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中小企業の社長は、まず読め! 【実践編】

まずはじめに、みなさんは社長と経営者の違いをどう理解してますか?

はい!どうも。天才家業経営者のあわずです。

前回のnoteはボクが家業を継いだことにより見えてきた事業承継問題についてお話ししましたが、今回はボクが実際に行っている「経営組織改革」についてお話ししていきます。

具体的には「経営者になること」が目的です。

ちなみに先程の質問の答えなんですけど、、
僕の考える社長と経営者の違いはこうです!
社長・・・・肩書き
経営者・・・会社を経営する人

…なんじゃそりゃ?!みたいなリアクションは
一旦置いといてください。

社長というのは法人として代表取締役社長として登記すれば簡単に?なれます。

では、経営者は誰でも簡単になれるでしょうか?

経営者の本質は「マネジメント」であり、
「プレーヤー」ではない。というのが持論です。

簡単に言うと…
美容院の経営者は髪を切らない。
工務店の経営者は釘を打たない。
カフェの経営者はコーヒーを挿れない。
ということです。

あなたが一つの現場に出続けている限り、
あなたは社長であっても経営者にはなれない。

なぜ経営者を目指さなければいけないのか?
なぜ経営者にならないといけないのかをお話ししていきます。

目次
① 属人性を無くす
② 利益率の高いビジネスを展開する
③ 企業ブランディングを確立する

① 属人性を無くす

属人性とは…簡単にお伝えしますと
「個人に依存している状態」を指します。

よく聞く経営状況だとワンマン経営という言葉がありますが、正にそれです。

みなさんの会社は明日から社長(あなた)が出社してこなくても大丈夫ですか?
特定の社員が明日からバックれて出社してこなくても問題なく仕事は回りますか?

答えが「NO」であれば、
これほどリスクが高い組織であることは何となくお分かりですよね。

では、いわゆる大企業はどうでしょう。

ソフトバンクの孫正義社長が明日から出社してこなかったとして、ソフトバンクの携帯は使えなくなりますか?
ユニクロの柳井正社長が明日から出社してこなかったとして、ユニクロは全店閉店しますでしょうか?

答えは…何事もなかったように明日からも通常営業でしょう。
ニュースにはなるでしょうが。。。

後継者育成(社員育成)ができていない中小企業と
大企業との大きな違いはここにあります。

ボクは大企業に勤めていたからこそ分かります。
入社した時は「キミの力が必要だ。」と言われ、退社する時は「キミがいないと大変なことに…」と引き止められたにも関わらず

ボクが辞めた今でも当たり前のように
会社は存続し売上を上げ続けています。

大企業はこの「個人に依存する」ということを
絶対にしていません。
誰が抜けても必ずバックアップ(代わり)が用意されています。それは社長も例外ではありません。

でも、誰でもいいやと言われると
人はやる気が上がらないので、必ず上司や人事部は「キミを頼りにしてるよ。」と持ち上げます。

どこか大企業は冷たい組織だと言ってるように
聞こえるかもしれませんが、
経営者目線で大企業を見ると本当に素晴らしい
組織体制が取られているなと感心しています。

なぜなら世の中の経営者が持つ共通目標は
「会社を長生きさせること」だからです。

会社を長生きさせる為には人財育成(後継者育成)が必要不可欠です。
人を育てる為には今持っているあなたの仕事を

「社員を信頼して丸投げすること」です。

丸投げする。
というと無責任に聞こえるかもしれませんが、
とても重要なことが一つあります。

仕事(作業)は丸投げしますが、
「責任を取るときは一緒に取ること」です。

こうして自分の仕事(ポジション)を明け渡しながら、あなたは新しい仕事(新規事業)を生み出す。

これが経営者の第一歩です。

② 利益率の高いビジネスを展開する

先程は大企業の組織体制を褒めちぎりましたが、次にボクが考える大企業のデメリットをお伝えします。

1. 経営陣やステークホルダー(株主や企業の利害関係者)が多く、意思決定に時間がかかる
2. 組織が細分化されすぎて現場に情報が下りてくるまでに時間がかかる

とにかく「時間が掛かるつまり遅い」ことが
大企業が抱える最大の弱点です。

ボクは中小企業でも少数精鋭を推していて、
経営陣で会議をする人数も3〜5名以下で充分だと考えており、

さらに言えば
最終的な決断と責任を持つのは、経営者1人
充分だと考えています。

つまりボクたち中小企業の一番の強みは
「意思決定や決断、方向修正のスピード」です。

では、少数精鋭の組織を作るにはどうすればいいのか?

その答えが「利益率の高いビジネス展開」です。

単純に売上を意識すると人々から必要とされやすい日用品や生活必需品などを扱ったビジネスになりがちです。

そういったビジネスは小さな売上を積み重ねて
利益も出し続けなければいけないので、必要な雇用人数も上がる傾向があります。
いわゆる「薄利多売のビジネス」ですね。

その反対で売上よりも利益率が高ければ、売る量を最小限に抑えることができるため、雇用人数を抑えやすいということになります。

では利益率を上げるにはどうしたらいいのか?
それは提供するサービスや商品に
「希少性(付加価値)」を付けることです。

これはTwitterなどの有名人にも言えることですが、フォロワーが多かったり人気の高い人というのは一般の人とは違う経験や職種を持っている人が多いです。

他の人が持っていない又は手に入れづらい状態(マネされにくいポジション)を作り出してます。

ビジネスも同じことで扱う商品に希少性(オリジナリティ)を加えることで他社からはマネされにくく利益率を上げることが可能です。

それは何故か?身近な例でお話ししましょう。

みなさんはウナギの値段を知ってますか?
ボクも詳しくは知りませんが、スーパーに売り出されているウナギは毎年同じ価格でしょうか?
違いますよね。

同じ川で毎年同じ時期に獲ったウナギでも
毎年金額が違います。

それはその年に獲れたウナギの「量が違うから」ですよね。

つまり、たくさん獲れた年のウナギは安くて、
少ししか獲れなかった年のウナギは値段が高いということです。
味は全く一緒だったとしてもです。

ここで大切なのは、
市場への流通量によって同じ質のものでも
価格の変動が可能
ということです。

このnoteを読んでいる方がどんなビジネスや商品を扱っているかはわかりませんが、簡単に誰でも扱えるビジネスや商品は必ず競合他社との熾烈な価格競争に巻き込まれます。

では利益率の高いビジネスや商品を生み出すにはどうしたらいいのか?
それが最後の「企業ブランディング」に隠されています。

③ 企業ブランディングを確立する

企業ブランディングとは何か?という問いに対して、ボクなりの答えは
「愛され続ける努力」です。

まず、企業をブランディングする為にやるべきことは3つあります。

1.3つの強みを持つ
2.ペルソナ(愛されたいお客様)を明確にする
3.企業理念(社長の考え)を浸透させる

1.3つの強みを持つ

みなさんは自社(会社)の強みを3つのキーワード(一言)で言えますか?

なぜ3つかと言うと1つでは簡単に真似されてしまうからです。

Googleで検索するように3つのキーワードを入れて、検索ボタンを押した先にあなたの会社が1件だけヒットするようにしてください。

これがコツです。

ちなみにボクの会社でも3つの強みを出す為に
社員や関係業者、職人に至るまで丸2日間拘束し、みんなで出し合いました。

参考になるかはわかりませんが、そのときの様子の写真を貼っておきますね。

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これくらいガッツリ出していきます。
そして、特に推すべき3つのストロングポイントをみんなで絞っていく作業です。

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これは会社に関わる全員でやらないと意味がありませんので、できる限り関わりの深い人たちを集めてやっていただくと効果が出ると思います。


2.ペルソナ(愛されたいお客様)を明確にする

ペルソナという言葉を聞いたことありますか?
マーケティング業界でよく使われる言葉で
硬めに言うと「具体的な顧客像」になります。

ターゲットじゃないんですか?という声も聞こえてきそうですが、違います。

ターゲットだと「30代の主婦」レベルですが…
ペルソナというとこのくらい出します。

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結構、衝撃ですよね?笑
ペルソナというのは本当に実在するレベルで
その人の情報を出し尽くします。

その後、ペルソナインサイト(顧客の思考)も出していきます。

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ここで大切なことは、ペルソナの定義は
「一番あなたの会社を愛してもらいたいお客様」であることです。

反対に言えば
「一番あなたの会社が商品やサービスを届けたいお客様」ということになります。

ここがブレてしまうとせっかくペルソナを出しても、届けるメッセージや商品づくりがすべて台無しになってしまうので必ず復唱しながらペルソナの設定をしてください。


3.企業理念(社長の考え)を浸透させる

企業理念とは何か…?
という問いに対してのボクなりの答えは
上記の通り「社長の考え方」です。

それをどうして社内で共有する(浸透させる)必要があるの?という質問が返ってきそうですが、
答えは明確です。

社員も社長と同じ判断で動けるようになる為
です。

ここで一つクイズです。
会社で一番の営業マンは誰でしょう?

答えは、「社長(創業者)」ですよね。

なぜなら1番会社のことを愛し、会社のことを考え続け、会社を守る為に戦い続けているのは…
社長(創業者)以外あり得ないからです。
(むしろそうじゃない会社は別の意味で危ないです…)

では社長が最前線に立って営業をし続けますか?
それはこのnoteの最初にお伝えした
属人性にハマっていくことになりますよね。

社長が現場を離れない限り、経営者になることは難しいです。

では、どうしたら他の社員が社長と同じように
最強の営業マンとして動けるようになるでしょうか?

そんなときに必要なのが、企業理念(社長の考え方)なのです。

このお客様はウチのお客様か?
こんな事態のときはどう対処すればいいのか?

「社長ならどう判断して対応するのか?」

社長がそばにいなくても判断に迷う必要がなくなるものです。

これができていないと社員は
・余計な仕事
・クレームやトラブルになりやすいお客様
・無駄な案件や行動
を捕まえてくることになります。

特に大きなクレームやトラブルにつながると
中小企業の規模では命取りになりやすいので、
特にお客様の選定は気を付けなければいけません。
(先程のペルソナ設定もこの為です。)

では、大企業ではどうでしょう?
ボクも大企業にいた人間だからわかりますが、
朝礼で何度も読み上げた企業理念なんてハッキリ言って覚えてません。

でも、大企業には企業理念の薄れすらカバーする仕組みがあります。
営業マンが何も考えずにお客様を取ってきて
クレームやトラブルに発展したとしても、
クレーム対策窓口や最終的にお金で解決できる
仕組み(力)を持っています。

そんな仕組み(組織体制)を作るよりも
社員一人一人が自分で考え、
社長に判断をいちいち仰がず、
社長と同じ考えの元で動けた方がいいですよね。

企業理念とは、
社員が迷わない為の道標(みちしるべ)と言っても
いいかもしれませんね。

最後に…
参考になるかは分かりませんが、
ボクの会社で決まっているブランディングを
まとめたシートを貼っておきます。

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これぐらいのレベルでまとめておけば、
あとで入ってきた社員にも共有しやすいですし、別の社員でも説明がしやすいですよね。

こうやって企業理念のバトンを繋いでいくことで社員は社長と同じ判断で動けるようになり、
社長は安心して社員に現場を任せることができ、
経営者としてマネジメント(経営や管理)に専念することができます。

それは後継者育成に専念できるということです。

事業承継問題は後継者育成が最大の焦点ではありますが、根本的な経営組織改革を図らないと後継者育成に専念できないというのもお分かりいただけたのではないでしょうか。

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ここまでの長文をお読みいただき、
ありがとうございました。

このnoteは自分への備忘録としても書きましたが、現中小企業の社長で後継者育成や経営組織にお悩みの方へ少しでも届いたら幸いです。

これからもTwitterで事業承継問題や経営者としてのマインドを発信したりnoteで熱く語ったりしていますので、ぜひ気になった方はTwitterのフォローと評価(コメント)をよろしくお願いします!  

あわず@天才家業経営者



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