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トルコ・ギリシャ・モロッコ・コスタリカを旅して気づいた幸せとお金の関係

もう少し収入が増えたらいいのになあ。
そうしたらもっと人生が楽しくなるはず。

そんな風に思ったことはありませんか?

もしくは

もっと稼いだら、あれも手に入れてこれも手に入れて、色々なところに旅行に行って…夢のような暮らしをして…そうしたら幸せだろうな。

なんてあれこれ妄想を膨らませている方もいらっしゃるかもしれません。


わたしも「いつか世界中を旅できるようになったらいいな」と思っていました。

「そうしたらきっととっても幸せで、そのためにたくさん稼ぐ必要があるだろうなあ」

30代前半まではそんなことを考えていました。


この8ヶ月、トルコ、ギリシャ、モロッコ、そしてコスタリカを旅してきて感じたのは、幸せのメカニズムは思っていたものとは違うものだということです。

わたしたちはどうしたら幸せに生きることができるのでしょうか?
そのためにお金はもっと必要なのでしょうか?

幸せとお金に関する考え方を見誤ると、わたしたちは「がんばってもがんばっても幸せになれない」ということが起こります。

逆に幸せのメカニズムを知っていると、朗らかに、楽に楽しく、そして幸せに毎日を過ごすことができます。

自分らしく健やかに幸せに生きたいと思う方の少しでも参考になればという想いから、世界を旅し、暮らす中で気づいた幸せとお金の関係について言葉にしてみたいと思います。

収入と幸せは比例するのか

もう少し収入が増えたらいいのになあ。
そうしたらもっと人生が楽しくなるはず。

そう思うとき、わたしたちは無意識に頭の中に収入と幸せについてこんなイメージを持っているのではないでしょうか。

一方で、

・年収があるレベルを超えると幸福度は頭打ちになる
・幸福度のピークは年収700万円から800万円くらい

というような話を聞いたことがある方も多いかもしれません。

近年、ピークはなく年収に比例して幸福度は上がるという研究結果も出ているようですが、いずれにしろ「収入と幸福度は比例する」というのは多くの人がイメージしていることではと思います。

収入が増えればもっと幸せになる。

本当にそうなのでしょうか?

生活費が半分以下の暮らしをしてみて

わたしは約3年半オランダで暮らしていましたが、今年の春、オランダ人のパートナーと旅に出ました。

旅、と言ってもずっと移動をしているわけではなく、airbnbで一ヶ月間家を借りて暮らすというスタイルです。なので暮らすように旅をしていると言ってもいいかもしれません。

これまでトルコのイズミルという街に2ヶ月、イスタンブールに1ヶ月、ギリシャのレロスという島に2ヶ月、モロッコのマラケシュに1ヶ月、エッサウィラに1ヶ月半滞在し、今はコスタリカのケポスという街のはずれのジャングルの中に暮らしています。

モロッコのマラケシュを除いては全て海辺の街で、朝や夕暮れ時にはのんびり海辺を散歩して過ごしています。

旅を始めて最初に滞在したトルコのイズミルで暮らしてみて驚いたのは、生活にお金がかからないということでした。

今になって分かりますがオランダは暮らしやすい一方で物価はかなり高め。日本の今の物価は分かりませんが(生活費で言うとオランダよりも安く、娯楽や消費の機会がたくさんあってその分お金を使うというイメージです)、
オランダの物価が10とすると、イズミルの物価は3くらい。

その後暮らした街もオランダより物価は安くだいたいこんな感じでした。

オランダの1ヶ月あたりの物価を10とすると…

トルコ イズミル:3
トルコ イスタンブール:5
ギリシャ レロス島:7
モロッコ マラケシュ:7
モロッコ エッサウィラ:6

*モロッコは現地の人向けの価格は観光者向けの10分の1くらいでしたが、わたしたちは自炊をするときは現地の人向けの八百屋さんやスーパーで材料を買い、外食は観光客向けのお店でしていました。

*滞在する場所はオランダで暮らしているときと同じくらいの価格帯のものを借りていたので、生活費としてはオランダにいたときの5割から8割くらいになったイメージです。

物価が3分の1になるということは、仮に収入が3分の1になっても(現地の価格で家を借りれば)暮らしていけるということです。

では、生活費が3分の1になって、収入が3分の1になったら幸福度は減るのでしょうか?

そういうわけではない、というのがわたしの実感です。
むしろオランダを出て暮らしながら旅をしていて、幸福度はどんどん上がっていると感じます。

家が広ければ幸せ?お金がかかることをすれば幸せ?

「いやいや、生活費が少なくて済むのであれば結局は前よりもいい暮らしができているんでしょう。それで幸せなんじゃない?」と思われるかもしれません。

そうとも言えないのです。

例えばこれまで暮らした中で一番狭い家はギリシャのレロス島で小ぶりの1LDK、約30平米くらいだったのに対し、一番大きな家はモロコのマラケシュで、5LDK+大きなルーフトップテラスで120平米くらいでしたが、どちら三日もすればそこでの暮らしに慣れてしまいました。

もちろん安心して暮らせることが大前提ですが、小さくともキッチンとトイレとシャワーがあって、静かに仕事ができる環境があればわたしは十分に幸せで、幸福度合いは家の広さや設備にはあまり影響を受けないと感じます。

「そうは言っても、観光とか、何か特別なことにお金を使っていたでしょう?それで幸せなんじゃない?」と思われるかもしれません。

確かにこれまでの旅の中で素敵な景色にたくさん出会ってきました。でもその多くが入場料等がかからず無料で訪れることができる場所だったのです。

中にはギリシャの小さな島を巡るアイランドホッピングやモロッコの特別なカフェなど多少お金がかかるものもありましたが、それでも日本円で言うと数千円くらい。二日くらい夕飯を自炊すれば賄うことのできる金額です。

深い幸せを感じるときの共通点

そんな中でも、本当に素晴らしい景色を見たり体験をして深い幸せを感じたことには共通点がありました。

それは「プロセスを体験する」ということです。

ギリシャのレロス島の高台から見る夕焼けは本当に美しくて「人生の中であの景色を見ることができてよかった」と思っていますが、そう思ったのは高台までの石段をよいしょよいしょと登っていく体験があったからこそだと思うのです。

これがもし、ヘリコプターでえいっと乗りつけていたら「わあ、きれい!」くらいには思ったかもしれないけれどあの感動は味わえなかったでしょう。

そして「綺麗だね」と言い合えるパートナーや友人がそこにいたということも体験をさらに特別なものにしていると感じます。

さらにプロセスを自ら体験するために重要だったのが現地の人たちとのコミュニケーションでした。

オランダ人のパートナーは英語が堪能でそのほかにもいろいろな国の言葉が話せる(簡単な会話ならすぐできるようになる)ということもあり、挨拶をしたり道を聞いたりということを難なくすることができます。

観光客を狙った詐欺などもあるので注意は必要ですが、コミュニケーションが素敵な体験の後押しをしてくれることは多くあると感じます。

これはきっと言葉が通じる国でも言えるのではないでしょうか。誰かとの出会いや関わりによって新しい世界を見ることができる。それがたとえ派手なものではなくとも、わたしたちの日常にちょっとした彩りをもたらしてくれるのではと思います。

幸せを感じる土台となる5つの要素

そんな風に幸せの条件を考えると、収入が上がることは必ずしも必要ではなく、収入が変わらなくとも幸福度がぐーんと上がるということは起こりうる、というのがわたしが色々な国を旅し、暮らして感じたことです。

もちろん、お金をたくさん払えば手に入る幸せもありますが、そこで手に入る幸せは持続性が低く、かつ次にはもっとお金をかけたりもっと強い刺激を得ないと満足ができないようになっていってしまうでしょう。

「世界を旅し、暮らす」というと特殊なライフスタイルに聞こえるかもしれませんが、あらためて今幸せを日々感じることの土台になっているのは次の5つの要素だと感じます。

暮らしながら旅をして気づいた幸せの土台となる5つの要素

①暮らしの中の余白を感じること
②人と比べないこと、今あるものに目を向けること
③プロセスを体験すること、プロセスを味わうこと
④ときには仲間とともに楽しむこと、つながりを感じること
⑤未知の相手とコミュニケーションを取ること、世界にオープンでいること

安心して暮らし、さらに世界を味わい楽しむためにお金はとても大切です。

そんな中でも本当に大切なのは収入の金額ではなく、どのように収入を得るのか、どのように使うのかだと感じます。

どのように使うか、という点においては時間についても同じことが言えるかもしれません。

時間とは人生そのもの。

人生をどんな風に過ごすかが結局のところ幸せの度合いを決めているのではないかと、そんなことを考えています。


コスタリカのジャングルでの暮らしは洗濯物が乾かないなど不便なこともたくさんありますが、自然からたくさんのことを学んでいます。

そんなことを考えていたときに読んだこちらの本、「幸福にはセロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福の大きく3種類がある」という視点は実感と重なるところがありました。

成功や達成、地位を得ることから来るドーパミン的幸福は悪いわけではありませんが、そればかりを追いかけていると際限のない消費や競争から抜け出せなくなり、結局のところ本質的な幸せから遠のくことになってしまうなあなんてことも考えています。


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