「ウエハースの椅子」
こんなことを書くのは恥ずかしいけど、
これはただの読書感想文なので、悪しからず。
私には長い間、恋人がいない。
大好きだった人はいる。
その人のことが、好きで好きで
「愛」かもしれないと人生で初めて思った。
そうすると、私は同時に「死」を考えた。
20歳を超えて、「死」について考えた時に
1つだけ、答えを持つことができた。
「人はいつ死ぬのか」
それは、「愛」を知った時だと思うんだ。
幼い頃にどこかで聞いた話なんだけれど、
猫や犬は人よりも寿命が短い。
その理由はなんだと思う?
「それはね、愛を知るからだよ」
人間は愛を知らないままいるから、死なないんだ。
死にたくないし、よかったよ。
幼い私は思った。
でも、そうじゃない。
人間だって、そうやって死ぬんだ。
だから、あの感情が「愛」だと気づいた夜に
明日、太陽がこの窓から見える時には
私はきっと息をしていないんだろう、と思った。
苦しくなければ良いな、とも思った。
少し怖かったけれど、
そう思うんなら、やっぱり近々私は死ぬんだろうな。
そう思った。
そのことが、江國香織を読んで
彼女もそうおもっているであろうことを知った。
ただ結局、
愛していた人からの愛は途切れてしまったかのように思えた。
また、新しい愛を探す旅にでる。
人生はそんな旅なのかもしれない。
「ウエハースの椅子」: 江國香織
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