いろはのわ一期生体験談#1『自分の中に眠っている「やりたい」の発掘』
ゼロからの企画立案
インターン企業があわじ荘と決まった日、担当者である所長さんから言われたのは「やりたいことをやっていい」でした。コロナ禍であったため、介護施設でインターンをすることが叶わず、さらにテーマも、福祉や介護業界の問題解決をしてほしいというざっくりしたものでした。
はじめは何もレールがひかれていない状況に対して驚きと不安がありました。しかし、それと同時に湧きあがったのは胸が熱くなるほどのワクワクでした。
企画を立案する時に、まずは自身の信念から掘り起こしました。その際に出てきたのは「どんな人もありのままでいいと認めたい」「人を愛したい」でした。今までずっとやりたいと思っていたことが、このプロジェクトを通して形にできると考えると嬉しさでいっぱいになったのです。
福祉=しあわせ
また、企画を立案する際には、福祉の本質についてもよく考えました。辞書でひくと福祉とは、「しあわせ」や「ゆたかさ」を意味すると言います。そのため、例え福祉施設でなくても、人の営みの中に幸せが生じれば、それは福祉であり、そのことをもっと多くの人に伝えたいと思いました。できるだけ多くの方に”福祉”を届けることで、多くの方にとって福祉のハードルが下がるだけでなく、自分自身の福祉を改めて考える機会になります。
自己理解ワークショップをひらく
私の信念をもとに形作ったプロジェクトが「自己理解ワークショップ」です。これは、一対一で私が相手の過去を深ぼって、今にどう活かされているのか、そこから生まれた価値観や信念から将来何をやりたいのかを言語化します。過去と今と未来を繋げることで、過去の経験があるからこそ今の自分自身が形成されたのだとポジティブに捉えられるようにしました。幼少期から丁寧に深ぼるので、ワークショップは1人当たりだいたい3時間から10時間ほどかかります。
それでも、ここまでじっくり自分の過去を深ぼったことが無い人がほとんどなため、終わった後には過去の自分と今の自分が繋がった時に腑に落ちたような、驚きと感心が混ざったような表情をします。ワークショップをやった方は総じて自己肯定感が上がったり、過去や未来に対してポジティブな考えが生まれたと話してくれました。
また、あわじ荘の職員さんにもワークショップを行うことで、得意なことが活かされていると分かって職場での存在意義を自覚したり、向上心に繋がったり、福祉の意味を問いなおすことに繋がるといった内部変化を起こすことができました。
三方良し
また、インターンをやっている中で印象に残った言葉として「三方良し」があります。これは、あわじ荘の所長さんがずっと大切にしている言葉で、自分や利害関係のある人だけではなく、関わる全ての人が幸せになってほしいというものです。
私は、自分のプロジェクトをやる際に、誰をターゲットとするのかを明確にしていませんでした。自分の目の前での大切な人や、困っている人、求めてくれる人に向かって一人一人誠心誠意をもって向き合いました。気づくと、いろはのわで集まったインターン生、あわじ荘職員の方、関連企業の方、地元住民の方、島外の方含めて約18人とワークショップをやっていました。その他にも地元で行われたイベント”しまのえんがわ” で福祉を届けるための小商いを出店したり、実際にあわじ荘で週二日働いてみたりと、対象者を一つに絞らなかったことで様々な人に自分なりの福祉を届けることができました。
自分のやりたいことはどこから生まれるのか
もちろん、私はこのインターンを受ける前からこのプロジェクトをやりたいと思っていたわけではありません。このプロジェクトも全てが自分のオリジナルだとは思っていません。
過去に人に自己理解を進めてもらって肩の荷がおりた経験から、実際に私も人にやりたいと思いました。それにプラスして過去に福祉施設で働いていた時の違和感や人生のモヤモヤが何なのかを言語化したことで、私なりの信念と知識をそこに上乗せしてできた企画でした。
「やりたいことをやっていいよ」その言葉で多くの方は立ち止まってしまうかもしれません。しかし、何も全てをゼロから生み出せというわけではないのです。自分の過去の経験や学んだこと、そこで生じた自分自身の感情にきっとヒントはあるはずです。やってみてもし思ったのと違ってワクワクしなくても、なぜそれがワクワクしなかったのか原因を探ることで、トライ&エラーを繰り返しながら自分の確信へと近づくはずです。
「やりたいことやっていいよ」この言葉を恐れずに、大海原に放り出されても自分しか見えない目印を頼りに、楽しみながら進んでいきましょう!
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