アプリを劇的に改善させる施策集 Delish Kitchen編
施策集第二弾です。
今回は Delish Kitchen の Android アプリを取り上げてビジネスKPIの改善のための施策を作成します。
第一弾はこちら
Delish Kitchen について
Delish Kitchen は運営会社である株式会社エブリーが提供するレシピ動画サイト・アプリです。
多くのレシピが掲載されており、レシピの検索・詳細の閲覧が可能で、レシピは数分程度の動画で調理工程が説明されているのが特徴です。
アプリ画面
Delish Kitchen のビジネスモデル
Delish Kitchen の収益軸は広告掲載料と主にプレミアムサービスの月額課金の2つだと考えられます。
広告掲載料としては、スーパーマーケットや調味料会社とのタイアップ動画などによるプロモーションの広告収益とアドネットワークを利用した広告収益があるでしょう。
プレミアムサービスは Delish Kitchen の提供しているプレミアムサービスに対してユーザーが月額課金形式で料金を支払う形です。Delish Kitchen の競合であるcookpad や kurasiru も同様のプレミアムサービスを保有しています。
競合であるcookpadではプレミアムサービスからの収益は広告収益の約3倍となっています。
cookpad 2020年12月期第1四半期 決算補足説明資料 より
cookpadの例からも、Delish Kitchen が今後大きく成長していくためには、プレミアムユーザーを増加させることで、プレミアムサービスからの収益を拡大させることが重要であると考えられます。
この記事ではプレミアムサービスからの収益を最大化させるためのアプリ改善施策を考えていきます。
Delish Kitchen のKPI
ここでのKGI は月間のプレミアムユーザーの課金金額合計としています。
課金金額合計はプレミアムユーザー数とプレミアム利用料金の掛け算で計算できます。
プレミアムユーザー数は新規プレミアムユーザー数と継続プレミアムユーザー数の合計です。
新規プレミアムユーザー数は無料ユーザー数とプレミアム登録をコンバージョンと設定した場合のコンバージョンレート(CVR) によって決まります。
継続プレミアムユーザー数は前月までの既存プレミアムユーザー数から解約したユーザー数を引いた値です。
解約ユーザー数は解約率によって決定します。 (正確には既存プレミアムユーザー数と解約率の掛け算ですが、ここでは省略しています。)
改善対象KPIの設定
下の表の通り、アプリのUX担当者として大きく改善が可能なのはUUCVRでしょう。
そのため改善対象はUUCVRと設定します。
アプリのUX担当者としての各指標の改善余地
KPIツリー (再掲)
なお、Delish Kitchen のプレミアムコンテンツは1ヶ月のお試し期間が設定されており、この記事ではお試し期間は考慮せず、お試しでもプレミアムユーザー登録を実施すればCVとカウントします。
改善点の検討
基本的にCVR改善のためにできることは
1. CV導線への流入を増やす
2. CV導線の離脱率を下げる
の2点です。
このどちらに改善余地があるかは、以下のようなデータを見ることで確認できます。
・アプリ全体のUUに対するプレミアムサービスページを開いたUU割合
・遷移元ページ別のプレミアムサービスページ遷移率
・プレミアムサービス画面訪問UUのUUCVR
今回は両方の観点で改善施策を考えます。
改善画面決定
導線・画面の利用率などのデータを確認し改善対象画面を設定します。
「CV導線への流入を増やす」施策はpv数やuu数が多い画面で、「CV導線の離脱率を下げる」施策はCVに近い画面かつ多くのCV導線で経由する画面で施策を実施することが効果的です。
今回はpv数が高いと想定される「レシピ詳細画面」と現在のアプリのCV導線で必ず経由する「プレミアムサービス画面」での改善を考えます。
改善施策案
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