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「隙」を見せる大切さ


たった20分の温かい今日の出来事。

今日は予定があり、いつもだったら歩く距離だけれどあいにくの雨でバスで向かうことにした。

バス停で1人、イヤフォンで音楽を聴きながら待っていると1人のお爺さんがやってきた。

そして何やらずっと時刻表を見ている様子。

「もしかして何か困ってるのかな、、?」と思ったが勝手に困ってると思うのも何か失礼な気がして何もできずにいた。

次のバスがくるまであと20分。

少し気まずい時間が流れる中で昨日読んだ本を思い出した。

朝井リョウさんの『風と共にゆとりぬ』

このエッセイ集の中で「隙」に関するエピソードがあった。

わざと「隙」を見せることで人生に思わぬ展開が起きたりする、と。

そんなことをふと思い出して私はイヤフォンを外してバスを待つことにした。

すると数分後、、、

「次のバスに乗ると〇〇の近くまで行けますかね?」

と、お爺さんから声をかけてもらえた。
(「隙」見せに成功し、内心ガッツポーズ)

だが、バスに乗り慣れていない私は

「、、ちょっっっと待ってくださいね〜^^;
調べてみます💦💦あまりバスに乗らないもので。。。」

と情けない返答をすることになってしまった。

そんな焦りまくりの私を見ながら

「私もいつもだったら歩くんだけどね〜。
さすがにこの雨じゃ厳しくて。
でもやっぱり若い人は調べるのが早いねぇ」

と優しく接していただいた。

結果、私が乗る予定だったバスに乗れば行けるようだったのでお爺さんと世間話をしながらバスがやってくるのを待っていた。

いつもはイヤフォンをしていて聞こえない雨の音が心地よかった。

もしも今日が雨じゃなかったら。


もしもあのままイヤフォンをつけたままだったら。

少しでも今日の行動が違えば、この出来事はなかったのではないかと思うと全てが奇跡に思えた。

たった20分の出来事がとても温かかった。



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