識と情報収集は大前提。

いわずもがな、ですが、
国の教育施策や教育行政の仕組みを
「正しく」知っておくことはMUSTといえます。
私がしつこくしつこくお伝えしているのは、
報道情報をまるっとうのみにしないこと。
自分自身で一次情報に近づくようにしましょう。

●学校のニーズに自分の意志をかけあわせる。

授業を企画する際に学校のヒアリングにうかがいますが、
ついつい「先生がこう言ってたから」”だけ”を
企画判断の根拠にしてしまいがちです。
もちろん、先生の声を聴くのは大事です。
が、「それだけ」ではただの御用聞き。
そこに、自分の意志をかけあわせてほしいのです。
先生の声からみえてきた現状を自分はどう分析し、
どこに課題があり、何を解決すべきと考えたのか。
ここに、学校がキャリア教育コーディネーターと組む、
意味や価値が生まれてくるのだと思います。

●自分が生徒だったら、先生だったら、ゲストだったら。

キャリア教育のプロジェクトには
さまざまな人が関わることになります。
そのため、いろいろな人の視点にたって
視点を切り替えながら考えることがとても大切。
自分が生徒だったら、この授業をどう感じるのか。
自分が先生だったら、
提案された授業が理解できるか、進行できるか。
自分がゲスト講師だったら、
どんなところ不安になるのだろうか。
エスパーじゃないから至らないことはたくさんあるけど、
でも、いろんな立場・視点から考えてみることが
いいコミュニケーション・関係づくりに
つながっていくように思います。
それが授業のクオリティを上げることにつながるはず。

●編集者・放送作家っぽいところもある。

これは今年の受講生の方から出てきた言葉でした。
「放送作家みたいですね」と。
キャリア教育コーディネーターが扱う授業は
働く社会人・仕事のプロフェッショナルに
登場していただくことが多いのですが、
ただ「授業に来ていただく」だけでは
わかりにくい話になってしまったり、
ただの講演会になってしまいます。
生徒の状況や学校の課題にあわせて
「このゲスト講師のどんな面をどう見せるのか」
という再編集作業が必要になる。
たしかに、編集者とか、放送作家と
同じようなスキルが必要になる部分だと思います。
そのためには、多様な授業づくりの方法を知っていることや
テレビ番組や動画、雑誌などのクリエイターの視点も
少し意識しておくといいんじゃないかと思います。
そしてこれも、
学校がキャリア教育コーディネーターと組む価値でしょう。

●失敗も成功も糧にする。

私もこれまでやってきた授業のすべてが
成功していたわけではなく、
けっこうな「やらかし」もあります。
以前はうまくいった授業が他ではうまくいかない
っていうこともよくある。
要素分解をしてふりかえりができるといいなと思います。
ねらいはなんだったのか。
そのためにどんな手法を選択したのか。
それはどこまで実現できたと言えるのか。
要素分解をしておけば
自分の中での授業づくりのバリエーションも増えてきます。

キャリア教育コーディネーター養成講座はまもなく終了しますが、
これは「終わり」ではなく「始まり」です。
いろんな人と出会って仲間を増やし、
自分がワクワクできる活動のあり方を模索してもらえたら
いいなぁと願っています。

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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