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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】GIGAスクールは未来思考の最先端の仕事かもしれない


小中学校に1人1台パソコンが配布されました。

「された」というと、完了した話題のように見えるのですが、
実はこれ、変化の「始まり」でしかないのです。

4月・5月と、学校の先生方からお話を聞くにつれ、
「ニーズや課題を把握し、施策を検討し、実行する」
という、これまでの仕事の流れが通用しない、
仕事の仕方そのものを変える必要があるぞ、

ということがわかってきました。


●状況が超高速で変化しつづける●

例えば、パソコンが配布されたばかりの学校。
「いま困っていることはなんですか?」
と質問すると、
「子どもたちはキーボード入力ができない」
というのが、課題のひとつとしてあがってきます。

これまで通りの仕事の仕方で、
課題やニーズに応える施策を検討すると、
「授業の中でできるキーボード入力の練習プログラム」
などが考えられます。
直近の課題にすぐに対応するのであれば、
これも必要な施策かもしれません。

しかし、キーボード入力は、
いままで使ったことがないからできないだけで、
使い始めたら、おそらくあっという間に
できるようになるでしょう。
子どもたちの吸収スピードならなおさらです。
ニーズに応える施策を検討している間に、
課題が解決してしまう可能性が高いのです。
 (良質なタイピングアプリもたくさんありますしね。)

キーボード入力は極端な例かもしれませんが、
大なり小なり、近いことは、たくさん起きるはずです。
使うことによって解決していくことが多い。
また、現状では「制限をかけたほうがいい」と
判断されていることも、覆る可能性だってあります。

いまある課題が、数週間後、数ヶ月後には
課題でもなんでもなくなっているかもしれないし、
逆に新しいリスクや課題が見えてくるかもしれない。

おそらくこの半年〜1年は、
時期によってニーズが大きく変化したり、
それまであった課題が一気に解決したり、と、
これまでよりもずっと高速で、
ニーズと課題が変化しつづけると考えられます。

セオリー通りの手段で仕事を組み立てていたら
全く対応できなくなるということです。

こうした変化の肌感覚を、
まず関係者と共有したいところなのですが、
そこにもハードルがあったりします。
従来のセオリーから抜け出せない人も多い。
企業も行政もセオリー通りの仕事ばかりだったんだと
実感しているところでもあります。

●必要なのは「予測」と「プロトタイプ」●

これまでのセオリーを捨て、考え方・やり方を変えること。

この切り替えができるかどうかが、
学校に関わる仕事をする人間には
いま最も求められることだと思っています。

じゃあ、どんな仕事の仕方が必要なのか。

ひとつには「変化を予測しながら計画する」ことです。
子どもたちと先生たちがパソコンを使い始めて
使えるようになってきたら、
いまある課題はどう変化するんだろうか?
正解はわからないのですが、
「ちょっと先」を予測して考える必要がありそうです。

ですが、その予測も仮説にすぎません。

仮説は間違っているかもしれないし、
変化のスピードが予想よりもゆっくりだった、
なんていう可能性だってある。

計画を完璧にFIXしてから実行に移すことは、
おそらくむずかしいと考えられます。
常に計画の修正をしながら、現状にあわせながら、
の可能性が高いでしょう。
こうした点も、これまでの仕事と大きく違うところ。
仕事の進め方が違うということを
理解してもらい、共有するのにも、
信頼関係と丁寧なコミュニケーションが必要になります。

そのためにも、できる限り「目に見えるカタチ」にし、
関わる人たちと共有しながら進める
必要がありそうです。
計画段階から、完成度は低くてもいいので(←ココ重要)
プロトタイプ(試作)をつくり、ブラッシュアップを繰り返す、
そのスピードは、なるべく速く。

・・・そんな仕事の進め方になるのではないでしょうか。


GIGAスクールという、変化の渦中にある学校の話ですが、
きっとこうした仕事の仕方や考え方は、
これから他の業界にも必要になってくるのでは?
もしかしたら、いま学校で起きていることは、
未来志向の最先端なのかもしれないと思っています。


ルーティンワークが苦手な私は、いま、ワクワクしかありません。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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