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「勝つためにはここで得点する必要がありますね」(84/265)

タイトルは、野球解説なんかでよくある台詞です。

実況「解説の〇〇さん、〇〇チームはどんな戦いをすべきですか?」
解説「はい、1点ビハインドで9回裏なわけですから、勝つためには少なくとも1点取って延長に持ち込むか、2点とってサヨナラしかありませんね。」

なんのこっちゃ?

これって何か言っているようで何も言っていない典型例ですよね。政治家の小泉進次郎さんの、いわゆる「小泉話法」にも通ずることかと思います。

ピンチを切り抜けるにはこういう話法も使いこなせた方がよいかもですが、

日常的にこういう話法を使い続ける
リーダーがこういう話法を使い続ける

ことは大いに問題だと思います。

日常的にこういう話法を使い続ける

ということは、振り返りや学ぶことをしていないということですね。一度はこの話法で切り抜けたとして、自分の無知を恥じてしっかり学べばよいのですが、その場その場を切り抜け続けるのはあまりに虚しくありませんか?

リーダーがこういう話法を使い続ける

こちらは、自分だけでなく、チームや組織に害悪を与えるので絶対あってはならないと思います。しかし、残念ながら組織でよく見られますよね。

上司「以上が今期の業績目標だ。一丸となって達成して欲しい。」
部下「部長、A事業とB事業どちらを優先すべきですか?」
上司「どちらもだ。ぎりぎりまで攻めて業績を上げて欲しい。」
部下「しかし人員も限られていますので、優先度は示して欲しいです」
上司「私が言うのは簡単だが、君たち自ら考えて挑戦して欲しい」
部下「もちろんです。しかし部長の方針は知っておきたいんです」
上司「すまん、経営会議の時間なのであとはしっかりやってくれ」
部下「・・・」

この部下が優秀で行動力があるなら、こんな使えない部長は見限ってがんがん攻めてくれるかもしれません。しかし、平均的な社員は、

「まあ部長があの調子だから、適当にやっておけばいいよ」
とか
「部長は両方と言ってるんだから、やればいいよ(たぶん失敗する)」

という消極的な対応になるのではないでしょうか?これで組織の業績が向上するとは思えません。

このようなリーダーは振り返りや学びがないので中身は空っぽです。こういうリーダーに詰め寄るとさらに悲劇が訪れます。

部下「部長、やはり優先度は示していただかないと」
上司「だから、自分で考えろと言っているだろ!」
部下「はい、しかし部長のお考えがわからないと」
上司「うるさいな!(逆切れ)」
部下「そこをお願いします」
上司「じゃあA事業に集中しろ!命令だ」
部下「いや、そういうことをお聞きしているのではなく」
上司「決定事項だ!」
部下「・・・わかりました」

<後日>

部下「A事業は予算未達成でした。」
上司「それで?」
部下「B事業は顧客を失ったので来期予算見直しです」
上司「なんでB事業をしっかり追わなかったんだ!」
部下「いや、A事業に集中しろというのは部長の命令だったので」
上司「お前は、俺が飛び降りろと言ったら飛び降りるのか!」
部下「いや、それは・・・」
上司「いいから、始末書と来期の企画書を提出しろ!」
部下「・・・」

上司のプライドとか捨てて、車座で腹をわって話すことで、それだけで解決する課題は少なくないのに本当に残念だと思います。

コミュニケーションギャップ
コミュニケーションエラー

が蔓延しているのが、いまの組織、社会だと思います。深いコミュニケーションよりも個人のプライドや体面が優先されているのも原因でしょう。

まずは身近な人とのコミュニケーションを見直してみませんか?

「創造的な議論」「創造的な会議」は面倒なものでも怖いものでもなく、本来とてもエキサイティングで楽しいものです。うわべではなく、フラットで深いコミュニケーションを楽しみましょう。

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今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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