見出し画像

文化を3Dアーカイブする

一つ前の投稿の続きです。

前回の投稿でざっくりと事業内容について説明しましたので、3Dアーカイブ事業について一つずつ詳しく説明したいと思います。

Pick up where we left off.
In previous article, I roughly talked about the project of 3D archive. This time I will talk more about details. 

■STEAM教育としての活用-use as teaching material

STEAM教育では前回の投稿で紹介したおつるを使って以下のような学習を目標としています。

・3Dの技術の学習やそのデータを応用したプログラミング学習        
・伝統文化への入り口     
・組み立てを行うことによる人形師の作業の追体験が可能 
・環境教育的視点からの3Dプリント素材の選定と教材としての活用           

浄瑠璃人形には、日本文化という日本文化が大体詰まっています。着物に漆に祭りに…今回の事業では、3Dなどの技術、3Dプリントの材料から環境配慮的な視点も同時に学習できる。

As STEAM education, we are aiming toward doing these things in below through using 3D deko which I introduced in previous article.

・For learning the skill of making 3D data and of programming 
・Open the door of Japanese traditional cultures 
・Reliving what puppet makers do through putting together 
・We are trying using sustainable materials for our creation,
    and we will use it for environmental education at the end.

Ningyo Joruri introduces lots of Japanese cultures. Kimono, urushi and maturi and so on... In addition, we will put them together with 3D which is a new technology, so that people can learn every aspects. 

■触れる展示-hands on exhibision

次に、当館における3Dデコの触れる展示を企画していて、STEAM教育にもつながっていくような大人も子供も楽しめる展示にできたらいいなと考えています。前回の展示に加えて数体デコを増やし、また来場者の方々に組み立てや絵付けを行ってもらえる体験コーナーなどを検討中です。(詳細未決定のため変更の可能性あり)

 Secondly, we are considering about hands on exhibition not only for children but also for adults. 
 This time, few more deko are going to be added, and we are considering to let visitors paint a face of mini 3D deko and build up them. (These are not decided yet, so it will be changed without prior notice.)

前回の展示の様子はこちら↓

制作中のデコの中には、海外でも人気の”ガブ”というかしらがあります。こちらに挿入するいい写真がないかなと探していると個人的に可笑しいなぁと思うものを見つけたので、少し脱線してしまいますが紹介させてください。笑

We are making "Gabu" which is popular even among foreigners. While I was looking for a photo to show you, I just happened to find something I feel weird. It will go off the track , but let me introduce you that. 

私的:ちょっと変だよ、① (読み飛ばし可)

-Why Japanese people?  (you can skip to the next topic)-

 現在、人形洋(甘利洋一郎さん)製作の”ガブ”が、ニューメキシコ国際民藝博物館(The Museum of International Folk Art)の『Yōkai』展にて飾られています。とても恐ろしく、そして美しいですよね。

  Gabu made by Ningyo-yo(Yoichi Amari) is exhibited in the Museum of International Folk Art in New Mexico, USA. Gabu is a young woman instantly changes into a demon, and "Gabu" is came from its appearance.
   So frightening and beautiful, isn't it?   

画像1

 このガブが登場する有名な演目には『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』があります。その四段目『渡し場の段』の嫉妬するあまり美しい娘・清姫の口は裂け、角がでてそして最後には大蛇になってしまうという場面がこれを遣って表現されています。
 もともとこの演目は人形浄瑠璃のために作られ、5段のうちの一番人気が高かった『渡し場の段』が今日にも残っているそうです。

This puppet head is appeared in "Hidakagawa iriaizakura Act.4 the wharf". A young woman, Kiyohime turns into demon and at last becanes giant snake from jealousy  

いろいろ調べていると歌舞伎でもこの演目が演じられ人気が高いようだったので、ちょっとみてみようと何気なくYouTubeを再生してみたところ。

YouTube見る私:わー、歌舞伎でも人形使うんやー。

と思っていましたが、人間(坂東玉三郎さん)の演じる人形・清姫でした。

さらにYouTube見る私:じゃあ、後ろの人は何してんの?

理解が追いつかず、、、。
解説を聞いていると、どうやら人形浄瑠璃をそのまま歌舞伎にした演目らしく。

人形浄瑠璃はいかに人間らしく演じるかを追求して表現されるもの、
一方で日高川入相花王を歌舞伎では、いかに人形らしく演じるかを追求して演じられている。なんで人形ごと演じようと思ったんだろうか、、。

 変だよなぁ笑と思ったので、この感覚をシェアしたくかなり脱線してしまいました。
 高尚な文化のように感じてしまいますが、人形浄瑠璃も歌舞伎も元は大衆のものだったんだなと。そして、全然違うものに見えてもたくさん共通する部分があって、知らないことがありすぎて興味はつきません。

では、話を戻します。

■文化を体験する展示

STEAM教育、触る展示は人形浄瑠璃だけでなく日本文化のより深い理解につながると考えていています。前回の投稿でも述べたように今回の事業は人形・人形師の技を3Dデータに保存するという側面ももちろん大部分にありますが、それを活用することによって実はそれを取り巻く文化を丸ごとアーカイブするということにつながっていると改めて感じています。

最新の技術を駆使しながら、伝統文化をいつまでも新鮮にお伝えしていけたらと思います。

ちょっとでも気になった方はぜひ、十郎兵衛屋敷へ足を運んでみてください。ではまた次回。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?