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本当に美しいものに出会ったときは

徐々に色が変わる山肌をベッドの中から眺めていた。
昨日、夕暮れ時に見た静けさを湛えた深い緑とはまた違う、軽やかで踊り出しそうな緑。

これから毎日ここで、この景色を眺めることになるのだろう。

実際にはセッションがある日には日の出より早く起きることになるので、セッション中に、だんだんと明けていく空に包まれることになる。

昨日、一ヶ月を過ごしたグラナダの町からアポヨ湖のほとりに移動してきた。

12月末にすでに同じ敷地内の別の家に滞在していたこともあり自然に囲まれた場所で心が安らぐだろうということは予想していたが同時にきっと多少不便さも感じるだろうと予想していた。グラナダの町も心地よくかつ徒歩5分から10分圏内にカフェや食堂もたくさんあり便利だったからだ。

暑さの中でダレる犬のように半分寝た状態で50分ほどタクシーに運ばれた後、滞在先の敷地を管理しているアルベルトさんに前回同様あたたかく迎えられ、そして今回滞在するコテージに足を踏み入れたとき、いい意味で予想は裏切られた。

目の前に広がるアポヨ湖、そしてその周りに見える山の端。火山の噴火でできたカルデラ湖であるアポヨ湖は外の世界から切り離され、そこには独自の空気と時間が流れている。

ここで感じる不便さなど、地球に対する人間の大きさと同じくらいちっぽけなものだ。

こうして書いている間も、向かいの木には不思議な色の鳥がやってきている。近づいて見ようとすると鳥がくるりと向きを変え、エメラルドグリーンの背中が見えた。予想外の美しさに息をのむ。

バスルームから出てくるパートナーを呼ぶ。「怖いものでもいるの?」と聞かれる。どうやら人間は、見たこともない美しいものを表現する声も言葉も持ち合わせていないようだ。

「表現する言葉が見つからない」

そんな景色や生き物、感情にこれから一ヶ月何度も出会うことになるだろう。

そんなときは無理に言葉を探さなくていい。まずは出会ったはじめての感覚や景色を存分に味わってみる。必要があれば言葉はいずれやってくるだろう。

内側が美しさや幸せで満たされたとき、それを表現する言葉や機会はこぼれ出るようにやってくる。

あたらしい場所に、あたらしく生まれた自分をまずは存分に生きたい。2022.2.3 Wed 7:35 Nicaragua Laguna de Apoyo 


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【こちらは2022年6月よりawai Lagunaの活動へ移行します】 リフレクションジャーナルを綴ることにご関心がある方はawai Lagunaにご参加ください。 https://laguna.awai.space/about

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