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地方だからできる起業(チャレンジ)の形と必要なスタンス

 最近商売の面白さを感じる機会があった。淡路島はパソナさんなど大手企業の参入で注目されているが、個人事業主規模の飲食店も多い。自分が若いせいか、数は少ないはずの20代の事業主さんとの接点も多い。私の周りの若い経営者が行っている店舗はうまくいっているところが多い。そして、一概には言えないが似たような条件で経営している経験のある人のお店がうまくいっていないというパターンも多い。

 地方での飲食店は経験が重要なのか、若さ故の感覚が重要なのかと考えさせられる。両者と話して見えてきた答えは、うまくいかない原因を外的要因と考えるのか、内的要因と考えるのかという差だ。うまくいっている店舗はトライアンドエラーのサイクルが早い。まずは試しにやってみる。よかったら定番化し、悪ければ次のアクションに移る。逆に苦戦している店舗は自分の努力以外に様々な理由づけをし、現状を正当化するばかりでアクションへの一歩が重い。そして「若いから挑戦できていいね」などと検討はずれな事を口にする。

 話は少しそれるが、今日「非顧客」の実態を追求するというマーケティングの面白さを解いている人の話を聞いた。ロイアリティを高める、ファンを作っていく、リピーターと大切にするといった既存顧客向けの手法が注目されている中、面白い発見だった。この手法は、現在の顧客を分析し、同類の新規顧客へアプローチするという類のものではない。

 例を挙げてみよう。「お風呂」をビジネスと考えると、子供はお風呂に入りたくないとい非顧客と捉えられる。「お風呂に入ると体が綺麗になる」というベネフィット訴求型のマーケティング手法だとうまくいかない。

 ここで非顧客である子供を分析する。有名な保育所の先生の話によると、子供がお風呂に入らない理由は「遊びの時間がお風呂という作業によって分断されるから嫌」だからなのだそうだ。そのため、「お風呂=体をきれいにする作業」から「お風呂=遊び」に変換する事で子供は進んでお風呂に入るようになるのだという。

 自分が扱っている商材をベネフィット訴求型から、非顧客を分析して新しい価値付けを行うことで新規顧客を獲得していく。現代のマーケティング法と併せて行っていきたい面白い角度からの話だった。

 こういった新たな学びを活かすにはやはりPDCAサイクルを回していくしかない。私が若者の地方での挑戦を推奨している理由もここにある。もちろん単純に地方創生につながるという理由も大きい。しかし、地方のために若者は集まらない。地方の方がいいから人が来るのだ。そして、地方の方が良い点として「トライアンドエラーのサイクルを回しやすい」という点がある。

 驚くほどお金だけの世界ではない地方は、ありえないような初期コストでのスタートができるチャンスがある。人と繋がれば思いもしなかった挑戦が待っている。そして、生活費も格段に抑えられる。実力をつけるために試行錯誤し放題なのだ。

 淡路島に来てからBARを開業し、アウトドア施設を経営し、NPO法人を作り、映像制作事業や薪屋さんもやってきた私は実践からさまざまな学びを得た。まだまだ成功者でもなんでもないが、あり得ない速度で多くの学びを得ることができている。

 自分にベクトルを向け、挑戦し、反省し、次に活かす。このスタンスの人は資金が無く素人から新たな業界での挑戦をしても死なないし前進できる。こんな魅力的な地方での挑戦をこれからも発信していきたい。

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