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グラナダをふらりと歩く 〜スペイン旅グラナダ編その1〜

※このnoteは、2019年5月〜6月にかけてのスペイン一人旅の記録を振り返りつつ綴った旅日記です。

バルセロナで友人と過ごした後、わたしはバルセロナ空港から国内線でスペイン南部、アンダルシア地方のマラガへ向かった。

一人旅では決して無理をせず、自分が心地よいペースで楽しむことを一番にしていた。この日はゆっくり過ごしたかったので、マラガに到着後すぐに宿にチェックインし、荷物を置いて駅前をふらりと歩き、軽い食事を取って早めに寝た。

翌日はグラナダへ日帰りで行くと決めていた。事前に予約しておいた高速バス(ALSA)でマラガからグラナダへ移動し、16時30分からアルハンブラ宮殿の観覧チケットを予約していた。それまで街を散策して、お腹が空いたらバルで何か食べたらいいや、それだけ事前に決めていた。

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マラガの高速バスのバス停にて。ああ、スペイン語の表記が懐かしい。

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バスからの景色。アンダルシアの街と街の間はオリーブ畑やヒマワリ畑がたくさん。

11時30分頃にグラナダへ到着し、高速バスのバス停からアルハンブラ宮殿の街中までは路線バスで向かう。

スペインの街では一番大きな駅やバスターミナルは街中からポツンと離れたところにあった。少なくともわたしが訪れた街はそうだった。

駅の周りに人気はあまりなく、デパートや大型商業施設もない。ただ必要最低限のカフェテリアがあるくらいで、シンプルな造りのものが多かった。

きっと駅自体よりも街自体のが歴史が古く、新しい建物を建てたり線路を街中に作るということをしてこなかったんだろう。街の造りも国によって全然違うんだということを気付かされた。

グラナダも、一番大きな駅は街中からバスで10分〜15分程の距離に位置していた。駅の周りは他に何にもなくて、ただそこにポツンと駅だけがあった。

路線バスの中は観光客でぎゅうぎゅうだった。みんなきっと同じ場所に向かうのだからと、人がどっと降りたバス停でわたしも降り、GoogleMapsで自分のいる位置を確認し、お腹が空いたのでバルを探すことにした。

ちょうどバス停に、グラナダのバルの中でも老舗のお店があることを知り、早速行ってみることにした。

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グラナダの中心部から路地を少し入ったところにあった老舗のバル。店員さん達がキビキビ働いていた。地元のおじさまやグループ客がワイワイ楽しむ中、わたしはお酒が強くないのでオレンジジュースで。

食事も飲み物もとっても美味しかったし、店員さんもとっても優しかったのだけれど、一人だと何となく落ち着かない。オレンジジュースを頼んだ時に「ワインじゃないの!?」と店員さんに反応されたこともあって、オレンジジュースを頼む自分が何だか幼く感じた。もちろん、お酒が飲めなくたってなんら問題ないし、飲みたくなかったら飲まないのが一番なのは分かっている。でもなぜだか、お酒を飲みながら楽しそうに賑わう周りの人々と、オレンジジュース片手に一人カウンターに佇むわたしとで、ちょっと隔たりがある気がしてしまってならなかった。バルはここだけじゃないし、思い切って他のお店も行ってみようと、移動することにした。

しかし、この日は日曜日だった。スペインの日曜日はバルもお店も閉まっていることが多く、ガイドブックに載っていたバルの多くが閉まっていた。

とりあえずGoogleMapsで位置を確認しながらあてもなく歩いていると、中心部から少し外れたところに何だか良さそうなバルを見つけた。白と青を基調にした雰囲気がステキだった。お店の中はたくさんのお客さんで賑わっていて、店員さんも女性の方が多く、えいっと入ってみることにした。

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魚介料理が中心のバルだった。赤ワインをソーダで割ったTinto de veranoとお魚のフリットを注文。


フリットは熱々でお魚が柔らかく、レモンを絞るとこれまた酸味がとても美味しかった。外は暑かったのでキリッと冷えたワインも美味しい。店員さんは通り過ぎる度に「美味しい?」「他に注文はある?」と気にかけてくれてとっても優しい。

でもどこか、まだまだ心の片隅に、自分はこの知らない土地で一人ぼっちなんだという意識があって、何となくさみしかった。

周りではスペイン語が飛び交い、何を話しているのかさっぱり分からない。でもそんなことを考え始めたら、旅が終わるまでにさみしさで心が折れてしまいそうだった。

これじゃいけない!この後はお待ちかねの世界遺産・アルハンブラ宮殿が待っているじゃないか。もっともっと楽しまないと!と自分で自分を励まし、ワインを一口ぐいっと呑む。ワインもフリットも、しみじみ美味しかった。

食事の後、少しバルでのんびりしながらアルハンブラ宮殿への行き方を調べた。地図を見てもネットで調べても、とにかく広いということは明らかだった。

チケットに書かれた時間はナスル朝宮殿の入場の時間で、それまでに少なくとも2時間前にはアルハンブラ宮殿の敷地に入っていた方がベターとのこと。もっとグラナダの街を散策したかったけれど、今からだと早めにアルハンブラ宮殿を目指して歩いた方が良さそうだ。

気持ちの良い青空の中、アルハンブラ宮殿を目指して再び歩き始めた。


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アルハンブラ宮殿の敷地内から見えたグラナダの街並み。
空の色がとてもアンダルシアっぽくって、気に入っています。

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