親世代の”教育の常識”、もう古いんです。【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】
キャリア教育支援人材養成講座、
集合研修がスタートしました。
この講座をやっていていつも思うことなのですが、
「教育のこと」って、誰にとっても身近なように見えて、
実はわかりにくいことがけっこう多いということ。
どれだけわかりやすく伝えることができるかも、
キャリア教育コーディネーターの重要な役割だと
思っています。
こと、いままさに進んでいる教育改革は、
私も含めた親世代の知っている学校・教育とは、
その価値観も全く違うものだったりしていて、
大人の常識のアップデートが必要となっています。
今回は、大人のもつ”教育の常識”と
大きく違うポイントを2つ取り上げてみたいと思います。
●暗記よりも教科の本質的な見方・考え方●
これは20年くらい前からですが、
思考力・表現力が必要だ、という話を
聞いたことがあるのではないでしょうか。
さらに、直近の学習指導要領の改訂が
「戦後最大」と言われる所以のひとつに、
それまでの学習指導要領は「何を学ぶのか」という
「知識・技能」(内容)だけだったのに対し、
「どのように学ぶのか」(学習方法)
「何ができるようになるのか」まで
言及されている点があります。
数年前に見学した小学校の算数の授業。
その日の内容は「筆算」だったのですが、
「めあて」(その授業のねらい)として
黒板に書かれていたのが
「ひっ算のしかたを考えよう」でした。
先生が黒板に
桁がそろっていない「間違ったやり方」を示して
「なんでこれじゃダメだと思う?」と問いかけ、
子どもたちが意見交換していました。
私が子どものころの授業は、
「なぜか?」とかいうことは度外視して
「とにかく筆算ができるようになること」
というトレーニングだけだったので、
いまはこんなに違うのかー、と思いました。
授業のねらいが「技能の習得」だけではなく、
数学的な見方・考え方をみにつけるという
本質的なものになっているということです。
「何ができるようになるのか」で考えると、
「思考力」ということができると思います。
公立の高校入試の問題でも
思考力・表現力を問う出題方法に
変わりつつあります。
もちろん、基本的な知識や技能が
不要になったわけではありませんが、
「勉強=覚える作業」だけではなくなった
という点は押さえておく必要があります。
●偏差値だけでは大学選びができない●
学習指導要領の改訂と同時に、
というよりも「先行して」、
大学での学びの改革と
大学入試改革が進んでいることも
知っておく必要があるでしょう。
センター試験が「共通テスト」と
呼ばれるようになったことは
いろいろな報道等でお聞きのことと思います。
実は変化はそれだけでなく、
それぞれの大学でアドミッションポリシーという
求める学生像や評価基準を設定し、
それに基づき多様な能力を多元的に評価せよ、
と求められるようになりました。
こうした背景から「総合型選抜」が
行われるようになってきています。
問われるのは、思考力・判断力・表現力に加え、
主体性・多様性・協調性など。
具体的な評価方法として、
小論文・プレゼン・集団討論・面接・
推薦書・調査書などの方法が例示されています。
高校生活の中でどんな学びや活動をしてきたのか、
その中で、どんな「学ぶ動機」を見つけたのか、
志望理由や学ぶ意欲もポイントになってきます。
(志望理由書、ですね)
ゆえに、「総合的な探究の時間」に
力を入れる高校も増えてきています。
テストの点数・偏差値だけをみていたら、
大学入試対策はできないということでもあります。
私たち親世代の持っている常識のアップデート、
いま、本当に求められていると思います。
教育改革は学校・先生・子どもだけでなく、
社会全体で考えるべきものなのかもしれません。
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