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大切な誰かのために生きる

将来の夢って一体何だろう。わたしはどんな大人になりたいんだろう。

10代の頃も20代の前半でも、そんなことをぼんやり思い浮かべては、まるで掴めない雲を掴むような、掴んだと思った途端にすっと手のひらで消えて無くなっていくような、見つけようとしても見つけられない日々の繰り返しだった。

大学3年生の頃に始まった就職活動では、面接で自分が将来どのようになりたいのか、それが上手く言えなくてとても苦労した。

自分がどの会社で働きたいのかも自分のことなのになかなか分からなくて。内定をどんどんゲットしていく周りの友人たちと自分を比べては、落ち込み一人で泣いていた。

だが、幸いにも一社だけ内定を頂き、その後6年がむしゃらに働かせて頂いた。社会人になってからも、自分のことが分からないなら分からないなりに、自分が「好きだな。楽しいな」と思うことを学び挑戦した。そのおかげか、30才を目前にして、ようやくちょっと、その雲の輪郭がやんわりと見えてきたような気がする。

自分とはどんな人間か。

まだ分からない部分は多いけど、少なくとも、「大切な誰か、何かのために生きている」ということははっきりと言える気がしてきた。

今までの人生を振り返ってみると、大学生の頃はとにかく英語を取得したくて、英語を使って外国人の観光客を案内するボランティアガイドとして活動していた。

世界各国からの観光客の方と初めて出会い、出会ったその日に朝から夜まで京都を案内した。寺社仏閣を一緒に廻って食事を共にし、道中に色んなことを話した。生まれ育った京都を案内するのがとても楽しかった。そして世界中の人と出会い、新しい世界をたくさん知ることで、世界とつながっていくような気がした。それがとても幸せだった。

勉学の方では、第一言語はスペイン語を履修した。スペインとラテンアメリカに興味があったのと、世界で3番目に話す人口が多いスペイン語を取得すれば、より多くの人とコミュニケーションを取ることができそうだ、そう感じたからだった。

社会人になってからは英語もスペイン語も使わない仕事に就いたため、その後6年間は語学から少し遠ざかってしまった。

社会人2年目からは東京で一人暮らしを始めた。当時付き合っていた彼がわたしが作った料理を美味しい美味しいと食べてくれるのが嬉しくて、料理とお菓子作りが大好きになった。

料理やお菓子は、教室に通ったり自分で練習したりして、コツを掴めば自分のものになった。料理教室やスタイリングの教室にも少し通って、スキルを身につけた。新しいことを学ぶのが純粋に楽しかった。

そして、社会人6年目を終えた2019年。わたしは思い切って会社を辞めて、貯めた貯金で1ヶ月スペインを旅した。そこで改めて、大学生の頃の英語やスペイン語が拙いながらも本当に役に立った。

今は、パートナーと一緒に九州で暮らしている。外国籍の彼とは、英語とスペイン語、日本語で話している。

パートナーと暮らし始めてから、自分がこれまで「好きだ。楽しいな」と思っていた外国語が日常で使用するものになった。(と言っても、まだまだ勉強すべきところは山ほどあります…)

料理もお菓子も、パートナーが美味しいと言って食べてくれるのが何よりうれしい。だから、少しでも良いから毎日何か美味しいと思ってもらえるものを作りたい。

一緒に暮らす相手ができたことによって、働き方やお金についてもより深く考えるようになった。

もっとこんな暮らしがしたい、将来のために貯金もしたい。そのためには自分のどんなスキルを活かせるか。自分に足りないものは何か。コロナの影響下で、どんなことをスキルアップすれば良いか。そんなことを、より具体的に考えるようになった。

そんなことを考えていたら、わたしの「○○したい」「○○が好き」は、必ず相手が伴うものであることにふと気がついた。

なぜ外国語を勉強するのか。
それは、コミュニケーションを取りたい人・知りたい人や知りたいことがたくさんがあるから。

なぜ料理やお菓子作りが好きなのか。
それは、食べてくれる人が美味しいと言ってくれるのが何より嬉しいから。

なぜ働くのか。
それは、家族とより良い暮らしをしたいから。

これまで、自分の興味のあることや好きなことはたくさんありすぎて、点でバラバラだと思っていた。でも、なぜ好きなのか、相手ありきで考えてみたら、なんだかストンと自分の中で腑に落ちていった。

わたしの場合、まず目の前の人がどうすれば喜んでくれるか、大切な人とどう幸せに暮らしていくか、それが一番なんだと思う。それがあるからこそ、好きなことをめいいっぱい楽しむことができる。

そして、これからもプライベート、仕事やnoteで様々な人と出会うだろう。

そこで自分のことを知ってくれた人に自分のどんな力がお返しできるか。どうすれば、もっと人に喜んでもらえるか。今の自分には何が足りないか。

その観点で自分を客観的に見つめていけば、なりたい自分になれそうな気がする。書きたいものも書けるかもしれない。

人との出会いは、本当にありがたい。出会いがあったおかげで、今の自分がある。

家族、友人、そして何より大切な人に出会えたことに、心からの感謝をこめて。いつもありがとう。













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